見出し画像

オスっぽさの違い(Kakui & Hiruta 2023)

私が関わった論文の短い紹介.

”タナイスの近縁2種間で見られた異なるオスっぽさ”

Kakui & Hiruta (2023) は,タナイスの近縁2種(Apseudes nipponicusとApseudes sp.)のハサミにおけるオス化の程度を比較した成果です.本研究では,(1)Apseudes nipponicusはApseudes sp.と同様に同時的雌雄同体(1個体が同時にオスとメスの生殖器官を有する状態)であること,(2)両種はハサミのオス化(節が幅広くなったりトゲトゲが生じたり)を示すものの,その程度が異なっていること,以上の2点を明らかにしました.

また,オス化の程度の小さな種(Apseudes sp.)は,他方の種より小さなサイズで抱卵することがわかり,体サイズの増加やオス化への資源投資を減らし早く成熟する,早熟な(progenesis)種である可能性が示唆されました.

論文詳細

Kakui K, Hiruta C (2023) Differential masculinization of the chelipeds in two simultaneously hermaphroditic Apseudes tanaidaceans (Crustacea: Malacostraca). Zoologischer Anzeiger 305: 23–27.

doi: 10.1016/j.jcz.2023.05.004

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?