beat goes on

中学の時に佐野元春が責任編集した"this"という雑誌の"ビート"特集を読んだ時に、そこで、初めて彼=室矢憲治さんが書いた、幾つかのコラムを読み、そこから、ブルース・スプリングスティーン、ディラン、ルー・リード、ジム・キャロル、ビートニクス作家の始祖、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、バロウズ 、and so on,and so on...をマジに学校の授業の257倍の濃密さで吸い込んだ。その結果、今に至っている。

昨夜は、自分にとっての最高のロックメンターの1人の、室矢憲治さんが、ウッドストックフェス開催50周年を記念したトークイベントをTower Vinylで開催された。

今まで何度となく色んなイベントなどやライブハウスですれ違ったりしていたが、遂に満を持して話を訊きにいけた。

テーマのウッドストックについては、まさに大見出しのイベントの概要と、オリジナルの映画を観たりして、wikiペディア的な知識は、そこそこにあったが、この日は、のっけから、ピンクの巨大な象に、目が見えるようになった人が初めて観て、聴いて、触れて過ごした3日間であり、芥川の「羅生門」のように、観た人によって見解やら印象が違っていた、という掴みから、グッと話の中に引きずり込まれた。

さながら活字や映像の隙間を綱渡りするような、観に行った当事者にしか話せないようなエピソードが目白押しで、約1時間弱だったが、最後には自分も含めた観にきていた人たちが、ステージ最前までグッと近寄るほど、話に惹きつけられた。

終演後、フロアで観にきていたお客さんと歓談していた室矢さんに声をかけると、長いこと離れ離れになっていた兄弟!とまで言ってくださり、感激した。

幾つか、行きの電車で考えていた理念的な質問なんて、全部ブッ飛んでしまったが、あらためて、彼の著作や文章から、様々な物事を知り、今に至ることと、それに対する感謝を伝えられて、本当に嬉しかった。

その後も、場所を変え、まさにビートや、ロックンロールという、俺らにとって、まさにピンク色の象のように、一旦気持ちの中に入り込んだら、そのままずっとそこに住み続けている、かけがえのないものについて、話をさせていただいた。

無論、雑誌のインタビュー的に質問リストに沿って話すこともやぶさかではなかったが、そんな杓子定規なんて、ほっぽり出すぐらい、さり気ない会話の中にこそ、今日まで彼がサバイバルしてきた真実の断片が、見え隠れし、それを感じられたことに、いい意味で戦慄したし、心を打たれたひとときだった。
"Beats goes on."全く誰かの言う通りだ!

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