見出し画像

おじいわんが亡くなりました

お久しぶりです。
2021年もあと残りわずかですが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ちょっと今回は寂しいニュースです。
そうです、おじいわんことマックス君が亡くなりました…。

今回の記事は愛犬の“死”が多分に含まれています、動物の死が苦手な方、今読む気力が無い方はご注意ください。

私、瀬川の移住地であるカナダではペットの最期は獣医による安楽死が一般的ですが、「回復する見込みが無い」「これ以上処置をしても生活の質が見いだせない」と動物の暮らしを尊重する行為として捉えられているという事をご理解いただけますと幸いです。マックス君もやはり薬を拒否し常に痛みがある状態になり、回復の余地がなかったので獣医とも相談して色々考えた末に安楽死を選択することになりました。




おじいわんことマックス君が虹の橋に渡りました。

2021年12月8日に息を引き取りました。16歳と半年でした。最期の日はよく散歩した場所へ行ってから自宅で安楽死してもらいました。

画像1
画像2
画像3
画像4

13ヶ月しか一緒に過ごしていなったのに今まで生きた中で一番大切な時間と言えるぐらいかけがえのない時間でした。

おじいわんとの思い出ダイジェスト+その時々私が感じたことをまとめたのでよかったらご覧ください。当時は必死だったけど今振り返るとクスっと笑える暮らしだったなあ。




おじいわんとの共闘記録


2020年 11月  (13ヶ月前)
人づてにコロナ禍の為に老犬を手放さないといけない人がいると聞く。
犬は預かった経験しかないので悩んだけど引き取る人がいないという事で引き取ることに。

11月8日 
おじいわんを引き取る。この時点で15歳と半年。

画像5
家に着くまでキュンキュン悲しそうに鳴いていたおじいわん。

しかしこのおじいわん、この顔にしてかなり凶暴だったのだった…
(実は私たちの前に他の家族に一度引き取られたが凶暴だと戻されていた)

画像6
まあ15年間一緒に連れ添った人と別れることになったのに
新しい人間に心開けという方が無理な話だよね
人間でいうと大体80歳のおじいさんですよ
画像7
気に入らない食べ物を散らかすおじいわん。
当時は全然ご飯を食べないので環境変化の
ストレスのせいかな?と考えていた
画像43
ずっと咳をしていたので前の飼い主に尋ねると多分風邪だろうとのこと。
全てが新しい環境なのでせめて家に慣れさせてから病院連れていくことに。
画像8
こんな可愛いのに散歩後足を拭こうとすると
ブチギレて噛みつこうとする(多分なめられてる)。
画像9
散歩大好きおじいわん

11月17日
我が家に少し慣れたので健康状態確認の為に病院に連れていく。
歯の状態がかなり悪いと判明。
ドライフードが硬くて食べられなかったのではと伝えられる。
デンタルケア…大事!
初めての病院でかなり暴れていたらしくやや消耗する

11月20日
前日からかなり衰弱していたのでまた病院に連れてくも
「今すぐ酸素室に連れて行かないと今夜持たない。てんかんか脳腫瘍の可能性があるが、うちでは原因が特定できない。このまま安楽死させるか、緊急病院に行き精密な検査するか」と迫られる。急いで緊急病院に向かった。

この件で学んだんですが病院に連れていくべきレベルなのか
どうか判断をすぐ仰ぎたい場合は最初から緊急病院に電話した方が
圧倒的に早いです…。

トロントの話なので日本と同じか定かではないですが
【普通の動物病院の場合】
①病院に連れていくべきなのかを受付に質問する
②獣医が診断中なので終わり次第獣医に伝えると伝えられる
③獣医からの折り返しを待つ
④折り返しで判断がわかる

【緊急病院の場合】
①病院に連れていくべきなのかを受付に質問する
②受付の人が行くべきか否か答えてくれる

断然早い!!
実はおじいわん直ぐに酸素室に連れていくべき状態だったのですがこの病院には酸素室がなく、しかも「犬の神経外科がいる緊急病院に向かって」との事で、専門医がいる緊急病院を探す+隣町にしか空きが無いという状況で時間がかかりすぎた結果、緊急病院に向かう途中で一度呼吸が止まりました。
本当グズ飼い主でごめんとしか言いようがなかった…。
一時は死を覚悟したんですが驚異の生命力で復活しました。

