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【ライブレポート】RINGO MUSIC POWER LIVE 2022 “UPDATES!“

RINGO MUSIC POWER LIVE 2022 “UPDATES!“
日時:2022年12月28日(水) 18:00~
会場:弘前市民会館 大ホール
出演者:
・ジョナゴールド
・王林
・ライスボール
 実土里, 太陽, 水愛
・りんご娘
 第9期 ピンクレディ, スターキングデリシャス, はつ恋ぐりん, 金星
・アルプスおとめ
 桜庭, 高木, 本間, 外崎, 西田, 石岡
・リーフ
 小林, 宮川, 佐藤, 長谷川

SET LIST

OP. Dance Performance(リンゴミュージック)

01. Ringo disco(王林・ジョナゴールド・ピンクレディ・スターキングデリシャス・はつ恋ぐりん・金星)

02. snow snow snow(りんご娘)
03. SNOW MONSTER(りんご娘)
04. JAWAMEGI NIGHT!!(りんご娘)
05. 0と1の世界(りんご娘)
06. りんごに恋したマメコバチ(りんご娘)

07. ニジイロファイター(アルプスおとめ & リーフ)

08. 愛のグレーゾーン(ライスボール)
09. Relay(ライスボール)
10. 掌(ライスボール)
11. 記憶(ライスボール)
12. JAN-KEN-PON(ライスボール)

13. 風待ちリップ(ジョナゴールド・実土里・水愛)
14. LOVE ~たった一度の青春に~(太陽 & りんご娘)
15. DAISUKI 青森(王林 & ライスボール)
16. 1625(王林 & ジョナゴールド)

17. WAVY BABY(ジョナゴールド)
18. 好きみたい(ジョナゴールド)
19. アメリア(ジョナゴールド)
20. 7号線(ジョナゴールド)
21. ハジマリズム(ジョナゴールド)

EN1  翔けろ未来へ(王林 & ジョナゴールド & りんご娘 & ライスボール)
EN2. 夢のシャトルラン(リンゴミュージック)

2022年、激動のリンゴミュージック総決算

有観客開催が、2019年12月21日に青森Quarterにて行われた”RINGO MUSIC POWER LIVE 2019"以来3年ぶりとなり、リンゴミュージックとしては史上最大規模となる弘前市民会館 大ホールのキャパをフル活用したライブ。開演前から会場外や客席は興奮と緊張に包まれており、これまでのライブにはないファンの熱気が漂っていました

製作は下田翼さん・小野悠さん、演出はHIROMI先生、サウンドプロデュースは多田慎也さんといった盤石の布陣で作り上げられた本公演。POWER LIVEはこれまでも、リンゴミュージックのスクール生や所属アーティストの成長を魅せる発表会的な要素が強い自主興行ライブでしたが、今回は”UPDATES!”と敢えてテーマにすることで、各ユニットの成長・変化をより強調したライブとなりました。

本公演に出演した王林・ジョナゴールド・りんご娘・ライスボール・アルプスおとめ・リーフが勢ぞろいしたダンスパフォーマンスを皮切りに、1曲目から”王林・ジョナゴールド・ピンクレディ・スターキングデリシャス・はつ恋ぐりん・金星”の新旧りんご娘6名による「Ringo disco」をパフォーマンス。

先輩メンバーに食らいつこうとする現メンバーの4人と、容赦ない先代2人のバッチバチのパフォーマンスに、2022年4月以降のりんご娘の形の"If”を魅せてもらいながらも、POWER LIVEならではのコラボやこの日初披露のパフォーマンスラッシュに胸を踊らせ、涙があふれるPOWER LIVEとなりました。

史上最大の壁を乗り越えた”りんご娘”

2022年3月31日に、前メンバーの”とき・王林・ジョナゴールド(2代目)・彩香”が卒業し、同年4月1日に”ピンクレディ・スターキングデリシャス・はつ恋ぐりん・金星(3代目)”の新体制となったりんご娘。

活動開始から常にメンバーカラーを取り入れたアイドルらしい衣装でパフォーマンスを行っていましたが、今回のグッズ解禁で話題となったアーティステックな白衣装を身にまとったりんご娘のメンバーが披露したのは、現体制で初披露となるこの時期ピッタリの「snow snow snow」。そして、立て続けに流れたイントロがPL2022”UPDATES!”にて披露が期待されていた「SNOW MONSTER」。先代のパフォーマンスをなぞるのではなく、スターキングデリシャスの声を活かしたハモりや、ラスサビ前のスノウモンスターの魔法を解く振り付けにはつ恋ぐりんらしさを盛り込んだりと、今の4人の「SNOW MONSTER」へアップデート。

