タナカサトシ|マンガ編集

TL、BLから一般までマンガ編集を主な生業としております。最近は電子中心。太田出版エロ…

タナカサトシ|マンガ編集

TL、BLから一般までマンガ編集を主な生業としております。最近は電子中心。太田出版エロティクス編集長→宙出版メロメロ(BL)編集長→アイプロデジタル事業部→ヒーローズ編集長→小学館クリエイティブ何でも事業部→WeComix(独立して今ここ) wecomix.co.jp

最近の記事

電子書籍の配信料率について その3

間が空いちゃいましたが料率の件、3回目になります。 これでこの話題に関しては一旦打ち止めにしようかと思います。 ちなみに著作者人格権についても続けて書くつもりだったんですが、例の件の調査の報告が出た時点で、またあれこれと話題に上がると思うので、その時にでも書ければ。 それまでに著作権の基本書の該当箇所をザクっとでも読んでみることをおススメします。 著作権法は創作者の権利を守りつつ、それをどうやって多くの人にデリバリーしていくかという商業的な面も語っている法律だということが理

    • 電子書籍の配信料率について

      追記 最初に追記です。 少し余裕ができたので、 改めて落ち着いて書いたものを読む前に一言。 僕はこのテキストを業界の情報通みたいな顔をして 書いているわけでもなく、 これによってなんか商売に結び付けたり、 ポジションを取ろうとしてるわけでもありません。 本当にただ単に電子書籍の配信において、 過度な不公平な取引が行われていることを 多くの人に知ってもらい、 その不公正を少しでもなんとかしたいと 思ってのことです。 (間違っていたり、こちらが知らないことがあったら 正していき

      • 漫画の映像化とか料率の問題とか

        この二つはもちろん、全然違う問題なのですが、 最近話題になることも多かったし回を分けて書いてみようかと思います。 くじけたら、ごめんなさい。 料率は特に「その数字はどこから持って来たのよ?」 という数字が、出所が判然としないまま、 かつ立ち位置がよくわからない人が ザクっとした数字で語ってたりしているので、 大手から零細まで割と広くお仕事している人間として、 多少なりともリアルなところをちょっと書こうかなと。 (おそらく平均値で多分語ってると思うんですが、 格差と不公正につ

        • 2024年年頭覚書

          2024年年頭覚書散歩が好きで毎日一時間は犬のように街をウロウロする生活を続けております。 相も変わらず校正も構成もない駄文で恐縮ですが、本年もお付き合いいただければ幸いです(たまにしか書かないけど)。 的外れはどうぞご指摘ください。 その1.webtoonみんなでレベルアップの件 webtoonは次のフェイズに入るんじゃないですかね。 集英社さんの参入で、個人制作、費用あんまりかけない制作へ。 多分、漫画家さんの起用、個人制作が増えると思いますし、別にスタジオ制作でなく

        電子書籍の配信料率について その3

          「言った通りに直したじゃん!」について思うこと

          この件、かなり燃えてますね。 (もう沈下しました?) これについて書くと、 自身も類焼しそうな気もするんで怖いんですが、 なんかほっておくのも心がざわつくので、 自分の経験から思うところを ちょっと書いてみますね。 例のごとく、ダラダラと書いているので まとまりのないところはご容赦を。 (多分、多くの編集者は いい悪いは別にして、ままある話なので あんまり気にせずスルーしているかと思いますが…) ※あと、まだ見てない人はいい映画なんで、 「ハケンアニメ」を観て欲しいなと

          「言った通りに直したじゃん!」について思うこと

          祝!!「アフタヌーン」             四季賞大賞『応為ブルー』羽浪

          半分宣伝です。 「アフタヌーン」四季賞2022春 大賞を獲られた羽浪さんの 『応為ブルー』がとても良かったです。 現在無料で読めますので是非ご一読を。 新人らしからぬ出来栄えだと思います。 で、ここから先が宣伝というか作家さん募集です。 (これまであまりこういう募集のやり方はしてこなかったのですが WEBTOONの皆さんを見習って恥ずかしながらやろうかと) 現在、羽浪さんとは羽浪由惚(はなみゆほ)名義で、 5月配信のTL作品を準備中で、その最中での受賞で、 担当者とし

          祝!!「アフタヌーン」             四季賞大賞『応為ブルー』羽浪

          漫画回りの言論と情報の多様化

          いいタイトルが思いつきませんでした。 片手間ですいません。 昔はマンガ評論とかで いわゆるウルサ型みたいな人が 結構いたように思えるんですが 最近はあまりいないですよね。 いる? ウルサ型の人がいたほうが いいなあと思うのは 良くも悪くもみんなが避けたがる 問題を掘り起こしてくれるって事でしょうか。 (問題はないに越したことはないですが) 世の中に流れている情報の多く、 例えばリリースやちょっとした取材情報なんかは 大本営発表の色の濃いものもありますから。 なので今の

          漫画回りの言論と情報の多様化

          漫画雑誌のない世界

          紙の漫画雑誌のない世界が いつかは訪れるんだろうなー という想像をたまにします。 妄想系なんで。 実際、紙の漫画週刊誌が こんなにあるなんて 日本だけですもんね。(多分) もうずい分前になりますが、 アメコミのディストリビューターの ダイヤモンドの方と 本社のあるボルチモアで お会いする機会があったんですが (ボルチモアと言えばジョン・ウォーターズ!) その方が日本の何がスゴいって あの地下鉄とキオスク、 あれがあるから日本の 漫画は成立してるよね~ と笑ってました。

