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【スペイン北の道①】ケニアの青年に食べ物をもらった話

私のカミーノ・デ・サンティアゴは、フランス・パリから90日間を擁しました。毎日歩く、毎日違う場所に泊まると疲労が蓄積するので10日間に一度ほど大きな街に泊まるタイミングで連泊しました。

スペインでのはじめての連泊は8月の最後の日、ビルバオでした。グッゲンハイム美術館、サッカーチームもある有名な観光地です。観光も含めての連泊です。リュックの無い私は無敵に歩けます。観光します。

ビルバオでは、巡礼者宿泊所(アルベルゲ)ではなく、街の中のカプセルホテルに泊まりました。日本でもカプセルホテルには泊まったことないのでやってみたかった。冷房もあるし、プライバシーもばっちりです。アルベルゲは基本的に二段ベッドのカーテン無しです。

ビルバオの大型スポーツ店デカトロンで秋物の長いスパッツを購入します。次に大きな街に行くのは1週間後なので、化粧品など消耗品もここで確保します。バルに入るとさすがに都会でピンチョスも手が混んだものが並びます。路上で楽器を演奏する人、情緒あふれる旧市街の坂道。

近所のコインランドリーで洗濯機も使います。ズボンや帽子など、毎日の手洗いでは洗えないものもしっかり洗濯します。


眼下に広がるビルバオの街。この山を歩いて降りてビルバオの街に入りました。

カプセルホテルやドミトリーは共同キッチンがあることが魅力です。近所のスーパーで2泊分の食材を買って、冷蔵庫でビールを冷やしたり煮炊きもできる。

私が一人で朝ごはんを食べていると、斜め向かいに黒人のすごく背の高い男性が座って食事をしながらパソコン作業をしていました。キッチンのシンクを順番に使うことになるので「私、ここ使っていいかしら?」など、話かけました。

彼は、アジア人のおばちゃんが、ひとりでもりもりの野菜を食べているのが珍しかったのか、いろいろ話かけてきます。
私はこのビルバオから、まだまだ歩いて、サンティアゴ・デ・コンポステラまで行く、と伝えました。

彼は、あなたはクリスチャンなのか?と尋ねますので、
いいえ、どっちかって言ったら仏教徒。

ではなぜ?55歳で体力的限界が来ているから、がんばってみることにしたよ、と伝えました。(この質問は何度もありました。拙著にて繰り返し述べておりますので割愛)

彼は、ケニア出身で、ビルバオにビジネスで来ている。今日はこのまま出発である、とのこと。
私を励ましたいと思ったのか、食糧をくれると言います。宿泊者が共同で使う大きな冷蔵庫まで行って、

棚のこの部分にある食べ物は私が置いていくものだから、あなたに食べてほしい、とのこと。ゆでたまご2個、チーズ、ツナ缶、生卵の残りはあげるから食べて!とのこと。

ありがたく、おいしく、いただきました。

こういう巡礼路と直接関係ないエピソードは、書籍には入れませんでした。でも、私にとっては大切な出会いなのでNoteで披露させていただきました。
私の巡礼路での宿泊スケジュールの作成や、食事についての整理は拙著にて紹介しています。


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旅の様子は私のインスタグラムでも紹介させていただきました。


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