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【読書感想文】『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』林真理子著

【あらすじ】   
 フードライターの菊池いづみは取材旅行先のパリで中島ハルコに出会う。52歳にしては美人のバツ2、ヤリ手経営者のハルコは、人に気を遣わず、いつでも本音で話すのに決して人に嫌われない「オバハン」である。そんなハルコのもとには様々な相談が寄せられる。いづみはハルコの図々しさに呆れながらも次第に仲良くなっていく。不倫や高学歴女子の婚活、老舗の後継者問題に愛人問題など、みんなの悩みを歯に衣着せぬ物言いで真意をついて解決していく。


 それぞれの悩みは主に恋愛だが、ハルコの指摘は、恋だの愛だのの奥にあるもっと深い問題点を突く。それは、才能や高学歴、少子化の現実に留学についてと幅広く、これほど物事の核を捉えられるのなら、そりゃ経営者として成功するだろうと思わせる。個人的には愛人の在り方と留学後の日本での就職、少子化の現実についてのハルコの意見に激しく同意した。
 この人物像は、「釣りバカ」のハマちゃんのように、いたらいいなと思えるカリカチュアなところも興味深い。その証拠にタイトルが「最高」となっている。ハルコの言動だけを見れば「最強」でもよさそうだが、「最高」にしているところに愛が溢れていると思う。また、会話をしているところから個人の相談(というか身の上話)が始まるという展開が、とても新鮮で、しかし実に自然だった。


 映像化に向いているだろうなぁと思ったら、ドラマが放送されているらしい。私は大地真央よりも若村麻由美の方があっているように思うのだが…。
 人前で大きな声で話すには憚られるけれども、おそらく多くの人が関心のあることについて、躊躇なく明るくすっきりかけるのは、やはり林真理子だなと思う。続編も出ているらしいので読んでみたい。
#最高のオバハン #中島ハルコ #林真理子 #読書感想文

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