          今更ながらの自己紹介を。

          今更ですが、 ちょっと長めの自己紹介を、 色々言ってるけど、あんた誰なの? と思っている人に向けて。 漫画の編集者は基本黒子なので、 これまであんまり個人的な発言をする事は ありませんでした。 昭和の編集なんでSNS弱いし。 でも編集者に多少の発言に 多少の説得力があるとしたら、 やっぱりこれまでの仕事だよなと思って 経歴など、まずいところはすっ飛ばして ちょっと書かせていただこうかと思います。 (漫画家さんの募集もしておりますので ご興味ある方は最後をご覧ください)

          今更ながらの自己紹介を。

          デジタルの料率は親ガチャか?

          料率について ちょっと勢いに任せて 書き殴ってしまったような面もあり、 心をざわつかせてしまった 皆様には申し訳ありません。 これでこの件に関しては 一旦最後にしようかと思います。 繰り返しますけど、 煽り気味かもしれませんが 発展的な方向で書いております(つもりです)。 議論が起きればいいなあと。 とか言いつつも、きつい仕事も一つ乗り越えたんで またあえて 「料率は親ガチャか?」 とか書いてみます。 アプリさんや配信サイトさん、 それぞれの事情、言い分も 分かっ

          デジタルの料率は親ガチャか?

          「あなたはブンちゃんの恋」21話があまりに素晴らしい。

          「あなたはブンちゃんの恋」(宮崎夏次系)21話が素晴らしい。 ホントに。思わず人に言いたくなるくらいに。 「モーニング・ツー」5月号(もう5月かい!)の この作品がここしばらく読んだマンガで マイベストです。 あまりに素晴らしく、 何度も読み返してしまいます。 読んでもらうと多分、 分かると思うんだけど、 あるページが本当に素晴らしくて。 何なんだろうこの感じ。 一番近いのは切ないなんだろうけど うまく言えない。 WEBTOONがスピーディー読む、 ジェットコースター

          「あなたはブンちゃんの恋」21話があまりに素晴らしい。

          「新興ウェブトゥーン制作事業者を苦しめる王者「ピッコマ」の“取引条件”」を読んで。

          まずは以下の二つの記事を読んでいただけると。 目先の締め切りをおっぽいといてまでこの辺りについて 書こうと思ったのは、 「語って欲しいけどあまり語られない料率に関する記事」だったから。 ガラケー時代から電子配信に触って15年あまり、ずーっと料率に悩まされ続け、今なお悩まされている人間として、一言書いておきたいと。 15年の恨みつらみも入っているのでチョイ長くなりました。 締切を延ばしている仕事先の皆様申し訳ございません! でもこれはやっぱり書いておきたい。 ちょっと批

          「新興ウェブトゥーン制作事業者を苦しめる王者「ピッコマ」の“取引条件”」を読んで。

          やっぱキャラ立ては必要だニャン

          というわけで、昨日21日のスペースのWEBTOONのお話はすごーくタメになりました。(以下思いつくままダラダラなのでご容赦) その前のも聞いたけど、LOCKER ROOMさんのほうがよりね。 何と言っても飛び入りの レッドセブンの代表のお話が、まったくもって納得。マンガ編集者というか、お話作りに携わる人間として、ずっとWEBTOONの制作をされている方たちの言葉に感じていた違和感がスカッと氷解しました。やっぱそうだよねというのが正直な感想です。(聞いたかには分かると思いま

          やっぱキャラ立ては必要だニャン

          タテ読みとヨコ読み

          タテ読みとヨコ読みについてツラツラと考えてみました。 まとまり皆無なのはお許しを。 Webtoonの特徴として、 タテ読みというのがある訳ですが 制作にあたって、 そんなにヨコ読みと違うか? ということをしばしば考えるわけなんですよ。 長年ヨコのマンガを編集してきた身としては そんなに差がある?という気がしています。 今お仕事として、マンガを縦スクロールに 切ったものの校正の仕事なんかも 地味にやっているのですが、 面白いマンガはタテでも面白い。 ようは頭の切り替えな

          マンガの編集者本

          というのは、ありそうであんまりないんですよね。 ちょっと古いですがこれとか。ありそうでない。 「スタン・リー マーベル・ヒーローを創った男」はメーベルメソッドと言われる編集形態を作ったスタン・リーの編集者・ライターとしての話を経営者とアーティストとの確執も含め描いています。 これからスタジオシステムで編集をしようという人には参考になるのでは。 主に編集者における作家と経営との板挟みですね…。

          QJWebでのマンガ配信開始本日24日よりスタート

          ちょこまかとお手伝いをしていた、ウェブトゥーンの真逆とも言っていい、超ドメスティックなQJWebでのマンガ配信が本日より始まりました。 太田出版から出ている傑作が1話無料から連載形式で読めるサイトです。私が自社で担当させていただいている、にくまん子さんの「泥の女通信」新作21話もこちらで配信しております。 松本次郎さん、中村明日美子さんの弊社作品も配信されておりますがいずれも有料なので恐縮です。 「泥の女通信」は4話まで無料で読めます! 古屋兎丸さん、中村明日美子さん

          QJWebでのマンガ配信開始本日24日よりスタート