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WORKROOM2 井上貴博さん「,aging -エイジング-」について

深秋の候、朝晩の冷え込みが感じられるようになりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
タメカワハウス家主のタメカワユウヤです。

2023年10月22日のライブから会場販売をしている井上貴博さんの新譜「,aging -エイジング-」を井上さんと共に制作しましたので、この作品について触れたいと思います。
まだ聞いていない方で、何の情報もいれない状態で聞きたい方は一度聞いてもらってから、気になったら読んでみてください。

要約すると色々あった上でこだわって作ってるので、楽しんでね!って話なのですが、せっかくのタメカワハウスなので以下で掘り下げてみたいと思います。


井上さんとタメカワの出会い

タメカワ経歴の記事でも少し触れましたが、井上さんは元々「鉄と鉛」という音楽モンスターの集まりのようなバンドのボーカリストです。
そして9mm卓郎さんとスタッフさんが「裕也と合うんじゃないか?」と思ってくれたようで2019年に出会わせてくれました。
当時の僕はレコーディングで、隠し味程度のアコースティックギターは弾くものの、シンガーさんのバックでアコースティックギターの伴奏などはしたこともない状態でしたが、この出会いをきっかけにアコースティックライブをすることになるのです。
初対面のその日、渋谷で美味しいお蕎麦を食べて、美味しいお酒を飲んで、会話を楽しんだら、ライブをすることが決まっていた気がします。

初対面

井上さんとの制作は今回2作目で、1作目は9mm滝さんと共に制作。

前作「,a」(カンマエー)は2020年だったかな。
その作品は、9mmの滝さんをプロデューサーに迎え、滝さんがドラムを叩き、ベースを弾き、ギターを弾き、内3曲はタメカワもエレキギターとアレンジ、アコースティックギター、コーラスで参加させてもらったりしました。
その作品はバンドアレンジを主として構成されていて、それはそれはめちゃくちゃ良い出来で、いまだに聞き直してはよく出来ているなぁと思ったりする作品です。
Sazanga Records通販で購入できますので、まだ聞いた事がない方はおすすめです。

今作はタメカワ監修とさせてもらい、井上さんとのアコースティックをパッケージ

そして今作「,aging -エイジング-」。

井上さんから「アコースティック主体の音源を作りたい、可能であればギターとコーラスに加えて録音とMIXも全て裕也にお願いしたいねん」というお気持ちを伝えて頂きました。
自分の作品以外で、タメカワハウスで録音から完成までを手がけた作品は今までなかったので、未体験ゆえの不安とワクワクを抱き、制作をはじめました。

現在井上さんのライブは基本的にバンド編成ではなく、「歌とアコースティックギター」の2人でステージに立っています。
作品名の通り、経た道を隠さずそのままに。
バンドアレンジを加えず、「いま」表現している2人の音をそのまま音源に詰め込んでいます。

音源となると、クリック(メトロノーム)に合わせて、演奏する人も多いのかなと思いますが、今までの井上さんとの音合わせで作ってきた2人の呼吸さえもパッケージしたかったので、クリックも聞かず、ためたいところはためて、早くしたいところはテンポアップさせてギターでオケを作りました。

ステージ前の瞑想

アコースティックゆえに使える強み

普段バンドアンサンブルで考えることが多い分、アコースティック始めたての頃は、いかにジャカジャカやってやろうかと思ってしまっていました。(まっそれはそれでいいんですけど)
井上さんとやり始めてアコースティックについて思うのは、ギターアレンジの引き算、少ない武器をどう美味しく使うか、曲の中のそのセクションで1番必要としてる要素は何か、それを捉えて音楽にしていく楽しさが溢れているなぁと感じております。
アコースティックは構成している人数が少なく(井上さんのオケに関してはタメカワ1人だし)直感的にその場で思いついてすぐ試せたりするので、毎度実験しながらやってます。

この作品を作る上でも、歌の声色、ギターを何和音で響かすか、ピックか指か、コーラスを入れるポイントなど、こだわって制作しました。
歌とギターとコーラスという限られた音数ゆえに、1つの効果がもたらす影響が大きいのが、アコースティックの面白みですよね。

バンド編成になったらなったで、表現の幅が増えるし、予想不可能なプレイに対する合いの手みたいな楽しみももちろんありますが、ここでは今わたしが感じているアコースティックの楽しみ方をお伝えさせて頂きました。

どこをきりとっても井上貴博

井上さんの良さを存分にパッケージングしたかったので、全作業行程でそれを意識したつもりです。
ギター、その他今回携わらせてもらったエンジニア業もまだまだこれから成長していくつもりですが、制作段階で詰め込めるものは詰め込みました。
MIX作業中も、段々音の料理の仕方が分かってきて、全曲終わったあとに初めに戻ってやり直すこともありました。
この経験でまた多くの学びを頂けたことに感謝します。

「どこ切っても『veryたかひろ』に仕上げてくれてありがとう」

制作が終わりを迎える頃、井上さんからこのように感謝を伝えて頂きました。

いい音楽を作るのはもちろん、
自分のチカラが誰かの喜びのお手伝いになって、
そこにお互いの感謝がある。
わたしはそれを続けていきたいなと思います。

とても気持ちのいい波動が詰まった作品です、いまはライブ会場での販売ですが、配信や通販も考えてるという話は耳にしましたので、是非みなさまお聞きくださいまし。

最後までお読み頂きありがとうございました。

,aging  -エイジング-

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