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姫ものがたり語り・巻2 -書いた徳川まつりの小説を紹介する-

aikoは人生な徳川まつりPのtamakiです。

徳川まつりの小説を書いています。Pixivに載せています。
小説紹介noteその2です。今回はまつり妹の話だったり他のミリオンのアイドル達も出てくるお話のご紹介です。
ここから何か興味を持って読んでいただければ、それだけで作家冥利、まつりP冥利に尽きます。前回の巻1はこちら。


トレインに乗って

100万キロのスピードあげて

掲載日:2019年7月27日
文字数:12604字
読了目安時間:26分(Pixivより)

故郷の愛知県名古屋ではなく、大阪で自身の広告が掲示されることになったまつり。妹との久しぶりの電話でそのことを話すが、彼女の様子は相変わらずつれなかった。それを引きずり、どことなく元気がないまつりを気遣う仲間達。そんな時、妹のSNSが更新され……。

「トレインに乗って」あらすじ

ミリシタ2周年の頃の作品。謎の39トレイン…(何だったんだあれ)の話題も盛りつつ、まつりの駅構内広告が彼女のお膝元の名古屋ではなく、大阪に掲示されたことから考えたお話です。確か。

スマホに保存してあったやつ。誰かから頂いたんだったかな。

まつりと妹のお話です。急に自己紹介しますが筆者は徳川姉妹に情緒狂わされっぱなしのまつりPです。
私の連作世界線の妹の設定は、ミリシタでビジュアルが公開になる前にめちゃくちゃ沢山詰めたので、ビジュアルから何まで全く違っています。私の創作だ好きにやらせろ。便宜上「I」という名前を付与しています。「もうと」なのでです。なお、連作世界線の中でこれまでにいろいろあったので、ミリシタ公式よりもまあまあ仲はマイルドです。

まつり視点三人称です。妹を優先するか、アイドルを頑張るか。元気がなく揺れるまつりの心が書かれています。

 本当だったら、普段はこんな風に隙を見せたりはしないのに。いつも通りに、皆のお姫様のまつり姫でいられるはず、だったのに。
 それだけ、妹との出来事が尾を引いてしまっていると言うことだ。言い換えるならばそれだけ、まつりにとって妹は脅威になりかねないと言うことでもある。妹が関わると、まつりにとって何よりも大事な姫としての姿が、その理想を纏うことが、つい疎かになってしまう。──あの生放送で彼女の姿を見た時も、一瞬自分は姫としての姿を忘れてはいなかったか?
(中略)
(頼りたくない……わけじゃないん、だよ?)
 ね? と誰宛でもなく心で飛ばす。勿論、信頼していないというわけでも、決してない。これはあくまでまつりの中の気持ちの問題なのだろう。まつり自身、変わらずにいたい気持ちは勿論のこと、彼女達を心配させたくない。余計なことで悩ませたくない。皆にはのびのびと笑っていて欲しいし、青春を謳歌して欲しいのだ。そしてステージで精一杯、強く凛々しく美しく輝いて欲しい。
 故にまつりは、変わらずにいたかった。決して方角を違えないコンパスのように、いつだって元気で明るくてふわふわしていて、皆から愛されるとびきり可愛いまつり姫でありたい。それが皆と自分の、勇気になる。
(……なんて)
 そう強く思ったものの、タオルで隠された笑みは失笑と呼ばれるものだろう。
(奈緒ちゃんがああ言ってくれた時点で、失敗しちゃってる……のです)

おきあたまき「トレインに乗って」より

自分の作品はあまり他のアイドル達が出てこないのですが、この作品はまつりと一緒にダンス練習している子達が出てきます。奈緒、美奈子、志保、麗花です。麗花以外きょうだいのいる人選ですね。

「でも少し、気持ちわかります」
 ドリンクのキャップを開けながら志保が言う。
「私も、弟に公演を見てもらえると……嬉しいですから」
「そうそう。私も弟いるけど……きょうだいからの応援って、ご飯と同じくらい、何よりのエネルギーだよねっ」
「かーっ、羨ましいわーっ」
 言いながらぺたん、と奈緒は腰を下ろす。唇はどうしてか不満そうに尖っていた。
「私のアニキも……たまには公演見に来て欲しいなあ」
 奈緒ちゃんのお兄さん忙しいもんね、と隣に座る美奈子に聞いてやあ、と奈緒は絡みつく。その様子がまさに仲睦まじい姉妹のようで、踊りつつ課題曲を麗花と共に自由に歌うまつりは密かに微笑んでいた。

おきあたまき「トレインに乗って」より

ミリシタ公式のメインコミュやメモリアルコミュなどでは本当に酷い態度を取っている妹ですが……それでもまつりにとっては、夢のきっかけをくれた大事な存在。誰よりも一番に自分のアイドルであり、お姫様である姿を届けたいのだと思います。
二次創作でいくらやっても、それは公式ではないです。だから創作って本当に無力だなと時々虚しくなります。
いつか公式の世界で、まつりと妹の気持ちが通じ合えば、響き合えばいいな……と、君と君の大切な人が幸せであるその為に、祈りながらミリシタ更新を待ちます。

 たとえ離れていても自分達姉妹は通じ合えていた。好きと言う気持ちひとつあるだけで、それこそ今にも特急列車に乗ったような気持ちで、妹に会いに行けるような気がした。
(どんなに遠くにいたって)
 でも、会いに行けなくたっていいのだ。想いが特急に乗って、彼女に向かっている。想い合うだけでいい。悪口を言ってもつれない態度を見せても、想いだけはどうあったって誤魔化せないのだから。どうあったって、それはその人に向かって光のようにまっすぐ、届くのだから。
 今だって、まつりに届いている。感じている。受け止めている。
(想い合うだけで)
 Iちゃん。心で、彼女に呼び掛ける。
(私とあなたは、傍にいるんだよ)
 だから。
 だから、私は。
(頑張れるんだよ)
 ね?

