顧客七階層
RFM分析
お客さん一人一人は、一人一人の人間ですが、ダイレクトマーケティングでは、
お客さん = 人
と十把ひとからげにせず、
A)自社への貢献度によってグループ分けし、
B)段階的に優先順位をつけ、
C)グループ毎に異なる施策を投下
します。ぶっちゃけ、たくさん買ってくれる顧客を優遇します。
マーケティングには、グループ分けするためのRFM分析があり、
1)リーセンシー(Recency)… 最後に買った日
2)フリークェンシー(Frequency)… 買った回数
3)マネタリー(Monetary)… 買った金額
で、それぞれ、だいたい5つくらいのグループに顧客を分けます。
たとえば、リーセンシーなら、
1)月一以内にお買い上げ
2)三カ月以内にお買い上げ
3)半年以内にお買い上げ
4)一年以内にお買い上げ
5)一年以上前にお買い上げ
というように定義します(定義は業種業態によって各社様々です)
RFMの組み合わせは、555(R=5 F5= M=5)の最優良顧客を頂点として、
554.553.552.551.545.535.525.515.444.455.454.453.452.451.445.435.425.415
355.354.353.352.351.345.335.325.315.333.345.335.325.315.222.215.255.111
のように分類し、たとえば、155や355なら、
「何回も買ってくれて、金額も大きかったけど、この一年、買ってないよね~」
だから、
「また来てね~」
と、
わざわざダイレクトメールを送ったり、
「お店に、プレゼントを用意して、お待ちしております」
と、
アウトバウンド(電話)したりします。
リーセンシーとボリューム
RFM分析が、F(フリークェンシー/回数)に重きを置きがちなのは※
BtoC(企業対消費者取引)向けの分析法だからでしょう(筆者推測)
※
・FFP(フリークェント フライヤー プログラム。マイレージサービスのこと)
・FSP(フリークェント ショッパーズ プログラム。ポイントカードのこと)
ご存じの通り、旅客機や、店舗に向いた施策(プログラム)です。
これですと、BtoB(企業間取引)では、ちょっと使いづらいですよね?
なぜなら、リーセンシー(最後に買った日)は、あまり重要ではありませんし、
対象となる顧客が、BtoCのように多くありませんし、
交通や店舗のように、定期的にリピートがあるとは限りません。
そこで開発したのが、顧客七階層。
RFM分析は、
1)最後に買った日(Recency)
2)買った回数(Frequency)
3)買った金額(Monetary)
の3つの軸で分析しますが、顧客七階層は、
1)買った量(Volume)←ボリューム/ここが異なります
2)買った回数(Frequency)
3)買った金額(Monetary)
で分析します。分析の仕方は、RFMと同じですが、
BtoCのように、対象の顧客数が多くありませんので、5~1の5段階で細分せず、
ABCの3段階でセグメンテーションします。
たとえば(商品分類によって異なりますが)、Aが2つ以上あれば最優良顧客。
Aが1つであれば優良顧客。
Aが1つもなければ一般顧客……のようにシンプルに分類します。
以上は、あくまで、仮の分類であって、企業によって、あるいは商品によってクラス分けは異なります。
顧客七階層とは
ちょっと難しく(専門的に)なってきましたね失敬失敬。
わかりやすくリセットしますと、顧客七階層とは、
1.お客さんは、十把ひとからげじゃありませんよ~。
2.一口に、お客さんといっても、七種類のお客さんがいますよ~。
3.それは、階層(ピラミッド型の段階構造)を成していますよ~。
4.一番下の未来客から、一番上の最優良顧客へ、上がっていきますよ~。
5.未来客が、優良顧客になるまで、時間の概念は無関係ですよ~。
6.頂点に位置する優良顧客(と最優良顧客)の売上が70~80%を占めますよ~。
7.だから、優良顧客を増やしましょうね~。
8.優良顧客は大事だから、特別扱いしましょうね~。
9.でも、優良顧客に偏っちゃ、危険ですよ~。
10.優良顧客に偏らず、顧客の母数を増やしましょうね~。
ということです。
七種類の顧客とは、重要な順に、
1.最優良顧客 … 多額の、あるいは、頻繁に、大量に買ってくれる一部の顧客。
2.優良顧客 … 平均(BBB)以上に買ってくれる顧客。
3.一般顧客 … 優良顧客ではない(BBB以下の)顧客。
4.新規顧客 … 初めて購入した層。二度と買わないお客さんも多い。
5.見込み客 … 別名 本気客。取引交渉する層。価格を尋ねる。見積もりを取る。
6.疑似客 … 商品を知っている層。見てるだけ。資料請求しただけ。
7.未来客 … 商品を知らないため、いずれ、お客さんになるかも知れない層
に分類できます。営業(プロモーション)は、最終的には値引き行為ですから、
最優良顧客を厚くもてなし(予算をかけ)、順次、予算を低く抑えて、作戦を立てます。
顧客七階層の具体例
どんな作戦かというと、たとえば、前号のクリスマスカード。
顧客七階層の考え方が身についていると、お客さんによってクリスマスカードを分ける発想が出てくるはずです。
最優良顧客のAクラス … 封書のクリスマスカード + クリスマスプレゼント
優良顧客のBクラス … 封書(か市販のチャリティ付き)クリスマスカード
一般顧客その他のCクラス … ハガキ一枚のクリスマスカード
このように、顧客を分けて考えることで、接触方法も変わり、
最優良顧客のAクラス … 手渡し。会うに勝る接触なし。
優良顧客のBクラス … 手渡し。あるいは、郵送。
一般顧客その他のCクラス … 郵送。
このように、接触方法を変えることで、営業交通費(ガソリン代や電車賃)と、営業の活動時間と、労力も抑えられます。
また、どの顧客に、何をすればいいか一目瞭然ですので、部長や社長といった営業管理する立場としても、
・株式会社Aの、B部門の、C課長へ、ハガキのクリスマスカードを送ったか?
・株式会社Dの、E社長へ、クリスマスプレゼントを手渡したか?
・担当者が忙しくて準備していないとしたら、営業事務に代行させられないか?
等々、容易に営業管理できます。ハガキを送るだけなら、誰でもできますからね。
つまり、顧客七階層さえ頭に入っていれば、
1)営業(接触)ツール
2)営業(接触)方法
3)営業(接触)管理
が、自ずから発想できる仕組み。
まだまだ、クリスマスカードの発送には間に合いますので、この機会に、是非、顧客七階層を取り入れてみて下さい。
お客さんに喜ばれることが、営業の醍醐味なんだな~って再確認できますよ。
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