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『フット・イン・ザ・ドア』

「控えめな要求に同意してもらい
 徐々に大規模な要求を承諾してもらう」

 ・・といった心理的戦術

文字通り訳せば
「ドアを開けて貰い( 足を入れて)
 そのあとグイグイと入り込む」

ビジネスにおいて
「それ」を意識するかしないかで
 結果や方向性が左右するケースもあるので
 少々お付き合いください

事例①「お金貸して・・」

A「財布忘れちゃったから
  1,000円貸してくれるかな?」
B「オッケー いいよ」
A「ごめん 5,000円でもいいかな?」
B「しょうがないなぁ。。。」

最初に「5,000円貸して」だと
少々高めのハードルが
まずは「控えめな要求」で同意のあと
「大きな要求」を承諾してしまうという人間心理

事例②「お試し・・」

ウォーターサーバーや
お掃除用具といったレンタル商品

営業マン
無料でお試しとして1ヶ月お使いください
 その後ご意見を
 聞かせていただけますでしょうか?」
お客様
「無料だったら・・」
↓ ↓ 1ヶ月後 ↓ ↓
お客様
「まぁまぁ良かったかな」
営業マン
「ありがとうございます
 それでしたら
 このままのご継続をお願いいたします!!」

お試しという「小さな承諾」から
継続購入という「大きな承諾」

事例③「クロージング・・」

営業マン
「2万円コース・1万円コース・5千円コースのうち
 選ぶとしたらどのプランが良いと思われますか?」
お客様
「1万円コースかな!?」
営業マン
「ありがとうございます
 支払方法はカードと口座引去りの
 どちらを希望されますか?」
お客様
「ポイントが貯まるから
 カードかな」
営業マン
「そうですね
 それでは1万円コースの・・・」

といった
 もしも選ぶとしたらと言う「小さな選択」
 心理的なハードルを下げた後
 購入という「大きな決断」をして貰う(してしまう)

一貫性の原理

アンケートもある意味要注意でして・・・

アンケートによる「小さなお願い」のあと
 購入に繋げる「大きなお願い」への展開も
 フット・イン・ザ・ドアの手法

「○○はお好きですか?」
「○○のようなモノがあると便利ですよね?」
・・といったアンケートによる「Yes」を重ねた後

営業マンより
「○○のようなことが “これ” で可能です」
「この機会に如何でしょうか!!」と詰められると
 人は自身の「一貫性」を保つために
 この流れを受け入れて
 飲み込まれてしまう・・というケースも

フット・イン・ザ・ドアとは
 人間心理が持ち合わせている
 一貫性の法則を活用!!

何故なら人はそもそも
 自分の言動が
 一貫したものにしたいという欲求

小さな協力をして
「あの人はいい人だ」と評判
さらに地域に奉仕することで
「あの人は社会貢献している」とラベリング

だって子どもの頃から
「一貫性のある人」こそ
 誠実で・信頼がおけて・しっかりしてる人
 といった教育を刷り込まれ・・

話しや態度がコロコロ変わる人って
「一貫性がなくって駄目な人」だと・・

言行一致こそが
 まさに「よき人」・・ですもんね
(人間心理とは摩訶不思議)

身近な故に・・・

SNSやネットメディアの集客も
 いきなりサービス(商品)購入を迫らず
 資料請求(ホワイトペーパー等)や
 情報提供(メルマガ等)登録などの
 小さな承諾行為を挟むことで・・・

気付けばこれらも
 消費者心理を欺く(安心させる!?)
 様々なフット・イン・ザ・ドア

1回目「1万円借りてキッチリ返す」
2回目「5万円借りてキッチリ返す」
3回目「50万円借りてキッチリ返す」
4回目「数百万円借りて・・・飛ぶ」
 といった詐欺行為も
 フット・イン・ザ・ドア
 一貫性の原理の応用だとか・・・!?

そこにはもう一つ
 他人からよく思われたいという
 エゴやプライドや妙な言い訳が
 潜んでいたりも・・しますよね

ドア・イン・ザ・フェイス

「相手が承諾しにくい大きな要求を出して
 徐々に要求水準を下げていく戦術」

 (フット・イン・ザ・ドアの真逆)

例えば
 高めの見積書を提出後
 先方の値引き交渉に応じることで
 相手に主導権を握らせつつ・・

実はこちら側が
 本来の落しどころに着地!!

どうやら
 信頼関係ができていない相手には
 「フット・イン・ザ・ドア」

 信頼関係ができている相手とは
 「ドア・イン・ザ・フェイス」

と・・・ツラツラと書き連ねて来ましたが

一番伝えたいのは
上辺のトークやテクニックの前に
 ・誠心誠意とか
 ・心遣いとか
 ・精一杯とか
 ・相手の立場に立ってとか
 ・本来の価値提供だとか

青臭くて泥臭いモノ
その「基礎・基本」に置くことが大事で

それを端折った段階で
 お客様にとって
 不信や不満を募らせるだけの
 薄っぺらな行為になり下がることは
 肝に銘じておかなけらば
 ならない・・という原理原則・・なのです!!

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