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事業と給与の区分基準 ②独立性


「独立」していれば事業

 給与所得と事業所得を区分する判断基準には、「従属しているか、または「独立しているか」という2つの重要な観点があります。
 今回は、独立しているかどうかの判断について整理しておきましょう。
 独立性があれば事業所得となります。

 その仕事に独立性があるかどうかは、
(1)報酬請求権があるかどうか、
(2)作業を行うための材料等の提供があるかどうか、
などで判断されます。


仕事の結果に関係なく、給与は支払われる

 報酬請求権の有無は、災害などの不可抗力で業務を完了できない場合に、すでに遂行した部分までの報酬の支払いを請求できるかどうかによります。

 一般的に、請負契約では引渡しを終えていない完成品が災害等で失われ、期限までに納品できなければ報酬の支払いを受けられません。なお民法で、仕事を完成することができなくなった場合にも、途中の結果で注文者が利益を受ける部分については、割合報酬の請求ができると定めています。

 一方、雇用契約では、労務の提供を行えば、結果に関係なく労務の対価の報酬が支払われます。
 仕事の結果による報酬の較差は少なく、雇用者の指揮監督のもとで一定時間の労働を提供することに対して支払われる報酬が給与といえます。


給与所得者には作業材料等が提供される

 続いては、業務に必要な材料、作業用具が支給されるかどうかです。
 雇用契約では、雇用主から働く場所のほか、材料、作業用具等が支給されますが、事業(請負契約)ではこれらを自分で用意することが一般的です。

 給与所得者がテレワークを行うために、自宅にパソコンや通信機器を揃える場合も、通常は、これらの機器が会社から支給または貸与される、または在宅勤務手当を購入原資に充てることが多く、自己負担はありません。

「はい」であれば給与に該当します

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