画像10
入院中のおじいわん。酸素室にて。
一時は呼吸が止まったのに元気になり獣医に噛みつきまくる

緊急病院の獣医からうっ血性心不全を起こしていたと知らされる。
病名は僧帽弁閉鎖不全症とのこと。
(左心室から全身に送り出されるはずの血液が左心房に逆流してしまう状態)
結局神経外科医が要る病気ではなかったので最初から緊急病院に電話するべきだった…。本当ごめんね、おじいわん…。

11月23日
無事退院。これから毎日薬を飲む生活が始まる。


おじいわん生き返ってくれて本当にありがとう

12月 (12か月前)
知人が紹介してくれた新しい動物病院に通う。
相変わらず獣医に噛みつきまくるおじいわん。
あまり負担をかけたくないとのことで検査の半ばで次回に持ち越しになる。お利口にできるワンちゃんだと必要な治療をスムーズに
受けられるのか…としつけの重要性について考えさせられた。
  

画像43
ハーネスをつけることすら一大事だったのでこの頃はもはや付けっぱなしにしていた。

また心臓病持ちの犬にはなるべく塩分が少ない食事を与えないといけないのだが缶詰のは美味しくないのか拒否するおじいわん。
手作りの日々が始まる。

画像65
人間を差し置きステーキをほぼ毎日食べるおじいわん。
この後食べやすいよう小さくカットする。
画像61
薬をご飯に混ぜて与えないといけないのに
「ドッグフードを食べない=つまり死ぬ」だった。
なので甘やかしているというよりも手作りご飯は必須条件という感覚だった
画像62
カナダはお肉類が日本と比べて凄く安い
(とはいえ 君、石油王?と思う日々)
お弁当がついてますよ おじいわ…いえ 石油王
画像65
美味しくない時は床に落として不合格と教えてくれるので
ご飯が口に合ったか否かが毎回わかるのだ(掃除が地獄~!)

獣医から心不全を発症すると半年から2年の間に亡くなる可能性が高いと聞き余生は美味しいごはんを多めに楽しんでもらうことに決める




2021年 1月  (11ヶ月前)
調子がよくて遊んでいた時に首の筋違い?起こして緊急病院に直行。
(しかも狂犬病の予防注射打ちに行った数日後。何回病院行くんだ~!)
急遽車を出してくれた友人本当有難う。

画像14
遊ぶの大好き



2月 (10ヶ月前)

ようやくグルーミングをしてもらう

画像15
12月からトリマーに連れていきたいけどまた大暴れして
心不全起こしたり体調わるくなったらどうしよう…と長引いていた
画像14
触られるの大嫌いだけど遊ぶのは大好きおじいわん。
画像17
トリミングアフター
トリミングビフォー


ついに…トリミングができた!
が、ショップから凶暴なので次回から無理です宣言。
プロですら手こずるのに素人の私たちはこれからどうすれば…!⁉
と打ちひしがれる。

画像18
常に笑顔だったおじいわんが散髪後始終真顔になったので
「あれ笑顔じゃなくて暑かったのか…」と気づく。ごめんね。

20日から呼吸数が1分間30回を超え始め、元気があったりなかったりと体調が不安定がちになる。2,3日おきにかかりつけの獣医にメールで体調を報告する。(元々心臓病の経過観察でメールのやりとりはしていた)



3月  (9ヶ月前)

画像19
常に椅子の隣に腕を置き人間の危機管理能力を試すおじいわん。

獣医に従い薬の量を増減してみるも不安定な体調が続く。

3月11日
9日に口から茶色の液体が垂れており様子が明らかに変だったので病院へ。
dental infection(歯性感染?)と伝えられる。
(虫歯や歯周病が原因で細菌性の炎症が起こる)

抗生物質をもらう。水に混ぜるタイプのデンタルケア製品を勧められる。
(歯垢などの口内菌を抑えるタイプのもの)
早速製品を購入し使い始める。


4月  (8ヶ月前)
先月から水に混ぜるタイプのデンタルケア製品を使い始めたからか毎月あった体調不良が安定化。
デンタルケア…大事!!!!

画像20
マフィンをよこしてくれとせがんでいるおじいわん。
人間用なのであげません(^^)
画像41
体調良好で気分もルンルンなおじいわん
画像42
マックス君…
画像43
CM出れるんじゃない?

