Masayo Tanae

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「トルコから日本にプラズマみかんがやってくる!」

皆さんこんにちは、タベテクの田苗(たなえ)です。2018年に起業してもう6年が経ちます。まだ6年です。あっという間の7年目ですが、振り返ると そこには「歴史」があり、あの時にこういう決断があったから今がある、と思ったりしています。今日はトルコから日本に薬剤処理のないみかんがやってくるに至った経緯について、書いてみます。 東日本大震災から10年たった2021年、私はふと、2011年起きた東日本大震災の頃のことを想い出して「10年経った東北の姿を見に行ってみてみたい」と思うよう

    • 2023年を振り返り 株式会社タベテク

      みなさん、こんにちは。タベテクの田苗(たなえ)です。noteに書くのは 1年ぶりになりますが、ある人の投稿を読みまして、私も今年1年を振り返ってみようと思いました。 昨年は、ある意味事業が継続するか、ダメになるか、修羅場の年になりましたが、もう全速力で自転車漕ぎまくっていたら、知らないうちに目の前がパァーと明るくなって、年を越しました。いわゆる「ハードシングス」を経験し、自分の力(というか、他人の力)で何とか乗り越えられたことで、自信になりましたし、支えてくださった皆様に感

      • 2022年の振り返り、そして新年の抱負

        みなさん、こんにちは。株式会社タベテクの田苗(たなえ)です。2022年は私にとって色んな意味で「激動」の1年でした。もう、夜も眠れないくらいのハードシングスと、私の一生を左右するような、「人」との出会いがうまく醸成されまして、「THE生きる」を体感した1年でございました。濃厚過ぎですべては書ききれませんが、エッセンスだけでも共有させて頂きます(笑) 1月 奈良・三重・和歌山などを回る家族旅行 お正月前に息子が「南紀白浜」に行きたいとのことで、家族で旅行する事になりました。田

        • #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(11)

          東京都女性ベンチャー成長促進事業(APT MOMEN)に2020年の8月に採択され、プログラムは委託先のコンサルティング会社さんに支援して頂く形で、進んでいきました。つい先日成果発表会があり、受講生を代表して挨拶させていただきました。 同期生には大企業さんとの事業連携や大型の資金調達を達成された方、国のプロジェクトに採択された方、皆さんの事業のコンセプトなどを知ることで非常に刺激になり、かつ、本当に素晴らしい女性起業家の方々とお友達になることができました。 私は昨年9月か

        「トルコから日本にプラズマみかんがやってくる!」

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(10)

          研究開発と言えば「特許」今回は特許について書こうと思います。私は今の技術に2016年に出会いました。その時は技術について全くの素人でした。 よく「特許」=「権利」不動産のようなもの、お金を払えば得ることが出来る「もの」のように思っていらっしゃる方も多いですが、大きな誤解です。私は「特許」=「発明者そのもの」と思っていて、「お金を払うから特許ください」と言っている人たちにとても違和感を感じています。 私は大学で先生方の研究されている内容を知った時、薬剤を一切使わずに常温で鮮

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(10)

          研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(9)

          2020年8月~9月にかけて、起業の「山」と「谷」がほぼ同時にやってきました(笑)2020年1月から佐賀県の公的機関でみかんの実証を3か月間行いました。去年は非常に暖かく、九州ではみかんのカビが大発生しました。冒頭の写真を見られても分かりますように、無処理の左側のみかんは右と比較してカビが伝播していることがわかります。プラズマで処理したみかんはカビの伝播が抑えられることが判明しました。実験は大成功です!この試験結果を受けて、近隣のJAさんも巻き込んで、改めで実証することになり

          研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(9)

          ♯研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(8)

          私は2020年の初夏に2度目の資金調達のため、腹をくくって活動を始めました。自社装置の実証結果を基に、ビジネスモデルや自分の開発した装置で「誰の」「何の」課題を解決するのか?頭がちぎれるほど考えました。 私は自分が開発した装置がどこに一番ニーズがあるのか、とことん調べました。2016年に私が発明者の先生から話を伺った際に、プラズマ殺菌装置の仕組みは簡単で、薬剤も使わずに、太陽光でも稼働するという話を聞き、とても驚きました。 FAOが出しているハンガーフリーワールドの資料で

