見出し画像

#研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(2)

2018年の2月「エイヤー」という想いで、会社を設立しました。しかし、私はクリニックで働く歯科衛生士。この頃は、歯科衛生士になって3年が経過していました。私にも患者さんが付き始めて、月に100人くらいメインテナンスを担当していました。

振り返れば、2014年。元々業績の良かったクリニックでしたが、患者さんの歯を守る予防を重視したクリニックに方針転換をした頃から、業績がみるみる下がって、資金繰りにも困窮するようになりました。資金繰りに困窮すると職員がどんどん退職していきました。負のスパイラルです。

当時、私は受付には立っていましたが、診療室の中がどうしても見えず、人がどんどん辞めていく理由がわかりません。原因を探し出し、自分が業績を立て直すというつもりで、歯科衛生士として診療室でフルタイムで働く決心をしました。

実は私、高卒後、歯科衛生士の資格は取ったものの、歯科衛生士として働いたことがありませんでした。しかも、資格を取って20年以上の空白、年は40過ぎ、「おばちゃん新人歯科衛生士」の誕生です。(笑)

診療室に入っては見ましたが、先輩はみんな年下。「どうせ3日で辞めるだろう」と陰口をたたかれながら、修行の日々です。最初は洗い場や器具の準備や後片付けをこなす毎日、覚えることも多くて、とても苦労しました。しかも、私は院長先生の奥様。風当たりも強く、陰湿いじめにもあいました。診療室で何かミスが起こると、私が犯人扱いされるのです。そうすると、私がいない休憩室では丸く収まりますので、事情もよくわかりました。

40歳を超えて、歯科衛生士になった3年間は人生の中でとても苦しい3年間であった一方で、私が最も成長した3年間でもありました。事業が上手くいかないのは何がしら理由があるわけです。3年間で理由を突き止めることができました。事業の事がわかった、私にとって大きな財産です。

幸いなことに、私が起業した2018年2月に、一人の歯科衛生士が入職してこられました。ベテランで、とても優秀な歯科衛生士さんです。「よし、この衛生士さんに自分の全てを伝授しよう!」それから1年かけて、一緒に働きながら、自分が経験してきた事を全て引き継ぐことが出来ました。歯科衛生士として4年半頑張りましたが、最後の1年間は仕事が楽しくて、本当に充実していました。

複雑な気持ちでもありますが、私が研究開発ベンチャーの社長としての仕事にシフトしていく毎に、クリニックの業績はどんどん回復していきました。今では、クリニックの経理くらいしかしていませんが、スタッフが素晴らしく、頼もしい限りです。みんなを心から信頼しています。(続く)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?