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おかえりモネがおもしろい -「あまちゃん」ぶりに前期朝ドラにハマった話-

aikoは人生な朝ドラおたくのtamakiです。

いや~~~~~~~……。
おかえりモネが……おもしろい(大の字)

面白い……普通にめちゃくちゃ面白くてスゲー好きだ……。毎日本モネ放送直後にハッシュタグ検索して朝ドラ民の皆さんのツイをRTしてはふぁぼ爆撃する……。夏休みとか有休とった日でもその放送直後のタグのTLをチェックしたいがために本モネに間に合うように起きてしまう…(昨日は寝坊した…)

っていうか早モネを逃したくなくて意識的に早起きするようになってる…(朝食時に見てます)早モネ5分以上逃したら本モネ全部見てから出勤するようになってる…こんなの今までなかった…(後期朝ドラでもやろうと思えば出来るが、大体悪天候だからバスの時間に間に合わないとかでやってなかったんだと思う)
てか一日逃すくらいなんてこれまでの前期朝ドラなら余裕でやってたのに(帰宅後に録画とかで見る)モネそれやってない…録画忘れた時めちゃくちゃ落ち込むまである…(※レコーダーがクソ古いのでワード指定録画とか出来ないから手動で録画してく)AmazonのNHKオンデマンドでその日の朝ドラ追加されるの大体22時くらいだし…(正確な時間知らん)
なんかもう……マジで平日ずっとモネモネしてる……いや休日でもモネモネしてる……暇さえあればタグ検索してる……っつーか放送中にドラマガイド買ったの初やが……aikoのライブアンケートの「最近ハマってるものは?」という趣旨の質問にも「おかえりモネを見てください」と書いてしまった……。

という感じで……現在放送中の朝ドラ「おかえりモネ」にお蔭様でめちゃくそドハマりしています、noteの皆さん…(大の字)

これは由々しき事態です。なぜなら私が「前期の」朝ドラにハマるのが、朝ドラの地位を飛躍的に上げ、社会現象を巻き起こしマジで日本中で大ブームになったかの名作の「あまちゃん」以来だからです。
あまちゃんは2013年のドラマ……そう、ドラマが終盤に入った秋、東京オリンピックが決まったあの2013年です。
もう8年前の話であ……8年前~~!?!??!
マジで由々しき事態だ。8年の間私は何を見ていたのだ。いや朝ドラを見てたんだけど。

AKとBK -朝ドラの派閥の話-

ここで朝ドラをよく知らない皆さまの為に軽く解説をしておこう。
朝ドラには派閥がある。

年の前期(4~9月)の作品を制作しているのがNHK東京で、後期(10月~3月)を制作しているのがNHK大阪である。NHK東京、すなわち東京放送局はJOAKなので前期作品を「AK」と称し、大阪放送局はJOBK、後期作品を「BK」と称する。この東西の違いが派閥となるのである。
ひとくちに「朝ドラ好き」と言ってもその人がAKBKどちらの作品をより好むのかによって会話のシビアさが違ってくる。これはきのこ・たけのこ問題よりも深刻な問題であり、ほとんど宗派が違うと言ってもいいので軽い宗教戦争の様相まで呈してくる。

朝ドラ好きだからと言って、わ~私も朝ドラ好きなんです~!とむやみやたらに突入しない方がいい。「スカーレット」や「カーネーション」「おちょやん」が好きな人だったら私は歓迎するが、「花子とアン」「まれ」「とと姉ちゃん」が好きな人に、私はそこまで語る材料を持ってはいない(読んでて好きな人いたらごめん)

これもかなり雑な評価ではあるのだが、Twitterに住まう朝ドラ民はBK作品を高く評価する傾向にある。要するにAK作品は(残念ながら)あまりよろしくない評価をされるのである。

確かに一般に名作とされる作品はAKよりもBKに集中している。2007年の「ちりとてちん」を始め、2010年代で言うと「カーネーション」「マッサン」「あさが来た」「まんぷく」「スカーレット」は特に名前が上がりやすいし、「あさが来た」は当時高視聴率でかなり話題になったのを覚えている。主演の波瑠さんはこれが縁で大同生命のCM出演を今でも続けているし、ディーン・フジオカの出世作にもなり、現在「おかえりモネ」でヒロインを演じる清原果耶ちゃんの女優デビュー作でもある。私が最も好きな朝ドラ「てるてる家族」もBK作品である。
正直AKは今でも「あまちゃん」の評価でのみ戦っている……と言ってもいいのではないかと思ったけどいやさすがにそれはかなりの人を敵に回すかな…「ひよっこ」とか普通に良かったしな…

