たまつか @ロンドン

ロンドン在住の週末トラベラー。東欧・北欧がメインターゲット。INFJとINFPを反復横…

たまつか @ロンドン

ロンドン在住の週末トラベラー。東欧・北欧がメインターゲット。INFJとINFPを反復横跳び

最近の記事

拗らせた旅人、ワルシャワにて

私はどんな旅行先にも肯定的なレビューをする人間である。それは、どんな旅でもいくらかは輝く瞬間があるし、わざわざ金と時間を割いた自らの旅に「失敗」の烙印を押したくない、という心理もある。 そんな私でも、ワルシャワではずっと難しい顔をしていた。いくつか気に食わない出来事があったことも事実だが、それよりも、ずっとこの街の存在意義についてモヤモヤしていたからである。しかしそれは、ここに来る前から予想していたことでもあった。 ワルシャワは第二次大戦で死んだ。西隣のファシスト共が暴れ

    • ベクシンスキ好きはサノクへ来たれ

      20世紀のポーランドを生きた、ズジスワフ・ベクシンスキという画家がいる。ファンタジー的世界観を舞台に、時としてグロテスクで滅びの美を感じさせる作品を残した画家だ。ある時ふと調べたところ、彼の故郷であるサノクという町に、彼の作品を多く展示したギャラリーがあるという。 これを目的にポーランドに行くのもいいな、と思った。 サノクはポーランド南東部にあり、ウクライナ・スロバキア国境に近い。辺鄙なところである。ロンドンから飛べる近隣の空港は、クラクフかジェシュフ。今回はクラクフから

      • 未完の街、ブカレスト

        ブカレストの街並みはどのような印象か。そう問われたならば、私は「パリと平壌を足して2で割ったよう」と答えるだろう。平壌は映像でしか見たことがないが、現地で肌で感じたブカレストの印象はまさにこの通りだった。 ブカレストを歩く かつて小パリとも呼ばれたバロック風の街並み。大通り沿いのもったいぶったモニュメンタルな建築物たち。かと思えば出現する、装飾もそこそこな箱のようなビル。そして中世からタイムスリップしてきたような教会たち。これらが渾然一体となっているのがブカレストである。

        • 誰も知らない?バンベルク

          年末年始、ドイツへ行ってきたんですよ。 「へえ、ドイツのどちらへ?」 バンベルクっていう街なんですけどね。 「ばん…?」 ここ最近、筆者がよくしている会話である。かようにバンベルクは知られていない。欧州を旅慣れた人でもピンとこないらしい。「あーバンベルクね、いい街だよね」という人が一人もいないので、もしかすると本当はバンベルクなどという街は存在しなかったのではないか、あの旅は全て何かの陰謀だったのではないか、と思えてくる(参考:ビーレフェルトの陰謀)。 いやいや、そ

        拗らせた旅人、ワルシャワにて