          ♯研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(8)

          ♯研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(7)

          2018年に起業して一番困難だったのが、「お金」の問題です。私は長年事業に携わっていますので、事業のための資金調達は銀行さんの「融資」で賄っていました。今回の事業は「研究開発」です。売上げの見込みすら立たない中で「融資」は断られてしまいます。起業したころは、大学の技術だから、何とかなるだろうと甘い考えでした。 仕方がないので、自分の貯金と友人からの「借金」で回していましたが、いつまで経っても、「売上」が立ちません。「融資」がダメなら「研究開発補助金」の応募に出しますが、全敗

          ♯研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(7)

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(6)

          2019年の10月には完成したプラズマ装置は佐賀県の公設機関で何とか開発させてもらえるようになりました。自社で開発した装置でどのようなことが起きるのか、誰もわかりません。最初は職員さんもそっけない態度でした。 先ずはみかんの試験よりも何よりも、センター働く職員さんの安全を担保しなければなりません。プラズマ装置からは「オゾン」が発生します。オゾンは低濃度では人体に影響がないのですが、高濃度になると健康に害を及ぼします。装置を稼働したり止めたりを繰り返し、オゾン濃度がどれくらい

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(6)

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(5)

          量産型の装置は何とか完成したのですが、今も昔も本当に困っているのが、開発に要する資金です。装置はすでに完成しているのに、銀行に融資を申し込みに行っても、断られてしまうのです。 最初に自分は何のために起業したのかを社名にしたと書きましたが、精神的にも経済的にも「自立」したかったからです。よく、人から主人に所得があってこそ出来ることと言われます。悔しいですが、あながち間違っていません。食べる糧があってこそ、出来ることなのです。この事業を始めるときに、主人と税理士さんとで、医院で

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(5)

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(4)

          2018年の秋からは早々に医療滅菌機開発ベンチャーを諦め、アグリテックベンチャーに変え再出発しました。元々医療従事者だったものですから、医療については知識がありましたが、農業は全くわかりません。ピッボトについて、思うところが全くなかったかと言われれば嘘になります。 ただ、不思議なことがありました。私が起業のきっかけになる、大学の発明者の先生と初めてお会いしたのは2016年の夏くらいだったと思います。その半年前ぐらい前の話です。息子が10歳になり小学校で2分の1成人式が行われ

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(4)

          ♯研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(3)

          やっと、ここからが本題です。2018年の2月に大学で開発された薬剤を一切使わない歯科用小型滅菌機の事業化を目的に「株式会社ステリフル」を設立して、少しづつですが事業を開始しました。ところが、私は研究開発なんて何もわからず全くの素人です。先ずは、リサーチです。色んな事を調べまくりました。 経営は「人」「もの」「金」「情報」で成り立つものです。例えば「人」、研究開発を行うためには、それなりの経験のある「人」が必要です。人は私と大学の先生しかいません。「もの」知財はあるけれど、作

          ♯研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(3)

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(2)

          2018年の2月「エイヤー」という想いで、会社を設立しました。しかし、私はクリニックで働く歯科衛生士。この頃は、歯科衛生士になって3年が経過していました。私にも患者さんが付き始めて、月に100人くらいメインテナンスを担当していました。 振り返れば、2014年。元々業績の良かったクリニックでしたが、患者さんの歯を守る予防を重視したクリニックに方針転換をした頃から、業績がみるみる下がって、資金繰りにも困窮するようになりました。資金繰りに困窮すると職員がどんどん退職していきました

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(2)

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(1)

          皆さん、初めまして。株式会社タベテク 代表取締役 田苗(たなえ)です。 今まで、ブログもおろか、自分の事をSNSで書くのはほどんどなかったのですが、起業をしてやがて3年が経ち、上手くいっているのか、いってないのか、事業自体は何とか前進していることは事実なので、起業前からのことを書くことにしました。 3年前までは、私は医療従事者として働いておりました。主人が歯科医師で11年前に福岡県小郡市で歯科医院を開業しましたので、その傍らで歯科医院の運営や受付、歯科衛生士としての勤務など

          #研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(1)