さいちゃん

主婦、母そして一人の女性として生きる私が、日常から見つけた幸せや楽しみをエッセイで届け…

さいちゃん

主婦、母そして一人の女性として生きる私が、日常から見つけた幸せや楽しみをエッセイで届けます。エッセイ集「わたしの宝箱」

最近の記事

猫になりたい

下界からにゃあにゃあと 呼ぶ声がする。 聞こえないふりをしていると、 今度は布団の上から踏みつけられる。 昨夜も遅かったから、 もう少し眠らせてくれないかな… そんな私の思いなんておかまいなしに、 二匹の追いかけっこが始まり、 携帯のアラームも鳴る。 眠いけど、もう起きなきゃね。 にゃんこ達にご飯を出したら、 フライパンを出し卵を焼く。 どうして人間は一日に三度も お腹がすくのかな。 にゃんこみたいに二食で済めばいいのに。 どうして人間は毎日違うものを 食べたくなるのかな。

    • 早咲きの桜が届けてくれたのは

      この冬はやたら雪が多く 寒い日が続く中 お花屋さんで 早咲きの桜の枝を見かけた。 桜といえば 私が今の土地に移り住んだときから うちの裏藪には桜の木があった。 15年もの間に枝は伸び うちの2階の窓を開ければ 手が届くほどの距離にまで なっていた。 春になればうちの中で お花見だってできてしまう この借景の美しさは 私のお気に入りの一つだった。 しかしながら花びらが散ったのち がく筒と呼ばれる 花びらの付け根部分が 雨に降られて落ちると わが家の白い外壁には 無数

      • 失くなっても無くならないもの

        私には4歳上の兄がいる。 大学院進学を機に 実家を出た兄は その後同い年の彼女と結婚し 東京で暮らしてきた。 私が兄やお義姉さんと会うのは 二人が年に一度 京都の実家に帰ってくる年末年始のみ。 そんな兄とお義姉さんが 20年連れ添ったのち離婚したと 母から聞いたのは一昨年の年末。 人生何があるか わからないものだ。 私にとってお義姉さんの好感度は 絶大だったものだから 突然にもう顔を合わすことがなくなった という寝耳に水の事実に 私は驚きを隠せなかった。 コロ

        • 私を幸せにするのは

          面倒くさがり屋の私は イベント事が苦手。 クリスマスも例外ではない。 飾り付けやケーキの予約は もちろんのこと サンタがいる前提で こども達にプレゼントを クリスマスの朝まで 見つからないよう用意するのも なかなかのプレッシャーだ。 サンタの正体に 小学生の長女と次男も そろそろ気づいているだろうと 去年のクリスマスには 当日手渡ししようと思っていたら 寝起き一番で 「プレゼントがない!」 と彼女達が騒ぎ出した。 仕方なく家中を探して 見つけてきたフリをする羽目

        猫になりたい

          雲間から光が差して

          うちから徒歩10分ほどのところに 小さな神社がある。 氏神様ということで 三人のこども達のお宮参りは そこでご祈祷していただいたものの 長男が生まれる4ヶ月ほど前に この地に移り住んだ私達にとって そこまで馴染み深い神社でもない。 私は神社に行っても 特別なものは何も見えないし 聞こえないし感じない。 うちには神棚もないし 神様の存在を思い出すのは 強烈な腹痛に見舞われ どうにか治まるよう祈るときくらい。 そんなエセ信者の私なので その神社にもたまに家族と散歩がてら

          雲間から光が差して

          巡りめぐる

          長男は小2から スポーツ少年団の野球チームに入った。 野球チームでは 何かと親の協力が必要で 練習時のグラウンド当番や 試合時の送迎 その他いろいろな役割があり 私もかり出されたものだ。 チームの同級生に 両親が離婚し お父さんと2つ上のお兄ちゃんと 暮らしているJ君がいた。 お父さんは勤務の関係で 送迎できないことも多く 私を含め他の母達が 朝迎えに寄ったり ときにお昼ごはんのおにぎりを 彼の分まで作ったりしたこともあった。 長男と彼は 野球以外で遊ぶことも

          巡りめぐる

          彩色兼美

          私の名前は「彩子」と書いて 「さいこ」という。 父がつけてくれたこの名前は 珍しいにもかかわらず 中学校時代には 同じクラスにもう一人 「彩子(さいこ)」という名の子がいた。 私は背が高くて大人顔 彼女は背が低くて童顔ゆえ 私が「彩子さん」 彼女が「彩子ちゃん」と 呼び分けられていた。 読み仮名をふってなければ たいていの人は「あやこ」と読むし 「さえこ」と聞き間違える人もいる 自分の名前が 私はずっと あまり好きじゃなかった。 でもこの名前は 「花」がつく姓

          私の幸せの素

          夏、コロナ禍が少し落ち着き 私の最優先事項 会いたい人に会いに行くを ぼちぼち再開するようになり5ヶ月 東京でのライブに 初めて参戦することにした。 こどもが生まれて14年間 一人でお泊まりすることなんて 出産のために入院したとき以外 たぶんなかったんじゃないかな せっかく東京まで 出掛けるのだから 次の日もう一人会いたい人に 会えるといいな そんな思いが出てきて 関東に住む彼女に まずは東京行きの報告だけをしてみた。 すると彼女からは 会えるの?!と 前のめりな返

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          自己紹介動画公開!