じゃあAKとBKで作品の質が何でそんなに違うのかという話だが、実のところこれがなかなかよくわからない。
ちょい蛇足だが、わかりやすい特徴としてAKは東京制作なので比較的名の売れたキャストを起用しやすいというのがある(BK作品にもちゃんと有名どころの方は出るが、大阪で撮影しているためある程度の制限はあると見ている)要するに目を引きやすいキャスト陣を揃えて朝ドラ初見勢を増やそう取り込もうとしている傾向にある……と見ている。ごめんなさい個人の見解ですけど。
そしてBKは作品自体の質で勝負して、AKで取り込んだ新規勢を逃すまいとする……その為に、明確に作品の質が違うのだ……と思うのだけど、これは完全に外からの目線で話をしていますねはい。

よく脚本が悪いと言われるが、単に脚本の人だけが悪いとも思えない。現に私が最も愛する朝ドラ「てるてる家族」を書いた大森氏は「なつぞら」でも書いてるし、微妙だな~と思った作品の脚本家さんの他作品にはちゃんと名作がある。例えば「とと姉ちゃん」の脚本家さんはタイバニの脚本家さんだし、「花子とアン」の中園ミホは評価の高い「トットてれび」の脚本を書いている(満島ひかり好きなのにまだ見てなくてごめんなさい)

ていうか朝ドラ、1話15分の尺の短さで気付きにくいが、実を言うと大河ドラマに匹敵する長さを誇るドラマである。要は長尺の作品であり、1クールのドラマやアニメの脚本とはいろいろとワケが違ってくる。だから他作品で評価の高い脚本を書いていても、うまいこといかないのかも知れない。
ていうか脚本だけでドラマが出来ているわけではない。ドラマ制作はチームプレーだ。脚本だけじゃなく演出とか監督とか他にも私らのよく知らんお偉い方の意向とかそういうのがめっちゃあるような気がする。何せNHKなんで。
多分色々皆さん頑張っているんだと思う。キャストの方々も裏方の方々も、駄作でいいだろうなんて思ってるわけがない。でもそこの連携がうまく取れずに結果として微妙なものになってしまう……ような気がする。これがAKにおいてなんだか微妙なものが多くなってしまう事象についてのtamakiのいち意見である。

なのでAKだからって言って何でも「叩いて良し」みたいな空気になってるのは本当にいけんと思う。私が前期朝ドラをあんまりタグ検索したくなかったのはこの「叩いて良し」の風潮がマ~~~~ジであんまりにもひどいからだ。マジで。
スカレを高評価してた人がエールdisっていたのを見た時はさすがにひっくり返った。あんたスカーレットで何を見とったんや。礼儀をはらえって信作言っとったやんけ。

地獄なんですよマジで。

私にだって普通に好きなAK作品はある。Twitter民はあまり評価していないが「半分、青い」はめちゃくちゃ好きだったし(秋風ハウス編まで…)「なつぞら」は天陽くん退場から一気に面白くなった。「エール」も最初は微妙だったけど戦時編からメキメキ面白くなったし戦地慰安~戦後直後の辺りはヤバすぎて震えた。ほんとに「エール」に関しては、脚本家交代や志村けんさん死去、撮影中止という困難を乗り越えてよく作り上げてくれたと思っている。

BKが異常すぎるのだ

書いてて思ったけど全然モネの話にいかねーじゃねーか!だけどこのAKBKの話が本記事ではめちゃくちゃ重要なのでもうちょっと書く。

ていうかAKがダメってわけじゃないのだ。もう単純に、BKが異常すぎるのだ。BKが異常なまでにいい作品を作り過ぎている。だからAKが悪いわけではない。相対的に見てBKの方がめっちゃ良いというだけなのだ。減点方式ではなく加点方式で圧倒的に勝っているのだ。
いやいや暴論!思考停止じゃねーか!って言われそうだけどマジでそうだからこればっかりは。

このなんでBKが良いのか、については一応先行研究があり、洋泉社「連続テレビ小説読本」(2014年)内のコラム「“BK”の底力とオリジナリティ」において「東京から距離があるため、お偉方からうるさく口出しされない⇒独自の裁量でドラマ作りが出来る」「東京と比べてハンデのある制作環境で工夫を強いられてきたことで脚本や演出に重きを置くようになった」の二点と、大阪に集まって撮影をすることでチームとしての絆がより深くなった点が大きいのではないか、と書いている(他も大きいのあるんですが割愛しました)