おきあたまき「トレインに乗って」より

素晴らしき紅マシュマロの世界

ああ呼んでいる ものすごく呼んでいる

掲載日:2021年8月13日
文字数:13036字
読了目安時間:27分(Pixivより)

とある夏に近い日のこと。劇場で百物語をやったことを百万Pに話す琴葉。百話目を話したのは徳川まつりだった。彼女が話した怪談、それは「紅マシュマロ」という、世にも恐ろしいマシュマロと出会った彼女の実体験だった。一度食してから四六時中紅マシュマロのことしか考えられなくなったまつりの世界は、段々と紅マシュマロに浸食されていく。再び食するため一人夜に駆けだすが、背筋も凍るような真実を知ってしまい──

「素晴らしき紅マシュマロの世界」あらすじ

夏だ!ホラーだ!怪談だ!ということでこのnoteを書いている現在は夏です。夏なので怪談を楽しみましょう。正直この小説を紹介したいがためにこのnoteを書いているところがあります。

冒頭は私の創作315プロのPの犀門Pと創作劇場Pの百万Pがえんえんと喋っていますが、大切なマクラです。
2ページめからはまつり視点の一人称文体です。まつり文体でこんなに長く文章書いたの初めてなのでマジで誰か褒めて欲しい。「姫は夜に駆け出しました」のところからはYOASOBIの「夜に駆ける」を流しながら書いてたのでBGMにしてください(えっ)

 ぱくり!
 ──もう、もう、もう。
 す~~~ぱ~~すぺしゃるとびっきりうるとらみらくるわんだほーーーーっ! なくらいに、とってもと~~~~っても! 美味しかったのです! 世界中で食べた何よりも、文句なしでぶっちぎりのいっちばん! だったのですー!
 けれど。
 けれども、姫と紅マシュマロのそーすうぃーとな逢瀬は、けれどもその一瞬だけでした。姫には、たった一粒だけしか食べられる権利はなかったから。
 でも姫にはずっとずっとあの紅マシュマロの味が忘れられなくて、来る日も来る日も、晴れの日も雨の日も風の日も、紅マシュマロのことばかりを考えていたのです。まるでアンデルセンの「赤い靴」のカーレンが、赤い靴のことばかり考えて、しまいには悪いことをしてしまったみたいに、姫は自分のお仕事にどんどんどんどん、力が入らなくなってきてしまったのです。
 本当に本当に、まるで恋をしてしまったみたいに、毎日紅マシュマロのことで頭がいっぱいでした。紅マシュマロとおうちでのんびり過ごしたい、紅マシュマロと手を繋いでデートしたい、紅マシュマロと一緒に眠りたい、紅マシュマロと一緒に、どこまででもどこまででも行きたい! ──なんて、考え過ぎて苦しいくらいだったのです。

おきあたまき「素晴らしき紅マシュマロの世界」より

タイトルと↑にあるデートしたいとか眠りたいとか、それらの元ネタはaikoと並んで敬愛する谷山浩子さんの名曲「素晴らしき紅マグロの世界」です。ラジオで紅マグロを聴いていてふと「紅マシュマロ…」とか考えたのが今思えば全ての始まりでした。
元ネタの曲はこの話のようなホラーではなくとても可愛い曲です。二分半と手ごろな長さなので是非聴いてみてください。

『さあ、姫、いらっしゃい』
『素晴らしき、紅マシュマロの世界へ』
 何を躊躇することがあるのでしょう。本物の紅マシュマロを食べてみたいのです。姫は迷わずそう願いました。究極の美味しさに包まれるだけでなく、きっと姫は、天国よりも極楽よりももっともっと、美しくて煌びやかな、そんな素晴らしい紅マシュマロの世界へ行けることが約束されるのです。
 けれど。けれども──。
 本当の──真の、紅マシュマロとは。
 それは──。
 姫は目を疑いました。赤い服の者達が恭しく奥から持ってきたものは、どう見ても人一人が十分に入れる真っ赤な棺だったのです。どしん、と棺を立て、呆然とする姫を置いてきぼりにしてそれは開かれます。
 その中に何があったと思うのです?
 そう──それは。
 血があちこちから噴出して、皮膚が真っ赤に爛れている──。
 人間の、死体だったのです。

おきあたまき「素晴らしき紅マシュマロの世界」より

まつりがどうこの怪事件を乗り越えたのかは……読んでください。
ホラーとか書いたけど言うほど怖くないなんちゃってホラーなので、平和に終わります多分。ところで「メリーさんの小指」みたいな、怪談の後に本番があるような怪談っていやだなあと思います。


今回も二作でした。だらだら無駄文が長くなって失礼しました。次回は巻3となります。いつになるかな。
作品はぜんぶPixivに載せてあるので、覗いていってくださると幸いです。いろいろいっぱいあります~。ぜひぜひ、よろしくお願いします。


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