ちなみにおじいわんは長年の歯垢がひどすぎて歯が折れる可能性大なのでデンタルケアのおやつ、おもちゃ等一切あげないようにと言われていました。
歯周病は心臓病のリスクをあげるみたいですが、それよりも私がきついと思ったのはマックス君がもはや麻酔を耐えられる心臓を持っていないということ。歯が折れたりでもしたら、ご飯が食べられなくなり衰弱してしまう。それはマックス君の死を意味してしまう。
いつ起きるかわからない心不全よりも歯の問題の方が私にとっては脅威でした。


5月 (7ヶ月前)
16歳になった。おめでたい~~~!!

小さなおもちゃをもらってご満悦のおじいわん
画像22
暴れん坊将軍の病院帰り。
画像23
お昼寝



6月  (6ヶ月前)
興奮すると倒れるようになった為もう1つ薬追加になる。

どんどんモサモサになりトリミングが必要だが凶暴過ぎるおじいわんを受け入れてくれるサロンもなくどうしたらいいのか悩んでいた6月。
15歳過ぎてからの新しい環境で心臓病持ちかつ凶暴。
見つかったとして、おじいわんが暴れて心不全を起こしたらどうしよう?
自分達でやるのが一番だが、室内だと未だ触ることすらままならない…。
色々八方塞がりに感じていた。

画像45
目の掃除は嫌じゃないらしく、やらせてくれるようになった。
抱っこも野外だとすんなりできるように。
画像46
可愛い生き物が落ちている生活。愛しい。


7月 (5ヶ月前)

画像44
友人の犬ちゃんと会うもシカトしていたおじいわん
犬に興味が無い。
あまりにも暑そうなので
バニラアイスクリームを少しおすそ分け



8月1日  (4ヶ月前)  
なんと瀬川、あのおじいわんの足を拭くことについに成功。
あんなにガブガブ噛んできていたのに急に許してくれた。  
尋常じゃなく喜んだのでおじいわんもはしゃいでいた。

4日 なんと足先のトリミングまで成功

画像47
嬉しくてツイートまでしてしまった
足裏の毛が長すぎてどうしても切りたかったので一安心。
フローリングな為滑っていたので足腰を心配していた。
画像48
不揃いなトリミングを見せてくれるおじいわん。
画像48
漫画の宣伝もしてくれるおじいわん。

心臓病の影響か咳がひどくなってきたので
さらにもう一つ薬が追加となるが依然として元気なおじいわん




9月
 (3ヶ月前)
瀬川氏、なんとトリミングをできるようになる。

画像27
見てくれ!!
画像28
この軽やかなボディを!!!
画像29
シャンプーのCMのように見せつけてくれる。ありがとう。
画像59
マックス君、さては君 私を認めたな?
8月からの快進撃が凄い。(自画自賛)



10月 (2ヵ月前)
少しずつだが触れるようになったし(ただし野外のみ)、寒くなる前に色々遠出することに。行くぜ!おじいわん!

画像32
フェリーでトロントアイランドへ(10分ぐらい)
画像30
おじいわんにしては沢山歩いた
画像31
お弁当を一緒に食べる。
画像33
自分のご飯を拒否し人間のおにぎりを食べたいと仰るおじいわん。
本当に自分の分食べなかった(石油王…)
画像34
対岸がトロント
画像37
看板犬アイドルです!特技は塩対応です!!
画像35
この道思っていたより3倍も長くて
3分の2はおじいわんを抱っこして歩きました
画像36
海だ~!と言いたいところだけど
トロントには湖しかないのだ。
画像38
トロントは自然豊かで
普通にキノコが生えてたりする。
画像39
友人の犬ちゃん(7月編で左下に写っていたワンちゃん)が
野生のキノコを食べてしまい大変だったと聞いていたので
おじいわんが食べないように注意する。

10月後半 秋模様になってきた

画像41
歩く度にパタパタ揺れる耳が羽のようで可愛かった
画像40
元気だね かわいいね おじいわん!
画像49
『たとえばこんな恋愛様式』を送ってもらい
大満足のおじいわん
画像50
黄金色の落ち葉とマックス君の色がマッチする
武器は笑顔!ファンサービスは塩!
抱っこは野外でのみ対応可能です!
画像51
大きめの公園に行った時


11月 (1ヶ月前)
 マックス君がうちに来て1周年。めでたい! 

