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3月22日 中原区役所へ


 役場に行くことなどが大変苦手である。どうしてこんなに苦手なのかわからぬ。沢山人が居て、全員が「来なければならない来たくないのに、ああ」という立場でしかも「サービスを受ける側」というのが良くないのか。全員が不機嫌を許される場で、皆それぞれに待たされてりしているわけだからそれは空気が悪いのも当然かな、と思う。
そういう場所に行くのが本当に疲れる。役所に行きたくなさ過ぎてマイナンバーカードもいまだに作っていない。マイナポイントぐらいではとても動けない。作ったら得、くらいではとても。非国民である。

 それでもこの日は役所へ行った。最寄り駅武蔵新城駅から二駅、武蔵小杉駅にほど近い中原区役所である。駅から徒歩4分。そんなに新しい感じの庁舎ではないのだが、申請用紙が無く、タブレットで情報を記入するようになっている等なかなかのハイテクも感じる。タブレットに入力をして受付に行くと、90分待ちとのこと。当然周囲には不機嫌を許された民たちがたくさんいる。僕も真正面から不機嫌の海に身を投じて90分触るもの皆傷つける大阪からやってきたジャックナイフ、になってもよかった。その方が舐められないかな、とも思ったが、それも心労だろう、と区役所をいったん出て図書館へ行く。

 席のショッピングモールの五階にある図書館で、なかなか綺麗であった。カードを作っておこう、と思ったけれども住民票が無いのでカードが作れない。おとなしく本を読んでいることにする。
地元の歴史を調べようと郷土史に関する本を何冊か拾い読みする。武蔵新城のほど近くに中原街道という徳川家康が鷹狩などをするために頻繁に行き来した街道があるということがわかる。僕は講談師である。『徳川家康の鷹狩』なんて講談が一席できそうである。徳川家康の鷹狩エピソードを探そう。
更に歴史をさかのぼると、北条氏が幾度も戦をしているらしいということもわかってくる、
あとは常楽寺というお寺の別名が「まんが寺」というらしく、大作家たちの描いた漫画の襖等が見学できるそうである。面白そうな由来のある用水路もありそう。
いくらでも講談はできそうだ。瞬く間に90分が過ぎて区役所に戻る。暫く待って登録が完了。その日中に住民票を受け取るにはさらに40分時間がかかる、と言われて退散する。

 武蔵新城駅に戻り、スーパークリシマで刺身等を購入してねぐらへと帰る。前日に「ああ、もう何もかも嫌」ってなっていたので、ゆっくり休む。花粉の為に眠れていないことが原因であろう。薬を飲まなければならない。飲もう。保険証を作らなければならない。また役所に行かなければならない。たまったものではない。図書館ばかりに行きたいものだ。

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