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パリで美術館巡り。ピカソ、ソフィ・カル、プティ・パレ〜着物・オブジェアーティストの渡欧日記5〜

これまでの渡欧日記はこちら↓

スイスへ出発。ロケハン・街歩き・ごはん〜着物・オブジェアーティストの渡欧日記1

チューリッヒの美術館で講演・ワークショップ開催編〜着物・オブジェアーティストの渡欧日記2〜

着物でスイス街歩き〜着物・オブジェアーティストの渡欧日記3〜

TGVスイス→パリへ、パリ市内観光〜着物・オブジェアーティストの渡欧日記4〜


今回は、パリ美術館巡り編です。

ファッションと芸術の街パリに来たらやはり美術館を巡らなければ、と言うことでまずはピカソ美術館へ。

ピカソ美術館はパリ3区にあります。

2023/10月、パリではベッドバグ(南京虫)が流行っていて、メトロのシートにも付いていたりするという情報を聞いていたので若干怯えながらシートには座らずメトロに乗って行きました。

ピカソの展示と、フランスの現代アーティスト ソフィ・カルの企画展が同時開催されていました。

事前にオンラインでチケット購入し、少し並んで入場。


<海外観光地入場チケットに関するTips>

今回、コロナ渦を経て初めての海外旅行でしたが、一番変わったなーと思ったのがこの観光地や美術館などに入るときの入場チケットシステム。

最後に海外旅行したのは2020年ロンドン・チェコ。

その時は事前にオンラインでチケット予約や購入などは全くしなかったと思うのですが、今回のパリ・バルセロナのほとんどの場所で事前の日時指定チケット購入が必須になっていました。

当日窓口もあるようですが、入れなかったりめちゃくちゃ並ばないといけないケースが多い様子。(そんなわけで今回の旅程では事前に予約していなかったルーブル美術館は行けずじまいでした)

コロナ明けで観光地がどこも混んでいるから不可能なのかもしれないけど、とりあえず現地に行って、ふらっと今日はどうしようかな〜ここ行ってみよう、みたいなのが出来ないのがちょっと寂しいような。

オンラインの公式サイトで購入出来るので、語学が堪能でなくてもチケットは予約出来るんですが、海外サイトなので日本のクレジットカードで決済出来ないケースもあり
(なんなら不正利用疑いでカード停止になったりする。)

Tigetsなど、代行購入?のサイトもありますが、不要なオプション付きのものしかなかったり、手数料がついて公式より割高だったりでちょっと不便…。

今回私も現地でチケット購入しようとして手持ちのカードをいろいろ入力するもどれも通らず。
うち何枚かは不正利用疑いで止まってしまう羽目になりました・・・・。

制限解除は電話でしか出来ず、でも通話はいらないかと思ってネット利用のみのsimカードにしていたので電話も出来ず。

ホテルなら借りられたかもしれませんがAirB滞在だったので電話も無く、完全に詰みの状態。
結局帰国するまでそのカードは使えませんでした。

使えるカードがあったので命拾いしましたが、海外で無一文になるところでした。

海外サイトで決済するときにpaypalなら問題なく出来るとどこかで見ましたが、ルーブル美術館のサイトではpaypalは無いみたいだし、こういうときどうすればいいのかよくわからずじまい。

今回の旅も結局はTigetsやGetyourGuideなどで購入しましたが、海外旅行で観光施設に行く予定の方は事前チケット購入をお忘れなく。

前日や当日では売り切れになってせっかく遠くまで行ったのに入れない!ということになります。


さて、本題に戻ってピカソの展示。

この日は試作中の絵羽織をワンピースの上に羽織って出かけました。

メジャーな作品、大きい作品よりも、こういう小作品が可愛くて惹かれる。




メインビジュアルとしてエントランスにも大きなタペストリーになって飾られていた絵。

思っていたより小さくA4サイズくらい。


ピカソは本当に多作なアーティストなので日本でも割といろんなところで作品を見ることが出来ますし、パリの後で行ったバルセロナにもピカソ美術館がありました。(箱根の彫刻の森美術館に確かピカソ館がありますね。)

色んな所で目にするだけあって、あまり目新しい感じはなかったのですが、これだけ世界中に流通する作品数を作ったのが本当にすごい・・・・。

自分でも制作するからこそ、そのエネルギーに圧倒されます。
アーティストはとにかくなりふり構わず作り続けること、思考停止せずに貪欲に作品を1点でも多く残すことが本懐だと思います。

私はそういう点では考えすぎたり、一点一点に時間を掛けすぎて手が遅かったりするので、そこを乗り越えなければ、自意識を捨ててとにかく手を動かさねば・・・と思ったりしました。

このときはソフィ・カルの企画展に大きなスペースが割かれていてピカソの作品数はとても少なくなっていたようです。

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ソフィ・カル
(Sophie Calle, 1953年 - )は、フランスの芸術家である。自身や他者の親密な体験をテーマとして、テキストと写真の併置、あるいはそこにオブジェや映像などを組み合わせた手法が特徴とされている。パリ南郊マラコフ在住。
若い頃から左翼アクティビストと交流があったり、世界を放浪したりして、政治活動なども行っている。

