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NICOと私と(4)▶ZIONと私と:新たなる始まり

これまでのお話

NICO Touches the Wallsというバンドに出会い、世界が変わっていった私。でも、何事にも終わりは来るもの。さよならもありがとうも言えないまま、彼らは活動に幕を下ろしてしまいました。

今回はその後のお話。

新たなる始まり

突然の別れを突きつけられ、ただの重たい女状態の私。できることといえば、思い出したようにNICOの曲を聴いたりDVDを観たりすることぐらいでした。

しかしそんな中、2022年の3月に舞い込んだ知らせ。

光村龍哉(元NICOのボーカル&ギター)がZIONというバンドを始動させたらしい。

せめてもの思いでフォローしていた本人のFacebook投稿でこれを知ったときは、嬉しさのあまり跳び上がりました。

NICOという形ではないけれど、ずっと音楽をやっていたんだ。またこの人の生み出す音楽に触れることができる。こんなに嬉しいことはありませんでした。

驚いたのは、なんと北海道で活動していると…。しかも、古民家を買ってDIYでスタジオにして?作品づくりやレコーディングをしながら世に出る準備をしてたって?なんじゃそりゃ…。

(どうでもいいですが、私の慕っていた従兄もある時いきなり北海道に行きました。なんで私の好きな人はみんな急に北海道に行くの?笑)

そして突然のYouTubeへの出現。久々にその姿を見て声を聴いて歓喜しました。

(なんなんだこの幸せな画は。こんな素敵な動画を本当に感謝です…泣。)

動画でメルマガなるものがあると知り、登録してみるとライブやグッズのお知らせが。ただ、場所とタイミングが合わずライブには行けないし、音源やグッズ(なんとメンバー手作りらしい!)はライブ会場限定の販売で手に入れられない。

それでも、確かにバンドが動いていることが感じられるだけで嬉しかったです。

そしてついにやってきたツアーの知らせ。地元関西に来てくれることが分かり、これは何としても!と思いチケットを購入。さらにはアルバムもリリースされるということで、やっとメルマガを眺めるだけの生活から抜け出せることに。

ただまぁこのアルバム。なんかとんでもないことをしてきそうだなと思っていたら、まさかの道の駅での販売。道の駅って地元のお野菜とか売ってるところだよね?そこでCD売るの?

通販もあるということで心底安心しましたが、本当にこちらの想像をはるかに超えてくる…笑。

手作りで数に限りがあるらしかったので(なんでも手作りすぎ!)、予約開始時刻になってからすぐ、仕事中にトイレで予約したという変な思い出までできてしまいました。

その甲斐もあって(?)無事に予約ができ、この前ついにニューアルバムが届きました。

そう、これが北海道の幸

道の駅からCDが送られてくるというなかなか珍しい経験をさせてもらいました。

CDケースが紙製の丸い形なのですが、6Pチーズの箱を作っている会社が作ったものなんだとか。たくさんのこだわりとつながりが生んだアルバムなんだなぁとしみじみ感じます。

そういうわけで、今は新しいバンドZIONのアルバムを聴きながら書いています。

SUN'n'JOYという底抜けに明るい名前のわりには、二曲目からHurricaneを目指していっちゃうし、過ちや悲しみを抱えたまま…というEveなんて曲もあるし。

そういうところは相変わらずだなぁとか、でもそんな時があっても日はまた昇るってことなのかなぁとか。勝手にあれこれと思いをめぐらせています。どうあれ、そういうところが何とも言えず好きです。

あとは北海道で生まれた音楽ということもあってなのか、聴いていると大自然のイメージがわきます。このアルバムを聴いてから、不思議と空とか木々とか、街中にあるなけなしの自然によく目が行き、小さな幸せを発見しています。


NICO Touches the Wallsの終了から3年。ZIONのスタート。

NICOが終わってしまった悲しみは抱えたままです。でもNICOの生み出してくれた作品は確かにここにあって、これからもずっと聴き続けるのでしょう。

そしてZIONの見せてくれる新しい景色も私は既に大好きです。どこまでも自由に、好きなように、やりたいように作品を生み出してほしいなと。そして私もまたその新しい世界を楽しんでいくのだと思います。

NICO Touches the Walls。私の原点にして頂点。そしてZIONという新たなる始まり。彼らに出会えた。それだけで私の人生は幸せです。

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