駅弁に困惑
私が「SAVE THE CATの法則」を勉強していることは前に書きました。
で、例として挙げられている映画がほぼ全部知らん作品ばっかりだったので、仕方ないのでアマプラでちょっとずつ見てます。
本に挙げられてるの全部とまでは言いませんが、少なくとも「本に対する理解が深まった!」と実感できるくらいには見る予定です。
さて、今日はブレイク・スナイダーいわく「家の中のモンスター」に分類される映画、「危険な情事」を見ました。
「家の中のモンスター」の構成要素であるモンスターはエイリアンなどの超自然的存在でなくても、普通の人間でもその役割を担えるらしく、「危険な情事」はその一例らしいのです。
映画の流れは以下の通りです。
弁護士の男が一夜限りの不倫をする
不倫相手がメンヘラストーカーと化する
不倫相手の数々の嫌がらせの末、奥さんに不倫バレ
男は一旦家を追い出されるが、何だかんだで妻と帰宅
そこに不倫相手が刃物を持って襲撃
夫婦の再出発後、初めての共同作業で不倫相手を返り討ちにして殺害(夫が浴槽に不倫相手を沈め、妻が銃を発砲してトドメ)
警察が不倫相手の死体を移送?
男と妻は自宅内で幸せなキスをして終了
何だこれ。感情が全くついていかないんだけど。
いやそれよりも、最も特筆すべき衝撃のポイントは、開始20分で下半身すっぽんぽんで駅弁が始まったことです。
ええ、駅弁てのは、エロビデオでしか見かけないようなあの体位のことです(AV関係者以外であの体位をするヤツがいたのか・・・)。
俺は何を見せられてるんだ・・・
で、後半の方で不倫相手が家に侵入してペットのウサギを殺害して鍋にブチ込んで火をつけるという強烈な嫌がらせが展開されました。
血まみれで煮られてるウサギが妙にリアルで、まあ色々と変に記憶に残る映画になりそうです。
さて、ふざけたエッセイはここまでにして、備忘録がてらこの映画の学びを書いていきます。
「家の中のモンスター」の文法
「家の中のモンスター」はブレイク・スナイダーが名付けたジャンルの1つで、「モンスター」と「家(逃げ場のない空間の象徴)」を構成要素とします。
エイリアンとかジョーズとかジュラシックパークが該当するようです。
で、大事な構成要素であるモンスターは「人間が欲望から犯した罪」によって生まれ、モンスターは罪を犯した人間に復讐します。
危険な情事を見てその意味がよく理解出来ました。
確かに、男のだらしない下半身が罪を犯し、不倫相手が復讐に来てました。
ただ、ジョーズの場合はどうなるんでしょう?
サメって元から海にいますし。
まあ多分、人間がサメにちょっかいを仕掛けるくだりがあるのだと予想されますが、アマプラにあるんでチェックする予定です。
ミッドポイント以降の流れ
「SAVE THE CATの法則」では、ブレイク・スナイダー・ビート・シート(BS2)というテンプレートが紹介されています。
BS2を説明すると長くなるので、ヒマな人はネットで検索すれば概要くらいは分かるかと思います。
さて、「危険な情事」はBS2に完全に沿っているわけではありませんでした(特に前半)。
しかし、ミッドポイント以降が綺麗にBS2に沿っており、また「SAVE THE CATの法則」の解説に従って映画を見るのも三本目なので、さすがにこの流れの意味は分かってきました。
ミッドポイントはその名の通り、時間的にど真ん中の部分です。
つまり、120分の映画なら60分くらいがミッドポイントとなります。
で、ミッドポイント直前くらいから主人公は絶好調なんですよ。
しかし、ミッドポイントを境に、なんか急に不穏な影が差してきます。
ミッドポイント以降の流れはこんな感じです。
悪いヤツら、不吉なことが迫ってくる(不倫相手の攻撃が本格化する)
主人公、全てを失って絶望する(男は不倫バレして家を追い出される)
立ち直るきっかけを得る(不倫相手の子供誘拐という一線を越えた行為が夫婦で協力するきっかけになる)
悪者を一掃する(不倫相手殺害)
ファイナルイメージ、主人公の成長した姿
まあ「危険な情事」は成長も何もあったもんじゃないので、ファイナルイメージはありませんでしたが・・・
それはそうと、BS2では「尺のこの辺でこれが起こる」が事細かに指定されているので、それに合わせて映画のシークバーを動かすと、確かにそうなってるんですよね。
今回見た映画はハッキリ言って面白くなくて苦痛でしたが、学びはありました。
余談ですが、デンジャラス・ビューティーとキューティー・ブロンドはまだ面白かったので、ヒマな人は「SAVE THE CATの法則」を片手に見てみてはいかがでしょうか。
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