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今回、滞在していたのがマラコフのアパートメントだったので、ここに住んでいるのか〜という地域の雰囲気が体感出来たのも良かったです。

ピカソ作品の展示室の流れで設置されていたピカソを題材にしたソフィ・カルの作品群がとてもおもしろかった。

あの有名なやつを覆い隠した作品や、現代版ゲルニカなど。

この小作品がたくさん展示されているエリア。

作品のテイストが様々で、こんなクレジットがあったので「これはピカソオマージュの現代アーティストの作品展示なのかな・・・?」と展示を見たときは思ったのですが、あとで調べてみるとこれはソフィ・カルがコレクションした作品を今回の展示に合わせてセレクションして展示したもののようです。

日本人アーティストだと、タカノ綾さんの名前もありました。

一点一点がとても面白かった。





詳しく解説したレビューがありました。
(解説を完全に放棄して丸投げ)

奇才ソフィ・カルはなぜ、ピカソ美術館で「ピカソ不在」の個展を開催したのか|ARTnews JAPANフランスのコンセプチュアルアーティスト、ソフィ・カルが、パリのピカソ美術館で個展を開催中だ。しかし、その会場からはピカソの作品のほとんどが撤去されている。ピカソとカル──ふたりのアーティストが見えないかたちで響き合う個展が伝えることとは。

artnewsjapan.com


ソフィ・カルがピカソ美術館を乗っ取り「キミの番だ、かわい子ちゃん」展。 - OVNI| オヴニー・パリの新聞Sophie Calle  A toi de faire, ma mignone  今年はピカソ没後50周年で、さまざまな記念イベントが開催されてきた。その中でも、極めて特異なのが、ピカソ美術館で開催中のソフィ・カル展だ。カルがピカソ美術館を乗っ取ったかのように、全館を自分のプロジェクトで埋め尽くした。この特別展の中でピカソ作品は数点しかなく、大部分のピカソ…

ovninavi.com


観たときにすぐわからなかった語学力と理解力不足の自分が悔しい!
もっと勉強します。


別フロアで大きく展開されていたソフィ・カル作品。

展示会タイトルは「À toi de faire, ma mignonne(あなた次第さ、わが恋人よ)」

観たときは正直「なぜこの展示がピカソ美術館で展示されたんだろう?」と思うくらい、とにかくソフィ・カルの自分、自分、自分!な作品群。
父母や家族、そして自身のことが延々と。





テキストの分量がとても多くて、部分的に翻訳アプリで訳しながら読んだけど、全容は把握出来ませんでしたが・・・。
「メメント・モリ(死を想像せよ)」の意識が感じられて、私はとても楽しく鑑賞しました。

私はこういう女性アーティストの内なるモンスターが垣間見えるような作品が大好き。


うろうろと見て回っていたら「あなたの服とっても素敵!(英語なので意訳)」と声を掛けていただけて嬉しかった。

精一杯の言語力で「This is my design kimono! Thank you!」と返事をして名刺を渡しました。
今考えると文法めちゃくちゃですね・・・・。






作品数が多くて、ちょっとぐったり。


1Fにあったミュージアムショップの近くの椅子。
フロアの市松模様が絵になる。

ソフィ・カルの図録がどーうしても欲しくて、でも荷物を重くしたくなくてAmazonで注文できないか調べましたが日本版Amazonでは販売されておらず。
ぐぬぬ・・・と思いつつ買って帰りました。

日本から海外版Amazonも注文できるのかな?
今後、もっと海外に行きたいので今度調査しようと思います。


こちらは別日に行ったプティ・パレ。
入場料が無料なので、あまり時間が無いときでも気軽に行けるのではないかと・・・・
ただ作品数はけっこう多いのでしっかり観たいと思ったらそれなりに時間が必要です。

パリ万博のときに建設された建物だそうです。


まとまりは無いものの、いろんな作品が展示されていて楽しめました。

時々「あ、あの絵はいいな」と思うのは遠くからでも輝いて見える。

中庭にはテラスもあるカフェがあり、天井絵が素敵でした。

天気が良ければお茶するのにも良さそう。

作品数が多いだけあってけっこう雑な感じでロクにキャプションもなく展示されている物たちもあったのですが、面白いものが多くて制作が詰まったときの気分転換にこういう美術館が近所にあったらいいなあ。

これ、今観てもじわじわくる・・・・↓








セーヌ川を見つつ、バスで帰宅。

やっぱり美しい街です。


この滞在期間中にマーク・ロスコの展示がパリのルイヴィトンギャラリーで開催されていたりしましたが、事前に調べていなくて現地の広告を見て知り、時間不足で見に行けず。帰国してから評判になっているのを知りました・・・・。
事前の下調べ大事!
次回は美術館だけでなく、ギャラリーもいろいろ見て回りたいです。


次回の旅日記は「ナント遠足編」です!
お楽しみに〜

次回イベントはこちら↓


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