拗らせた旅人、ワルシャワにて
私はどんな旅行先にも肯定的なレビューをする人間である。それは、どんな旅でもいくらかは輝く瞬間があるし、わざわざ金と時間を割いた自らの旅に「失敗」の烙印を押したくない、という心理もある。
そんな私でも、ワルシャワではずっと難しい顔をしていた。いくつか気に食わない出来事があったことも事実だが、それよりも、ずっとこの街の存在意義についてモヤモヤしていたからである。しかしそれは、ここに来る前から予想していたことでもあった。
ワルシャワは第二次大戦で死んだ。西隣のファシスト共が暴れ