          日常を楽しむ天才主婦、三児の母ときどきエッセイスト+愛されライティングコーチの「さいちゃん」です。 ただの主婦、子育てに悩むお母さんだった私が幸せを感じながら楽しく生きるようになり、夢を見つけるまでを動画にしました。 「書く」ことを楽しむうちに世界が広がり、人生までどんどん楽しくなっていった私が「発信する」ものを通して、あなたも人生を楽しみ世界を広げてみませんか? 【アメブロ】 ↓ブログ記事を「書く」ことが苦手なあなたへ https://ameblo.jp/tamairoara/ 【Amazon】 ↓エッセイ集「わたしの宝箱」 https://www.amazon.co.jp/dp/4815015120/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_w1x9EbYD5HSHZ この度は、ミュージシャン奥野涼さんに「彩」の楽曲制作を、イラストレーターmechifuraさんに動画制作をしていただきました。 私のイメージにぴったりの素敵な曲、歌声、イラストもぜひじっくり味わってください。 【奥野涼さんYouTube】 ↓「おっくんとキチ」チャンネル登録はこちら https://www.youtube.com/channel/UCfgwqtQ0wlC5yor9pOfTinQ 【mechifuraさんTwitter】 ↓アカウント @mechifura https://twitter.com/mechifura?s=09

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          続・自由人の散歩道

          おうち大好き 引きこもり主婦の私が 久々に散歩したくなったのは 中3長男が通っていた保育園へ続く 楓の並木道。 小2次男を先日学校まで 迎えに行ったとき車で通り 黄色や真っ赤に色づいた楓に 目を奪われた。 長い間週末は 長男の野球の試合で早起きするか 練習のためにお弁当をつくるか バタバタする朝を 過ごしてきたけれど 彼が引退してようやく ゆっくり過ごせるようになった。 青い秋空広がる ぽかぽか陽気の休日。 目覚めてからも 布団にくるまれたまま過ごす まったり

          続・自由人の散歩道

          いつくしむ

          朝夕涼しくなってきた9月最終日に ポストに届いたクリーニング屋のチラシ 羽根布団30%オフとある。 冬を気持ちよく迎えられるよう これを機に 羽根布団をクリーニングに 出すことにする。 そういえばコロナ禍を言い訳にして 8月に遅ればせながら クリーニングに出したコート達を まだ引き取りに行ってないことに 2ヶ月経った今気づく。 翌日布団カバーをうちで洗濯しながら 羽根布団を送り出し コートを迎え入れるため クリーニング屋へいざ向かおうとすると つい先ほどまで目にし

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          まほろばへの旅

          おうち大好きな私は コロナ禍でますます 出掛けないようになったから この度は久しぶりの電車の旅。 最寄り駅までは車 あとは電車を2回乗り継ぎ 片道2時間以上かけて行く。 2回目の乗り継ぎ駅までは 訪れたことのある地。 同じ感覚で乗り換えのホームに上がると 非常に戸惑うことになる そこから先は未知の世界 その名も「万葉まほろば線」 まずは乗るべき電車の 扉が閉まっている。 手慣れた様子で「開」ボタンを押し 扉を開けて乗車する男性のあとに すかさず続いて私も乗る。 ほ

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          無駄じゃないから

          小2次男が私に寄ってきて 今何してたと思う? と得意気に聞いてきた。 わざわざ聞いてくるということは おそらく宿題。 そして私の予想通り 正解は宿題。 しばらくしたら 次男がまた私に寄ってきた。 今度は半べそかいている。 何事かと思って理由を聞くと 昨日やった問題を 今日もまたやってしまったと言う。 小3長女が以前同じことをして 泣きじゃくりながら ノートに書いた文字を 必死に消していたことを思い出した。 ショックやな でも消さなくていいよ せっかく頑張ったん

          無駄じゃないから

          極小ポテト

          小3長女が学校の畑で獲れた じゃがいもを2つ持ち帰ってきた。 見るとどちらも失笑してしまうほどの 極小サイズ。 やるからにはもう少し頑張ろうよと 先生にエールを送りたくなる。 だってジャンケンに負けて 選ぶの最後になったんやもん と長女は今にも泣きそうな表情。 キッチンに2つ並べて置いてみたら 見れば見るほど愛しく思えてきた。 大は小を兼ねる なんて言葉もあるけど 小さいってだけで なんて可愛らしいんだろう。 生まれたばかりの赤ちゃんの キュっと丸まった小さな小

          極小ポテト

          望みは叶っている

          コロナ禍で 私の最大の楽しみ 「会いたい人に会いに行く」が できなくなった。 こども達が休校の間は 給食がないから 三度の食事の買い出しと調理が なかなかの重労働。 猫は一日二食でいいと聞き 人間も二食で済めばいいのにと 切実に思う。 中3長男に至っては 修学旅行の行き先が 沖縄から富士急に変更。 絶叫系苦手な彼からすれば 一人でも沖縄行く! と言い出すくらい最悪の事態に。 マイナスなことばかりかと思いきや 実はそうでもない。 潜在意識で望んでいることが 現実を創

          望みは叶っている

          どのみち正解

          在宅でCADの仕事を 請け負っていた頃 最終日に体調悪くて 間に合わなくなったらどうしようと 納期が5日後でも 最初の3日くらいで 仕上げておかないと 気がすまなかった。 夕方になって もしこどもに手を取られたり 来客があって話し込んだりして 晩ご飯を作るのが遅れて 焦るのが嫌だから 必ず午前中や昼の間から 下ごしらえをしていた。 こどもには 大人になったとき困るからと 勉強しろとか 時間を守れとか 口うるさく言ってきた。 生き方かえてからは やりたい気持ちを

          どのみち正解