【マーケティング解説①】マーケティングとは

・そもそもマーケットとは何かでしょうか。

・資本主義経済の基本的な仕組みがマーケット=市場です。不特定多数の買い手と売り手が、お互いのニーズを満たしてくれる価値を提供できる相手を見つけて、価値を交換する場所。世の中のありとあらゆるところで、この市場の機能が働いています(コンビニ、スーパー、自動販売機、、、)。
・逆に、市場ではなく、国家が価値の交換をコントロールしようとするのが社会主義です。冷戦崩壊後、社会主義国の資本主義化が進んだので、世界中が資本主義に邁進しているというわけです。

・マーケットの基本的な要素は以下の通りです。
1価値
2買い手(価値を受け取りお金を支払う人)
3売り手(価値を提供してお金をもらう人)
4取引条件(価格・数量など)
※冬の日におしるこが自販機で購入されたシーンでいうと、価値=甘くて温かい飲み物、売り手=自販機、買い手=甘いもので温まりたい人、取引条件=120円

・ここで価値としたのは、マーケットで交換されるものは、実は目に見える製品ではなく、製品を通して買い手は何らかの価値の実現を求めている、という意味です。
・ですので、おしるこでいえば、買い手はおしるこ、という製品を通じて、例えば甘くて温かい飲み物で温まる、という価値を実現しているわけです。
・そして、マーケットでは、買い手と売り手の双方が、いかに自身にとって有利な取引条件で価値を提供・受け取ることができるか、知恵を絞っているというわけです。

・マーケティングとは何か、というと、マーケットにおいて、相手に取引条件を承諾させるために、提供する価値をどのように設計するか、ということなのです。つまり、マーケティングのキモは提供する価値の設計にあります。
・そこで、提供する価値とは何かという点をもう少し掘り下げると、大きく分けて機能的価値と情緒的価値があります。
・機能的価値とは、おしるこでいうところの甘い・温かい、といった肉体的・物理的に感じる価値を指します。
・一方、情緒的価値とは、おしるこでいうところの昔田舎のおばあちゃんに作ってもらった温かいおしるこ、といった情緒的・感情的に感じる価値です。
・機能的価値だけではなく、情緒的価値の提供も重なると、買い手にとってのニーズは高まり、より有利な取引条件を引き出すことができます。

・そして、この機能的価値・情緒的価値の背景には、人間にとって普遍的な欲求が隠れています。それは自身の生存確率を高めようとする欲求、生存欲求です。
・人間が生存欲求を満たすやり方には、大きく分けて3つの方法があります。
・まずは、体を鍛えたり、美味しい食事をとるといった肉体面での充足を満たす肉体的欲求。
・次に、キャリアアップにつながるセミナーに出る、資格をとる、趣味に没頭する、といった精神面での充足を満たす精神的欲求。
・最後に、SNSでフォロワーを増やす、飲み会で盛り上がる、ボランティアに精を出す、といった、他人との関係の中で満たされる社会的欲求です。
・おしるこでいえば、温かくて甘い(肉体的欲求)、ほっこりと満たされた気持ちになる(精神的欲求)、友達におしるこを1本あげてほっこりとした気持ちを共有する(社会的欲求)、というわけです。

・そして、こうした根本的な3つの欲求は、時代が変わっても人間でいる限り変わることがない本質的なものなので、この3つを同時に満たしていれば、マーケットにおける買い手を継続的に確保することができます。
・つまり、マーケティングにおける提供価値の設計においては、価値の2つの形態(機能的価値、情緒的価値)の実現と裏側にある人間の欲求(生存欲求)の充足を満たせば、より有利な取引条件で買い手を確保することが可能になる、というわけです。

・では、具体的にどのようにマーケティングの戦略を立てるか、ということですが、以下で続きをご説明します。


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