『未来』1月号掲載8首

眠れぬ夜も病める日々も朝は来るきみのおかげで世界は回る

手を繋ぎ硝子の海を見ていよう静寂のまま漂っている

満月が静かに照らす夜の海の波は流れて生命は揺れる

三億の時の流れを漂ってカゲロウたちは生を繋げる

八月に別れを告げる時が来るトンボが飛んで九月は来たり

目をつむり静かの海を歩きゆくあなたの祈りは星の降る夜

我が心すべてあなたに委ねんと楓のような日常となる

喜びや悲しみは移りゆくものか手帳に記し栞を挟む