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厄病神がやって来た③

私の家は祖父の時代から自営業で今思うと
普通より余裕のある家だった。
祖父には昔、弟子がいて住み込みで何人か雇っていたらしい。祖父は本当に器用な人で
家にある仏壇も掘って作成する職人だった。
私が物心着く頃には隠居していて 祖父母の家に行くと相撲中継やプロレスを好んで見ていたのを覚えている。祖父は小学生の頃に亡くなってしまったが 今、職人肌ということを特に尊敬している。
そんな祖父に弟子入りしたのが父親だった。
父親は苦労人で子供の頃に海沿いに住んでいたようで 子供の頃に地引網の手伝いをして
余った魚をもらって帰って食べたりした事を亡くなって20年後に聞いた。
悲しくなる。
そんな父親だったからか 私達には苦労させないように不自由ない暮らしをさせてくれた。
当たり前に思って暮らしていたが どれだけ
努力し苦労していたのだろう。

厄病神はそんな事は知らずにわがままばかり言い出した。私の前ではニコニコしている人なので当時、見抜くことが出来ずにいたが
次男が誰かと浮気したのか、私の母親を
責めに来たらしい。
『どんな育て方したんですかーー!!』
と。
親、関係ありますか?
色んな考え方があるが 10-0は無いと思う。

される側にも問題はある。
何か努力しましたか?
相手を思いやりましたか?
楽しませましたか?
相手に求めてばかりじゃないですか?

親の家業を継いだ長男と同じように
してもらわないと気が済まない厄病神は
うちのところはなんでしてもらえないんだ!!と訴えてくるものだから 親は苦労の連続だった。次男の嫁は長男の嫁に敵対心を持っていたからニコニコ笑顔の裏で不満ばかりを言っていた。親の立場からしたら息子の嫁がそんな性格だという事を心配していただろう。
息子のために 大事にしてもらいたいために
親はある程度言いなりになるか 孫を可愛がるしかなかっただろう。孫は本当に可愛かったはずなのだが長男の子供、次男の子供、孫みんな、同じようにしなければいけない。文句を言われないように、息子を大事にしてもらうために。
厄病神は自分の利益しか考えていないのだ。

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