画像68
手作りの犬用クッキーとマフィン。
美味しいので人間も度々おじいわんから盗んで食べていた。
(日頃からごちそう食べてるからいいだろの精神)
画像68
1周年記念に新しいブタの人形を貰ったおじいわん
緑のブタは前の飼い主さんから託された思い出のおもちゃ
いつでもおじいわんは緑のブタが一番お気に入り
画像69
これは2周年もできるなと浮かれていた時の写真
画像54
前の飼い主とは延々にキャッチボールをして
遊んでいたらしいおじいわん。道理で16歳なのにかなり元気!
画像53
心臓に負担がかからない程度に遊ぶ
コントロールするのがけっこう難しい
画像57
エンジェル
画像58
もはやおじいわんが輝いている
画像55
夜の散歩。凄く楽しんでた。
画像56
もう1回ぐらい行っとけばよかったな。
画像58
こんなに可愛いのに触られることが大嫌いなので
人間はひたすら遠くから見守るしかないのだ…

11月15日以降薬を拒否し始める
他のワンちゃんと違って触られること自体好きじゃないおじいわんは
嫌がって暴れ体力を消耗するので無理やり投薬するにも限界があった

画像70
17日。コートを着させられるようになった
トロントは凄く寒いので洋服を着た小型・中型犬をよく見かける。
画像71
11月27日の時の写真。これまでも薬を1,2日拒否したことが数回あったが
長期間拒否は初めてなので「いよいよかもしれない」と覚悟し始める


12月3日歯が折れてしまい、それに伴い体調が急激に悪くなる
12月6日 緊急病院入院。朝遊ぶ体力があったし今回も大丈夫では?と期待。
12月7日 今度こそ回復の見込み無し24時間内に安楽死を勧められる。
12月8日 18時 自宅で永眠。

画像66
遊んでいたおもちゃに囲まれて



最期は私の腕の中で亡くなったんですが、もはや不思議なほど「ありがとう」しか出てこなかった。薬を拒否していた頃から覚悟し始めていたし凄く納得のいく最期だと理解している筈なのになんでこんなに涙が出るのか凄い不思議だった。
始めは可哀想な命を救いたいという思いからだったけど沢山愛を貰ってたのは私たちの方だったんだなぁと泣いてしまった。15歳を過ぎてから新しい環境に急に放り出され、弱みを見せないようずっと強い振りをしていて勇敢だったマックス君。触らせはしないけど私たちの側から離れようとはしなかった。

「こんな初心者の私たちだったのに付き合ってくれてありがとうね、私たちのところに来てくれてありがとうね。」
君の最期に側にいられたことを光栄に思うよ。



デンタルケアが凄い大事

13ヶ月一緒に居ていつも痛感したのは歯がいかに動物の健康状態に影響を与えているのかでした。
勿論心不全を予防する為に薬を沢山飲ませる事も大変なんですが歯は一番ダイレクトに寿命・生活の質に影響を与えるんだなと。
歯磨きは難しくても水に溶かして飲むタイプの歯磨き製品やデンタルケアのおやつやボールを与えるだけでもかなり違うんじゃないかなと思います。
ワンちゃんネコちゃんを家族に持つ方でまだデンタルケアをあまり考えたことが無い方がいたら、この記事を読んで少しでも注意を向けてくれたら嬉しく思います。


それから

もしこの記事を読んだ方で今後動物を家族に迎えようと考えている方がいたら、ペットショップからだけではなく保護団体や保健所、新しい飼い主を探さざるを得ない人達のことも対象に加えてくれたら嬉しく思います。

勿論沢山大変な事もあったし、逃げ出したくなる程頭がおかしくなりそうな時もあったんですけど、もし神さまが「過去をもう一度やり直せるよ。健康でイージーな犬を選べるよ」と現れても私は絶対またおじいわんを引き取りに行くし、なんなら今回以上のハードでも喜んで会いに行きたいぐらい揺るぎない。むしろそう思える程心愛を与えてくれてマックス君ありがとうという感謝しかない。心の底から純粋にそう思える程愛しい存在が自分の人生にもできた事がすごく嬉しいです。そう思える体験が私の他にも増えたら人間も動物もハッピーで、そういう未来を見たいと思いました。


おじいわんと似たような状況の子たちが一匹でも多くの人に引き取られますように。


画像60
おじいわん!最高に生意気で最高に可愛い息子だったよ。
天国で再会できるのが楽しみです。
また会おうね


2021.12.29 瀬川環







サポートとして頂いたお金は有難く資料代など創作の糧として使わせていただきます。