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適材適所に上手くピースをはめる。怪我人がいても、1番大切なピースはビルドアップのスタート地点となる選手の細かいポジショニングと意識の差

仙台が18戦ぶりの白星を挙げた。

試合開始から、ガンバ大阪のプレスに対し、両センターバック、特にキムジョンヤ選手の所で優位性を出せていた。

相手の追ってくる勢いを利用して剥がす作業を繰り返し、10m前に前進してから5m下げる。

この地味だけど大切なプレーで仙台はガンバ大阪の"心理的なプレス"まで緩めることが出来た。

センターバックがビルドアップにどのように関われるがここ最近の仙台のウィークだっただけに、この試合では、決まり事や一貫性を徹底してやっていない中で上手くスムーズにこなしていた。

そして、ボランチの椎橋選手とのコミュニケーションが取れていたことと、

ラインを常に高く保てていたこと。

また、相手のプレスを緩めた要因として大きかったのは

浜崎選手、佐々木選手の位置取りだった。

彼ら2人が相手のサイドバックの裏のスペースへフリーランニングをしたり、ボランチの脇のスペースに入ったり、時には椎橋選手が相手のボランチまでプレスに入った時も気を効かしていた。

彼ら2人がある程度自由を得てポジショニング出来たことで、良い影響を受けたのが長沢選手である。

元々キープ力のあった選手が、なかなか上手くキープ出来なくなるのは、本人だけのプレーではなく、周りの関わり方の問題であることが昨日の試合で皆さんにわかってもらえたのではないだろうか。

浜崎選手、佐々木選手がいい距離感を保ちながら、衛星のような距離を保っていたことが、長沢選手や長沢選手に付いていた昌子選手と菅沼選手を迷わせていた、ここは非常に大きかった。

もう一つがクエンカ選手の横、斜めへのドリブルだろう。

横や斜めのドリブルは、ディフェンス側からすればボールウォッチャーになりやすく、ディフェンスラインも上げにくい。

平行のドリブルには並行にしかディフェンスも対応できないからだ。

彼がボールを持つと、失わない、パスが出てくると信じて動くことが出来、10m、20mドリブルで運んでくれれば、サイドバックとしては非常に有難い。

飯尾選手もパラ選手も、信頼しているのがよくわかる。

そしてもう一つの理由は、

ディフェンス時にあった。

4-3-3の守備時に、3トップのサイドよりもインサイドハーフが前に出ることにより、

相手のサイドバックのケアがはっきりしたこと、内側へのパスの侵入を防ぐこと、カウンターの起点になること。

この3つの作業をスムーズにさせていた。

仙台の守備側から見ると、山のような形を作り、

自分達の前でボールを回される分には崩れることはなかった。

悪い時は、何がなんでもアグレッシブに取りに行き、自分のスペースを開けていたが、この試合では、右の飯尾選手の裏のスペースはほぼ一度も使われていない。

4-4-2から4-3-3に変え、やり方も守備時はインサイドハーフを前に置いて山なりにした事が大きかった。

この勝利をガンバの油断と取ることも出来なくはないが、仙台にとっては本当に大きな、インパクトのある勝利だった。

この試合までに、選手、スタッフ、関係者は沢山の悩みとストレスを抱えていたと思うが、この勝利で一歩前に進んだと思う。

クエンカ選手を見て、佐々木選手には彼の良さを出しながらも、スイッチの切り替えが出来る、ボールを運べる選手になってほしい。

素晴らしいアシストの影に、時間を作ったクエンカ選手、相手ディフェンスの間を開けさせた飯尾選手の上がりも忘れてはいけない。

内容があるサッカーがあり、勝利の確率を上げるビルドアップがあれば、また観たいと思うファンやサポーターも戻ってくるはず。

ホームでの勝利、期待して応援しよう。


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