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<最終回>6.年金または一時金での受け取り


年金で受け取る


 iDeCo給付金を年金で受け取る場合は、非課税での運用を継続しながら、受け取り回数に応じて資産を取り崩していきます。
 75歳になるまでの間で年金の受給開始時期を選択し、原則として、5年以上20年以下の有期年金として受け取ります。

 年金での受け取りは「雑所得」に分類されます。
 1年間の年金収入金額から「みなし必要経費」としての公的年金等控除額を差し引くことで、所得(儲け)を計算します。

公的年金にはみなし必要経費として「公的年金控除」が適用される


 公的年金控除は、最低保障額110万円(65歳未満は60万円)から始まり、年金収入が増えると控除額も増える仕組みです。
 他に受給する公的年金等があれば、すべての年金収入を合算したうえで、収入金額に応じた公的年金等控除額が適用されます。
 

)1年間の公的年金収入300万円、他の所得がない場合
  65歳以上の受給者 ・・・ 雑所得190万円(=300万円-110万円)
  65歳未満の受給者
    ・・・ 雑所得197.5万円{=300万円-(300万円×25%+27.5万円)}
 

 他の所得がない場合は、公的年金等の収入金額が年158万円(65歳未満は108万円)以下であれば税負担は生じません。
 ※ 公的年金等控除額の最低保障額+基礎控除48万円

 なお、公的年金等(雑所得)以外の合計所得金額が1,000万円を超える人は公的年金控除額が縮減します。同じ年に多額の退職手当等を受け取るなど、合計所得金額が1,000万円を超えると控除額の計算に影響が出ます。


公的年金控除額は年金収入と他の所得金額で変わる



確定申告で税額の精算を

 公的年金等の収入が400万円以下、かつ、他の所得(公的年金等に係る雑所得以外の所得)が20万円以下であり、医療費控除、住宅ローン控除などの適用を受けないときは、原則、所得税の確定申告は必要ありません。  
 ただし、住民税の申告は必要となる場合があります。

 ただ、iDeCoの年金受け取り時には、税率7.6575%により所得税が源泉徴収された後の手取り額が振り込まれます。少し高めの税率で税金が徴収されていますので、ご自分の適用税率が7.6575%よりも低い場合は、確定申告書の提出により、源泉徴収された所得税の還付を受けられます。


受給中もコストは発生します

 年金の受取期間中も口座管理料が徴収され、年金タイプで受け取る時は、
その都度、振込手数料(おおむね440円/1回)が天引きされます。
 1回当たりは少額であっても、毎回の手数料が無視できない負担となり、保有資産を目減りさせる恐れがあります。

 また、年金収入による雑所得が増加すると、国民年金保険料、介護保険料等の社会保険負担が増えることにも注意してください。


併給タイプの選択

 一時金と年金の併給タイプで受け取ることも選択できます。
 一時金は退職所得控除額の適用を受けることで税負担軽減の恩恵を受け、退職所得控除額を超える部分を年金で受け取り各年の公的年金控除額を有効活用すれば節税効果が期待できます。


 全6回にわたり、「iDeCoを味方に将来の安心を!」ということで投資、資産運用の選択肢としての確定拠出年金の基本を見てまいりました♡


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