というような背景があり、BKはアホほどいい作品を連発するわけである(個人的に2017年の「わろてんか」は微妙でしたが…)
近年で言うと2019年「スカーレット」がマジで尋常じゃないほどの作品で「朝ドラで数年に一度出てくる神作」はこれや、と思った。数年に一度でもスカレのような作品に出逢えるので、朝ドラ視聴はやめられんのである。私が大阪に行くたびに何とか時間を作ってNHK大阪に訪問いや参拝するのもひとえにBK推しの朝ドラ民だからだ。

ということでBK好きが増長し過ぎた結果、私でさえも「AKはちょっと信用おけまへんなぁ」というような風潮になってしまったのである。
となると必然的に「次のAK作品」なんかは当然白い目で見てしまうわけなのだ。この子いいなあと思っていた女優さんがAKのヒロインに抜擢されたりするとちょっと残念なのもそういう理由である。(さては「ちむどんどん」のことを言ってますね…?)

さてBK民かつあさ来た大好き民が注目していた未来の朝ドラヒロイン候補はやはり清原果耶ちゃんであった。あさが来た劇中でふゆちゃんとして登場した14歳の頃から演技力がパなかった。演技よくわからん私でさえもなんやこの子…と鳥肌が立ったのを覚えている。「なつぞら」でなつの妹として出演した時も、当時17歳(!?)にも関わらず未亡人(!?)を演じ、やはりその演技力に滅多打ちにされた。
彼女が朝ドラヒロインになるのが待ち遠しい……と思っていたら、ついにその未来が決まった。しかし、それは残念ながら前期、AKの作品だったわけである……。
正直私は悲嘆に暮れていた。あの清原果耶を奉じた以上、頼むから駄作を作ってくれるな…! と心から祈った。そして主題歌が決まった。なんとあのBUMP OF CHICKENである。果耶ちゃん主演に主題歌BUMPってもう約束された何かである(何?)
い~や……これでドラマの内容が目も当てられなかったら……
死ぬ! 朝ドラ民として私は死ぬ!! 朝ドラに殉ずる!!

上がるハードル(おちょやん終盤が良すぎた話)

とまでは言っていなかったのだが、撮影中止や放送延期など、朝ドラ60年の歴史にかつてなかった未曾有の危機を乗り越えて「エール」が放送終了し「おちょやん」が始まった。

で、この「おちょやん」もマジで異常だったのである。
さすがにモネの話に入れてなさすぎるのではしょるが、端的に言って超超超超神神神神神作だった。二年連続で神作を放送するな。ちなみに脚本は「半沢直樹」の方だそうだ。いくら朝ドラの善し悪しが脚本だけで決まるわけではないと言っても、日本の半分を手中に収めたと言ってもいいドラマの脚本家ならこうなってしまうのも無理はない。

「おちょやん」の異常ぶりは終盤にある。終盤に入る手前、戦争が終わった辺りでも十分に最高作品、文句なしの☆5作品だったのに、おちょはその先を行ったのである。競馬で喩えると誰がどう見ても一着が決まっている競走馬が、更にグイグイと距離を伸ばし後続馬に何馬身も差をつけてゴールした感じである。
終盤のラジオドラマ編は正直僅か3週ほどしかなかったのだが、も~~~~うマジでとんでもなかった。こんな終盤に至って良さをグイグイあげてきた朝ドラを私は知らん。頼むからおちょやんを見てくれ。花籠の人が誰かわかるまででもいいから。千代がお母ちゃんって呼ばれるまででもいい。

マジでお手上げだった。最高だったがしかし、正直やめてほしいくらいだった。
なぜなら、おちょやんの後続の朝ドラが「おかえりモネ」だったからである。
そう――おちょが良すぎるものを連発した結果、モネへのハードルがハチャメチャにガン上がりしてしまったのである。ただでさえBKからAKに行くのにも元々ハードルがめっちゃ高いと言うのに!

いやもう……これで……これでモネが目も当てられない出来だったらマジで……つらい……居た堪れなさすぎる……嫌すぎる……果耶ちゃん主演BUMP主題歌なのに……!

それもこれも全部!! AKが信用できんからや!!
うわーーん!!!! 頼むからマシなドラマであってくれーーー!!!!

