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よりみちが好きなら

よりみちしたっていいんだと思う

「あれもこれも手を出すのは、わたしの主義じゃないんで」
そうお世話になった電気屋さんがぽろっと放った言葉が三日間くらい妙に胸に刺さっていた。

わたしは、どっちかっていうとはまりやすい割に、早々に飽きて気持ちが別のところへ行ってしまうことが多い。

飽きて行ってしまうというよりも、何かをやっている途中に出会った他のテーマに気持ちが向いてしまって、どれ、ちょいとそっちの方が気になりますな……というパターンが多い。

そんな感じでたらたら生きてきたから、
何かを誇れるほど極めたことはないし、これなら自信があるというレベルに達してるものは(まだ)ない。

それでも生きる分には不自由はなしなのだから、いいんだけど、
何かを極めていないわたしはいつもちょっとだけ負い目を背負っている。
頑張れなくて、飽き性で、根気がない。
自分のメガネでみるとわたしはそんな人間。

だから、たぶんその電気屋さんの言葉を聞いて、わたしは勝手に傷ついてしまった。
だけど、少し時間が経った今は、また別のメガネをかけている。
メガネをかけ替えるのが上手くなったなあと思う。

まっすぐ上にすーっと伸びる杉のような木もあれば、
枝葉をあちこちに伸ばして、ねじれてたり、何股にも広がる背の低い木もある。
見渡してみれば、「きみ、どうしてそんなふうになったの?」という感じの生きものがいっぱい存在する。

どんな歩み方をするかは、本当に自由で、
責めるよりは、堂々とよりみちしながら生きてやるさ、なんて最近は思ったりする。
人類みな立派な必要なんてない。

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