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新春浅草歌舞伎で『吃又』を。

新春浅草歌舞伎・二部を観劇して参りました。

正月恒例の若手公演、3年ぶりの開催です。

お目当ては義太夫狂言の『吃又』。
今は亡き吉右衛門さん演じる又兵衛に感動し、この芝居が大好きになりました。

師匠から「物見せよ(見張れ)」と命じられ、花道の付け際に座り、グッと息を詰めて揚げ幕の向こうを見る。

真っ直ぐな思いが現れたその眼に、一瞬で心が奪われたのを思い出します。

最近では義太夫狂言の出る機会が減り、寂しく思っていましたが…。


今回、又兵衛夫婦を演じる歌昇さんと種之助さんは、義太夫狂言をお家の芸とする播磨屋の役者。
お二人が吉右衛門さんに憧れ、側で芸を学んでこられた様子は、様々な記事で読んでおりました。

特に『吃又』はお二人の勉強会でも出ていた芝居。
歌舞伎では、実際にその役に決まらなければ教えていただけないと聞いたことがあります。もしかしたら、吉右衛門さんに教わっておきたい、という思いがあったのかもしれません。

そんなお役を、1ヶ月の本興行で。


若手の二人が生き生きと勤められていて、清々しい気持ちになりました。芸に真っ直ぐ取り組んでいる役者さんを見ると、自分もしっかりしなければと背筋が伸びます。
そして吉右衛門さんの芸をしっかりと後進に伝えていってほしいです。


来月は鷹之資さんの『船弁慶』。
楽しみです♪

(2023.1.23.10:27HP掲載)
※テレビで紹介されていた、noteの編集機能やAI機能は使用しておりません。完全にオリジナルの投稿となります。

<関連ブログ>
富十郎さん一世一代『船弁慶』後。雲助師匠と武智歌舞伎塾。
十一月の歌舞伎座から。富十郎さん、三津五郎さんの息子たち。


<玉屋柳勢(たまやりゅうせい)とは>
落語協会の噺家。2020年真打に昇進。
六代目 玉屋柳勢を襲名いたしました。
これまで師匠方から「直に」受け継いだ落語。
それはアタシの財産です。
その楽しさと良き伝統をお伝えできたら嬉しいです。

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