おいらの食道_

専門病院への紹介状。「えっ? 紹介先ってこちらから指定するんですか?」【食道アカラシアと診断されるまで (5)】

間が空いてしまいましたが、久しぶりにアカラシアシリーズの続きを。

「それ、この病気じゃない?」
と夫がある日、「食道アカラシア」で検索したページを発見してくれました。

飲み食いしたものを片っ端からリバースするヨメの姿を見て、夫もあれこれ調べてくれていたのです。

固形物だけでなく、液体もうまく飲み込めなくなり(嚥下(えんげ)障害)、徐々に進行します。嘔吐が起こりますが、特に夜間、寝ているときに多い傾向があります。そのほか、胸の痛み、背中の痛みがでて、病状が進行すると体重が減少してきます。
出展:オリンパス おなかの健康ドットコム

見た瞬間、「あ、これじゃん」と。
すぐにかかりつけの病院に電話して、「この病気じゃないかと思うのですが」と専門病院への紹介状を依頼しました。

ちなみに、その後、紹介状をもらいに病院に行ったときの医師とのやり取り、思い出せば出すほど腹立たしかったせいで、もはやよく覚えていないのですが……。

はっきりと覚えているのは、相変わらず数か月前(この時点で9か月前)の画像を見ながら「あなたはアカラシアではないですよ」と断言されたこと。

紹介してもらった専門病院では、各種検査前の問診の段階で「アカラシアっぽいですね」と言われました。その後に知ったことですが、専門医でも食道内の画像だけでは診断が難しいので、内視鏡以外にもいくつか検査を受けます。

なんの確信をもって、このとき医師が「違う」と言い切っていたのか、いまもって完全に謎です。

ただ、私はこのとき、大きな過ちを犯しました(たぶん)。
「アカラシアだと思うので、専門の病院に紹介してほしい」と事前に告げていたので、医師のほうから「この病院が専門です」と紹介してもらえると思っていました。しかし、実際は「紹介状、書けというなら書きますが、どこの病院がお望みですか?」と聞かれたのです。

アカラシアだった場合、どんな治療法があるのか、どの病院に専門チームがあるのか、事前に多少は調べていたものの、どの病院がどの治療を行っているかまでは、知識があやふやでした。そもそも、どの術式が自分の症状にベストな治療法なのかもわかりません

「どの病院が専門病院なのでしょうか?」と医師に質問し、出てきたいくつかの病院の中から、自宅から通いやすく、「確か専門チームがあったはず」と、日本医科大学付属病院への紹介状を書いてもらいました。

この間も、かなりいろいろたらいまわし的になったので詳細は省きますが、
・各種検査の結果、食道アカラシアの診断がつく
・「水分がほとんどとれない状態」=かなりの重度とのことで緊急入院を進められる
・日本医科大学付属病院に食道専門のグループはあるものの、最新術式のPOEMには対応をしていない(2017年9月時点)
・同医院で治療実績の多いバルーン拡張術式は、40歳以下だと再発率が高い(40歳以上で約70~80%の患者の症状が改善、とのこと)
・バルーンを受けた後、再手術になると、炎症だったか粘膜損傷だったか、繰り返すと再手術が難しくなるだったか、何かしらのリスクが高い

緊急入院を勧められ、とりあえずバルーン術式で症状を改善させませんか、と勧められたもの、やはり再発は嫌だしコワイ。

なので、完治の確率が高い最新術式のPOEMに対応する、というよりも正確にはPOEM術式を開発・普及してくださった井上晴洋医師のチームがある昭和大学江東豊洲病院へ再度紹介状を書いてもらいました。

当初は「手術やだな」とは思っていましたが、この症状が治るのなら、もう今日、明日にでも1日も早く手術してもらいたい、という心境でした。

この画像、日本医科大学付属病院で撮った実際の私のレントゲン写真です。バリウムを飲んで数分放置した状態なのですが、食道の下のほうでバリウムがぴたりと止まっているのがお分かりいただけるかと(そして、食道の上のほうが肥大している?)。

10万人に1人の病気とはいえ、日本医科大学付属病院には「月に1人ぐらいはアカラシアの方、来ますよ」とのことでした。しかし、レントゲン技師からは「これ、普段の食事、どうされているんですか?」と、かなり驚かれたので、もしかしたら閉じ具合がきつかったのかもしれません(その辺ははっきり聞いていないので、よく分かりません)。

何はともあれ、ようやく病名が判明し、治療法も確定しました!
と思ったら、ここからももう少し長かったので、もうちょっとだけ続きます。

続く。

※当記事は実体験に基づきますが、医学的な記述に関しては専門家ではありません。正確な記述ではないかもしれないこと、ご容赦ください。


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