バイデンのとってつけたような、資金集めイベントでの演説を聞いて、つくづくこれが、一般的欧米白人政治家（指導者層）の日本やアジア各国に対する理解度なのだろう、そう思った次第だ。

バイデンは、大統領選挙で米国を二分している移民問題における自身の政策スタンス、つまりは民主党の政策をアピールするつもりで、つい彼の本音を語ったに過ぎないのだが、おそらく日本人（あるいはアジア人）の、外国人（白人や黒人）への複雑な感情に対する正確な理解なんてまったくない。

日本は中国やインド、ロシアと同じく排外主義的である、もしくは外国人嫌いであり、それが経済での停滞を引き起こしているとホンキで思っているとしたら、日本人全体における外国人への警戒心が、これほどまでに高められた最大の理由が、欧米各国の白人たちによる植民地主義に基づく軍事力を背景にした干渉、侵略にあるという、シンプルな事実を忘れているのである。

そしてなぜアメリカに、もともとはインディアンから土地を奪い建国した白人以外の移民がこれほどまで増えたかというと、奴隷貿易によって黒人を大量に使役したからだから、もはや移民なしでは成り立たなくなってしまった自国の負の歴史を、心の底から恥じるべきだろう。