あれ?おもしろい……

そして始まった第一週。第一回は比較的いい印象だった。ここのところ朝ドラは戦前だったり戦後だったりから始まっていたので、2014年という現代がスタート地点になっているのはそれだけで珍しい印象だった。
というかもしかして初めてじゃないだろうか。作中で2010年代に突入するというのはあるけど。あまちゃんでさえも確か2008年がスタートで、10年代には入っていなかった。

何より主題歌「なないろ」がメチャ良い。半青の「アイデア」の二の舞にならないようせめて放送から二週間以内には配信開始してくれ、とか思ってたら翌日配信された。ウソでしょ!?!?!? アホほど聴きまくった。今も聴いてる。いや良い時代になったマジで。次のカムカムの主題歌も翌日配信してくれ(強欲)

が、第一回がいい印象だったからと言って油断してはならない。というか私は常々「朝ドラは三週まで見て判断しろ」と言っている。今期のアニメは3話まで見て切るかどうか決めろ的なやつである。
何せ相手は信用のおけないAK作品である。なんかいい感じの雰囲気であってもシビアな目で見なければならない。そりゃ果耶ちゃん主演作品だし少しくらい甘めに見たいけど、いや!相手はAKや!期待し過ぎたら痛い目見るで!お前は「まれ」の悲劇を忘れたのか!(まれ好きな人いたらごめん)……と言う感じで心を修羅に火曜日、水曜日と見ていった。

そして第一週金曜日後のツイート。

そう……率直に言って「めちゃくちゃ良かった」のである。
呆然としながらも第二週の予告を見る。あれ?なんか二週目もよさそうやん? いや!油断するな!まだ第一週ですべてを判断するな!

第二週を見た私。

そう、第一週に続いてめちゃくちゃ良かった。
どうしよう。どうせAKだから大したことないと思っていたので処置に困る。いや!油断してはならない!心を修羅にするんだたまき!
しかし第二週にしてこんなこと言ってしまったので動揺する私。

そして震災当時のことが描かれた第三週の金曜日早モネ後の私。

第四週金曜日の私。

いやもうめっちゃ好きじゃん!?!?!??!!認めとるやんけ?!?!?!?!

そう……そして冒頭に戻るのである。
おかえりモネが……おもしろい……(大の字)

読み返してみたらどこがどう面白いかとか全然書いてなかった。けどAK朝ドラにいまいちピンときてなかった私が第四週の時点でこう言ってしまえる程度には面白さを感じている、それがもう面白いの理由にならんだろうか。

それでも敢えて書くと、なんだろう。普通にちゃんと…してる…?(まるでこれまでちゃんとしてなかった風に書くのはよくない)
よくTwitterで言われてるけど作りが誠実なんですよね。あと変にヒロインを持ち上げてないところも好感が持てるし、出てくる人達が皆ちゃんとしてる人なので、見ててストレスがない。……いやそんなん作劇において当たり前では? とは思うけど……。

あとこれもよく言われてますし私もツイートしたりしてたんですが、必要以上に説明しないのがすごく良いですね。ちょっと余白というか、視聴者側に考察や推測をさせる余地を持たせて、こうなのかな? こういうことがあったのかな? と思わせるの、すごく良いと思います。菅波の過去も現時点では具体的に明らかにされてないし、こういうことがあったんだろうか、と思いながら放送を追ってくの、すごくいいと思いますし、朝ドラは長尺の物語なので良い仕掛けだと思います。
役者さんの演技や演出は勿論、視聴者のことを信用して物語を作っているような気がして、それがなんかすごく良いなと感じています。

それから2014年というスタート年からもわかりますが、明確に「震災後」を描いた物語なのも、2021年と言う震災から十年後の朝ドラとして非常に意義のあることだと感じ、面白さというか、特に序盤(というか登米編)において視聴者を引き付けるポイントになっていたと感じます。
まだ十年しか経っていないことですし、日本を変えてしまった天災なので非常にデリケートな題材ですが、「おかえりモネ」はとても優しく、けれども真摯にあの災害を、被災した人達のことを描いているなと思いました。
これまで「あまちゃん」「半分、青い」の劇中で震災が描かれましたが、それらは全て終盤での出来事。でも「おかえりモネ」は2014年、震災から3年後をスタート地点にしており、震災当時のことが描かれるのは第3週という序盤も序盤です。
モネの幼馴染のりょーちんとその父・新次など、震災における傷や哀しみを負う登場人物もいれば、あの時何も出来なかったと後悔を感じる登場人物もいて、主人公のモネがその一人です。モネの半生とあの時の無念や後悔が描かれる第3週、及川家の過去が明らかになり、新次と亮が衝突する第8週は特に震えた回でしたね……。第8週、確か予告だけで泣いたもんな……。

