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【超ショート小説】鉛色の海の日
午後十一時、小学校の裏門で待ち合わせをしてた幼なじみのエリカが現れたのは、十五分過ぎてからだった。
「おっそいよ！」
「ごめん、ノリ！ 出かけ際に父親が帰ってきちゃって遅くなった・・・」
「ちゃんと着替え持ってきた？」
「もちろん、パンツ一式ね」
ノリとエリカは、少しあいていた裏門から小学校内に潜入した。体育館の脇にあるプレハブを忍者のような小走りで通過し、屋外プールの前まで
【超ショート小説】夕陽のピアス
俺の勤務先である農協へ、都内から来たフリーデザイナーである彼をみて絶句した。
彼を正式採用するかどうかは、俺の判断にかかっている。
髪は金髪で片方は刈り上げてあり、耳にはピアスがいくつも付いていた。腰には布を巻いている。というか、どうみてもスカートである。
いまTPPや過疎化問題のうえに、農協を通さずネット販売している生産者も増えた。特産物をモチーフにゆるキャラを作ることになり、彼に町をご案