見出し画像

2009-02-16 TAMAGO

画像1

「固い、高い壁があり、それに1個の卵がぶつかって壊れるとき、どんなに壁が正しくても、どんなに卵が間違っていても、わたしは卵の側に立つ。なぜならば、わたしたち1人1人は1個の卵であり、ひとつしか存在しない、壊れやすい殻に入った精神だからだ。わたしたちが立ち向かっているのは高い壁であり、その壁とは制度だ」


イスラエル最高の文学賞「エルサレム賞」を受賞した作家の村上春樹氏のスピーチの一部、だそうです。

コトバの力、感じます。ひさかたぶりに。(たぶん、私は字面としてのコトバに反応しているわけじゃなく、きっと、コトバの後ろ側にある膨大なエネルギーが伝わってくることに対して、敬意や畏怖を感じている、ということなのでしょう) まぁ、要旨の一部分だけ見てどうこう言うのもなんだなーとも思いますが。しかーし、原文全文は(英語なのかな?たぶん)公開されてないらしい、みたいです。
どんななんでしょうね。読んでみたいんですが。

このスピーチでは、間接的な表現ながらも、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を批判。そもそも受賞の辞退や、授賞式の欠席も考えたけれど、「作家は自分の目で見ていないこと、自分の手で触れていないものは信じることができない。だからわたしは自分で見ることを選んだ。何も言わないよりも、ここへ来て話すことを選んだ」のだそうです。

ついでにその賞は、「社会における個人の自由」に貢献した文学者に贈られるんだそうで。「社会における個人の自由」か・・・  相手のフィールドで表彰されながら、そこで相手を批判するのも、それはやはり「社会における個人の自由」ですよね。すごいシチュエーションだな。ぞくぞくします。

さて。 卵を立てたことってありますか?

冒頭の写真は、ずいぶん前のものですが、鏡の上に立てた卵を撮影しました。生卵です。細工やトリックはまったく使っていません。
重力に対して垂直!という感覚と、指先の繊細なセンサーを最大限に使えば、意外と簡単に立つ、のではないかと思います。
どうぞおためしあれ。

治療家としての腕を磨くはずだったのに、いつのまにか占い師になっています。どこに行ってもしぶとく生きていたい。