ニューヨーク校

大好きで何度となく読んでいる本の一冊に「進化しすぎた脳」池谷祐二著があります。

慶應大学付属の高校が、たしかニューヨーク州にあって、そこで日本人高校生を相手に池谷祐二が行った講義の記録という体裁で、脳の機能に関する考察を通じてぼくらが従来の学問では構造的に向き合えないでいる人間存在の意味に容赦なく切り込んでいくようなエキサイティングな本なのですが、内容もさることながら「慶應大学付属ニューヨーク高校」というワードがまず刺さる。

空想ながら、そこは、知的好奇心の追求や思考のトレーニングよりシツケが重視され、生徒や学生が力強くスポイルされていく我が国の教育からの避難に成功したワカモノたちが、まっすぐに成長し幸福になっていく場なのだろう、そのために設立された学校であり、その価値に気づいている保護者とコドモたちのための場所なのだろうと思った。

そしていま、ぼくたちが始めようとしているダイガクは、そういう場でありたい。世の中のために役立つ人材であるために教育を身につける時代が終了し、だれもが人生のすべての時間を価値のある幸福なものとして生きる時代。なににも邪魔されずにまっすぐにそこに向かっていけるような場としてのダイガクを。

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