役者さんの話(永瀬廉くんが良いという話)

とにかくもうあらゆる点からいい。役者さんも最高である。

まずはヒロイン、座長である清原果耶ちゃん。
演技のことはな~んもわからんが、やはり白眉だったのは第一週第5回、移流霧を見ながら、燃え盛る故郷の島をただ見ていることしか出来なかった震災当時のことを思い出し、静かに涙するシーン。あの時の涙の流し方とか言葉の感じとか本当にすごく良くて、こっちもつい泣いてしまいそうになった。というか泣いてたかも知れん。
第三週、ようやく島に帰ったものの、震災の「その時」を幼馴染たちと共有出来なかったことによる断絶の空気感もすごかったし(これは果耶ちゃんだけじゃなくて幼馴染ズのキャスト、演出などによるところも大きい)みーちゃんを抱きしめながらどうしようどうしようと静かに焦っている様子もすごかった。
もともと私自身があまり果耶ちゃんのことを知らないのも大きいけれど、演技が非常にナチュラルというか、本当にモネという子が生きているんだなという感じがします(これは永瀬廉くんにも言えますね)
これでまだ19歳というのだから末恐ろしいですね…。今後も活躍を期待したい女優さんです。

果耶ちゃんは言わずもがなだが、お父さん役の内野聖陽さんにも驚いた。「真田丸」の家康、「きのう何食べた?」のケンジくらいしか知らなかったのだが、同じ脚本家さん繋がりでケンジとどうしても比較してしまうが、もうまるっっきり違う。これは単にキャラが違うとか作品が違うといった単純な違いではなく、内野さんの演技力のなせる業だと思う。ケンジと耕治、同じ人がやっているとはとても思えないのだ。素晴らしい俳優さんである。
娘二人のことを心から愛していて、親バカぶりを発揮している様が本当に可愛いし、かと思えば新次との緊張感のあるシーンではその渋い格好良さにドキッとしてしまう。ここ最近の朝ドラのお父さんの中では一番好きかも知れない。

それからやはり、りょーちんを演じるKing & Prince の永瀬廉くんだろう。今をときめくジャニーズアイドルの出演で、彼が出た日のタグの賑わいはそりゃあものすごい。
でも彼は見た目の良さ以上に本当に演技が素晴らしいと思う。私は演技については全くのド素人なのでああだこうだ言えないが、第8週、父親の新次と衝突するシーンの演技の熱に圧されて私はボタボタ泣いていた。つい最近だと、第12週、父がやっと船に乗ることを決めたシーンでの眼差しや浮かべる笑みなどは本当に良くて、心からよかったね…!と思ったものだ。

出演オファーがあったわけではなくオーディションでこの役を勝ち取ったと彼はインタビューで話している。
つまりアイドルであり知名度が高い=視聴率アップを狙う、という安直な理由でキャスティングされたのではなく、及川亮という少年に一番相応しい役者として永瀬くんが選ばれたのである。その背景があってこの演技力だ。
永瀬くんの演技に言及するツイートは本当に多い。いいねを貰いやすいからツイートする、なんて人も多いのだろうが、別にそんな下心がなくてもついツイートしてしまうし、私自身もいいなあ~とツイしてしまう。
演技何にもわからんちんである私にさえも響くのだ。永瀬くんのこの確かな演技力は、この先の彼のアイドル活動に非常に有意義に作用していくと思う。

そう。私はアイドルとしての永瀬くんのことは全く知らないが、りょーちんとしての永瀬くんのことはずっと見てきている。
そして多分永瀬くんのことはおかえりモネの放送が終わって、どこかで(たとえばそれこそ今年の紅白とか)キンプリを見ることがあったら「ああ、りょーちんやってた永瀬くん」と認識し続けるだろう。アイドル活動における俳優業がいかにアイドル個人、そしてアイドルグループの知名度に貢献するか、ということも考えてしまう。
(なお、次回作の「カムカムエヴリバディ」には、同じく今をときめくSixTONESの松村北斗くんが出るので、こちらも注目していきたいと思っている)