立て続けにライブ映えする「JAWAMEGI NIGHT!!」を披露した後、MCで「SNOW MONSTER」の初披露等に触れ、スターキングデリシャスの”私たちのアップデートした姿をお見せできる楽曲をお届けします”という曲フリの後に流れたイントロは、なんと「0と1の世界」

「0と1の世界」はFOURs期を象徴する楽曲の1つで、りんご娘を卒業したジョナゴールドが広島県のご当地アイドル”まなみのりさ”と共演した”MAMIRINGOMUSIC”やジョナゴールドのワンマンライブ”WAVY BABY”内でも歌唱していたことから、ジョナゴールドがFOURsの思いを引き継いで歌っていくと思われていたこの楽曲を、”私たちに返してください!”と言わんばかりの現りんご娘によるパフォーマンス。間奏のソロダンスではスターキングデリシャスのダイナミックさとはつ恋ぐりんのしなやかさを中心に活かしたコレオに変更されており、「SNOW MONSTER」同様にアップデート。

歌を筆頭にスタイル・ダンス・MC等全てでリンゴミュージックのセンターを張りつつある”金星”、ダンススキルはもちろん先代の低音パート担当”彩香”の被せに頼ることなくしっかりとハモったスターキングデリシャス、かわいいだけではなくクールな表情も多く魅せた未知の可能性の塊”はつ恋ぐりん”、そしてリーダーとして優しさを持ちながらも年長者としての覚悟を魅せるピンクレディのパフォーマンス。それは、先代を超えるのではなくりんご娘として見たことのない景色を目指す4人の決意が現れたパフォーマンスでした。

2022年8月11日に行われた初ワンマン”Apple day”でも同様に、ファンの期待する楽曲「JAWAMEGI NIGHT!!」「SNOW MONSTER」と誰も想像していなかったであろう「SEBADAVA MAINEBION」「0と1の世界」といった、想像の更に上を越え急激な成長を遂げた現りんご娘。そのセルフプロデュース力は、「SNOW MONSTER」の披露時期について話し合ったというMCからも溢れていました。

新体制始動前からFOURsの人気と存在の影に苦しめられ、葛藤が見えていた4人。間違いなく初ワンマンの”Apple day”を通してひとつ壁を乗り越え、PL2022”UPDATES!"のパフォーマンスで、”彼女たちらしいりんご娘”の完成形に大きく近づいたと思います。

それは、王林とジョナゴールドの競演を観に来たであろうFOURsファンに心にも確かに届いており、「SNOW MONSTER」の魔法を解く場面のようにFOURsロスの心を間違いなく溶かしたパフォーマンスでした。

りんご娘以上の再スタートを切った”アルプスおとめ & リーフ”

実は、2006年11月の結成以来、これまで先輩メンバーが誰かしら残って後輩メンバーと活動しながら継承されてきた”アルプスおとめ”にとって、先輩メンバーが誰ひとり残らずに活動していかなければいけなかったという、ユニットの存続にも影響するような変化を2022年に迎えていた新生アルプスおとめ。

同年9月に弘前市で行われた”カルチュアロード”のステージでは、暫定メンバーとしてプレデビューしたアルプスおとめの”石岡・桜庭・高木・外崎・西田・本間”と切磋琢磨するリーフのメンバー。これまでのイベントでは「ニジイロリンゴ」や「リンゴのうた」といった比較的歌いやすい楽曲をパフォーマンスしてきましたが、PL2022”UPDATES!”では先代アルプスおとめが残した楽曲「ニジイロファイター」を初披露(桜庭・高木・外崎・本間で歌唱)。

これまで数えるほどなかったステージイベントでは少し不安定な部分もあったのですが、今回のステージでは大きく成長した姿を魅せたアルプスおとめ & リーフはファンを驚かせました。ある意味、りんご娘以上に存続について危ぶまれたユニットでしたが、見事に新生アルプスおとめとしての成長を魅せることに成功しました。

進化し続ける音の三原色”ライスボール”

アルプスおとめ & リーフのフレッシュなパフォーマンスから、「愛のグレーゾーン」で空気を一変させた”ライスボール”。コーラスワークや個々の歌唱力に注目されがちですが、長いキャリアで培われたダンススキルでも魅せることのできるキラーチューンから、天才肌”実土里”を中心とした3人のMCのギャップにほっこりしつつ、2022年を振り返り西目屋PRガールズに就任したことや、2023年は白神山地が世界自然遺産登録されてから30周年ということで新曲が提供され、その新曲「Relay」を披露するという流れに。