「カーネーション」で晩年の糸子を演じ、今作ではモネを見守り導くサヤカさんを演じる夏木マリさんもカッコいいし、モネの妹・みーちゃんを演じる蒔田彩珠ちゃんも良い。東京編でモネの先輩・神野マリアンナ莉子を演じる今田美桜さんもキリッとしててかっこよく、裏表のない性格の莉子に非常にぴったりな方だと思う。
女優さんが好きなので(というか変な意味ではなく普通に女子が好き)女優陣に注目しがちだが、モネの憧れの気象予報士・朝岡さんを演じる西島秀俊さんもとても良い。やはり「きのう何食べた?」のシロさんの印象が強い方だが、モネ達を牽引し、気象予報やスポーツ気象に真摯に向き合っていく姿と、意外とお茶目というかノリが軽いところなど、非常に魅力的である。
そして菅波医師を演じる坂口健太郎さんである。というか菅モネである。
はい!!!!はいみなさん!!!!!ここから菅モネの話をします!!!!!!!!!!!

今期の覇権は菅モネ

私は男女カプの畑で生まれ男女カプの墓に入ることが運命づけられている男女カプのオタクである。
朝ドラは女性主人公が基本なので、女同士(※百合ではない)と男女カプが定期的に摂取できるという私にとってはマジで最高のコンテンツなのだが、とはいえ最近は菅モネほどキテはなかった。スカレのはちきみ、信百合くらいだろうか。いやでも、ここまでオッホッホッホッホと変な声が出てしまうような二人はここ最近他のコンテンツでも見ていなかった。

モネと菅波は第一週から既にコンタクトがあるし、第二週では菅波はモネになかなかに厳しいことを言ったりもする。なんだこいつ、と思わせて三週・四週でモネの過去が明らかになったのちの第五週以降で、二人は距離を縮めていく。菅波が家庭教師さながらにモネの気象予報士試験への勉強を見ていくのである。ここから俺たちの菅モネは始まるのだ……!

といっても別にモネが菅波にラブってわけでもないし菅波がモネにラブってわけでもない。
それどころか(菅波は知らんが)登米にいた頃、勉強を始めた頃は多分モネ、菅波のこと特に何にも意識してなかった感じであり、むしろ都会育ちのひょろっとした男とナメていたフシがある。(現に運動神経が悪い的なことを堂々と本人に言っていたような…)
またそれがめっちゃイ~~~イのである。男の方が意識してて女の方は特に何もみたいな状態が、もうめ~~~~ちゃくちゃ美味しいのである。顔が引き攣ってイッヒッヒと変な声が出てしまうのである。ニヤニヤする回にブチ当たると、放送を思い出しながらタグ内を見ているものだから会社につくまでずっとニヤニヤしてしまっている。マスクする日常で助かった。

だいたい菅波も菅波であってモネの荷物を持たなかったり話から勝手に誕生日を推測して教科書を贈ったりクリスマスプレゼントに色々理屈をこねてなわとび(…)を贈ったりと、やってることがなんかトンチンカンであり、若い男女でいるというのに、まあ全然関係が劇的に進まんわけである。要するにもどかしいのである。

だがそれがイイ~~~!!!
正直なんかめっちゃいきなり進まれても困る。そういうのはいらん。このかたつむりみたいなのろのろスピードでちょっとずつ描かれる二人の関係にニヤニヤすることでこちらはめっちゃ健康になるのである。

でもそれっぽいベタな展開はそれはそれとしていただくので全然アリだ。
何を言っているかというと今週月曜日の相合傘とか(今時相合傘!?!?!?)(ギャーーッ!!!)何度もすれ違っていたコインランドリーでのようやくの再会とかそこでの会話とか、まあ東京編になってからのあれやそれ全般である。
東京に来たことでようやくモネも菅波のことをちょっと意識し始めた感じなのもイイ。ほんとにこのかたつむりの速度で二人の関係が進むのはマジでほっこりする。
でも私は菅モネに何かあると大体走り出してるし、大体暴れている。