未来に残していかなければいけない自然や命を後世に残していく(リレーする)ことの大切さを歌うという、ライスボール史上1番壮大なテーマで作られた「Relay」では非常に難しいコーラスワークを3人のコーラスワークで見事にパフォーマンス、そして、新曲「Relay」から立て続けに披露したデビュー曲「掌」。ライスボール初のワンマンライブとなった”ライスボール POWER LIVE 2018(青森Quarter)”で初披露した同曲ですが、デビュー曲だからこそわかるパフォーマンスレベルのアップデート。

2022年1月17日に1st Album”NIPPON”をリリースして以降、2度のワンマンライブの機会にも恵まれたライスボール。公演ごとに全く違う一面を魅せ、音楽面・実力共に充実の1年となりました。新曲を引っさげた2023年を勝負の1年としてどのような形で歩んでいくのか、ライスfamilyを楽しみにさせたパフォーマンスでした。

どれだけメジャーになっても青森の女”王林”

2022年3月30日・31日に同会場の弘前市民会館にて開催された”RINGOMUSUME ONE-MAN LIVE "FOURs""にてRINGOMUSUME(りんご娘)を卒業して以来、ファンの前でのパフォーマンス機会が無かった”王林”。

新旧りんご娘の共演となった「Ringo disco」や、オープニングのダンスパフォーマンス等ではジョナゴールドと共に久しぶりのダンスパフォーマンスとなりましたが、気合溢れるダンスで現りんご娘に先輩としての意地を魅せたほか、ライスボールとコラボした「DAISUKI 青森」やジョナゴールドと共に歌唱した「1625」では、青森県のために孤軍奮闘している今の彼女の思いを歌に込めて届けているようにも見受けられました。

久しぶりにファンの前でパフォーマンスできる喜びや、盟友のジョナゴールドとのステージに対する嬉しさが溢れていた王林。そのキモチは、メジャーなエンタメ業界で磨かれた約15分にも及ぶ爆笑必死のMCからも表れていました。

充実した音楽活動で音の楽しむを体現した”ジョナゴールド”

2022年3月31日にRINGOMUSUME(りんご娘)を卒業した後、2022年5月7日のソロデビュー以降7曲もの新曲に恵まれ、ソロとしてリンゴミュージックの中で最も精力的に音楽活動を行った”ジョナゴールド”。

りんご娘時代にパフォーマンスしていたダンスミュージックとは違い、シティポップやロックを中心とした音楽ジャンルにシフトチェンジし、歌唱パフォーマンスを通して音楽の空間を楽しむことをファンに体現し続けたジョナゴールド。

2023年1月18日には初のフィジカルリリースとなる1st Album”WEEKEND”のリリースも控えていますが、今回は「WAVY BABY」「アメリア」「7号線」「ハジマリズム」といった既存曲で固めたパフォーマンス。

”もっとジョナゴールドと音楽を楽しみたい人は、ワンマンライブ来てね”というプレゼンテーションをされているような、音楽好きの心を揺さぶる素晴らしいステージングでした。

22年間の積み重ね、シャトルランに夢を乗せてまだ見ぬ世界へ

あどはだり(アンコール)で流れたイントロは、2026年に青森県で開催される「第80回国民スポーツ大会」のイメージソングとして製作され声を吹き込んだFOURsメンバーがファンの前で一度も歌うことの無かった「翔けろ未来へ」。王林・ジョナゴールド・ライスボール・りんご娘のメンバーがリンゴミュージックへの入所順に登場しソロパートを回していくという感動の演出。

更に、本公演ラストを飾る楽曲としてリンゴミュージックを象徴する新曲「夢のシャトルラン」をアルプスおとめ・リーフを含むリンゴミュージック在籍メンバー全員でパフォーマンス。

リンゴミュージックは、2000年7月に前身となる弘前アクターズスクールプロジェクトが設立され、2000年9月にりんご娘.初代メンバーがデビューして以来、りんご娘のみならずたくさんの在籍メンバーやスタッフが繋いできた歴史であり積み重ねがあって、今回の弘前市民会館 大ホールでの”RINGO MUSIC POWER LIVE 2022"UPDATES!"”の成功であることを感じさせる新曲「夢のシャトルラン」のパフォーマンスでした。

▶シャトルランは2002年に行われた春の強化合宿から続く伝統レッスン

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