東京編5分PR番組を見た私。

菅モネも好きですがりょーみーも応援してます!
7/23 モネと菅波のニアミスを見た私。

すれ違いにUNMEIを感じる私。

7/29 ついに再会を果たしたところを見た私。

相合傘というか、一緒に帰るという提案について暴れる私。

そろそろ走った距離が10キロくらいに達するな……。

しかしながら、劇中では基本的にモネの夢というか、気象予報士になって何をしていくかの方に主題が置かれているので、モネの関心事もストーリーもそちらの方に集中する。菅波とのことはあくまでサブというか、縦糸がメインストーリーなら横糸のように紡がれる。
なので、最終的に具体的な結果を出さなくてもいい。それくらい、この二人はその関係を見守ること自体でなんかもう完結しちゃってるような、とにかくほっこりする二人なのだ。
でもさ~~~もうここまできたら菅波エンドで終わってくれ……と思うのである。マジで。お願いします。これで別のルートに行ったらさすがにAK恨むぞ。毎日菅モネの動向で元気になったり走り出したり暴れ出したりしてるオタクからのお願いです。

追記(2021.9.16)
菅モネでnote書きましたわよ~↓ 実質このnote記事の続きです。

おかえりモネがおもしろい

なんか気付いたらめっちゃ長文になってた。どういうことこれ。しかも半分くらいAKとBKの違いについて書いてる。看板に偽りありなのでは?

まあ簡単に書くと、ずっとAKドラマにイマイチハマれない上に、前作の「おちょやん」が良すぎてハードル爆上がりした「おかえりモネ」だったが、めちゃくちゃ良いぞ!おもしろいぞ!という話であります。
AKだからと言ってむやみやたらに叩くのはやめて欲しいという意思表示でもあったりします。AKだから、という悲しいほど単純な理由で「おかえりモネ」を叩く層は実は意外といるので、そういう人は見つけ次第、残念だけどブロックかましちゃうんだよネ……私はおかえりモネに対しては修羅になるからな。

ていうかある程度の不自然とか変なとこってフィクションだしどうしても出てくると思うけど…大目に見たれよと言う話。
というか修羅にもならぁ。8年ぶりだぞ!? 前期朝ドラにハマったら6月も7月も8月もこんなに楽しいだな!?

1ツイートにまとめるとこんな感じです。

まあでも、たまたま「おかえりモネ」がすごく良かったというだけで、次以降からは微妙になるのかも知れないが…
でも「ちむどんどん」、黒島結菜ちゃんヒロインで私が一番好きな女優さんである由紀恵こと仲間由紀恵さんも出るし、そんなん……絶対見るじゃん…祈るしかないな…沖縄の朝ドラっていうとどうしても「純と愛」がな……頭によぎってしまってな…(あれはBKだったけど…)

あとNHKアーカイブスでの、ゴールデンボンバーの歌広場淳さんによるレコメンドも毎日面白すぎるのでしっかりチェックしています。

私は俳優名でもってドラマの感想を語られるのは大嫌いなのですが、そのことによる不快感をはるかに凌駕する熱量で毎日詳細にモネのことをしっかり見てくれています。ほんとに毎日面白いです!
ものすごく真面目に細かく演出面などを分析することもあるし、時には辛口に批評することもあれば、レンレン(りょーちん)にトチ狂ったり坂口健太郎(菅波)に暴走してたりと本当に面白い。
というかNHKの公式仕事なのに完全にオタクの文章です。いいのかw

ところで、こんな風に大ハマりしている「おかえりモネ」は10月いっぱいで放送が終わり、11月からは既に何度か書いている「カムカムエヴリバディ」が始まります。こちらに関してはBKということもあるのですが、それ以上に全く心配していません。
なぜなら!私が朝ドラに目覚めた伝説の作品「ちりとてちん」の脚本を手掛けた藤本さんの作品だからです。もはやこれは王者の帰還です。初報の時点で神作が約束された朝ドラはさすがにないでしょう。先述したようにSixTONESの松村くん出るから視聴率もうるさく言われなさそうだしね!

つまり2021年の朝ドラは「おちょやん」「おかえりモネ」「カムカムエヴリバディ」と、一年通してずっと面白いのです。これはさすがに奇跡です。
そして朝ドラが面白いと半年間の健康が保証されるので、2021年の私はずっと健康で~~~す!! これはガチ!!

そんなわけで「おかえりモネ」がおもしろい、と言いたいがためだけのnoteでした。
モネは第13週、今週放送分から後半に入るそうです。5分PR番組で出たことも大体出ちゃってるから(相合傘が週の始めに来ると思ってなかったみんな~!)今後どうなるのか、ますます目が離せないと思います。

きっと後半からでも大丈夫! ぜひぜひ「おかえりモネ」見てくださいね。

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