ふろの季節がきた。 と、肌で感じた。 仕事着を薄着に変える。 しつこい季節はふろがすべてを解決する。 しつこい。 梅雨と夏はしつこい。 残春も残冬も残秋も言葉として存在しないけれど残暑はある。 寒さは残らず戻る。 暑さはしつこい。残る。 キャラメルみたいに残る。 古びたガムテぐらいこびりつく。 入道雲が降らす雨はシャワーの類だと思う。世の中よくできている。 何もかもしつこくなる季節はふろだけが頼りだ。 そう思いながらふろ上がりに湯船を掃除した。 まだ涼しい夜がすすむ。
とろけるチーズがワンカップ200mlより高かった。 ほぼ100円高かった。 日々を3ケタで生きる私は目をひん剥いた。 目が落ちる可能性があった。 ヒトは動く。 だからか知らないけどヒトが考えたりすることはだいたい動くことだと思う。 ヒトが見る動かない絶対って、絶対におきる動きのことだと思った。 とろけるみたいに夜がすすむ。 夜がすすむと朝になる。
学生のころから休み時間は屋上やベランダで外の空気を吸いたくなる人だった。 集団が苦手で。 その点は今も変えずに生かしている。 自分がいる集団との距離のとり方って、上手くなって損はない。 今の職場の屋上がかなり素晴らしい。 まわりにたかい建物がないから見えるより広く、見えるだけ遠くまで見える。 雨上がりの晴れの日は富士山が映画のそれっぽく、くっきり見える。 人の世だ、といつも思う。 そんな屋上で。 で、色々あるんだろうな、と思って終わる。 色々ある内訳はあんまり追わないけど
動きを言葉にともなわせる。 と、いうなら動きにも句読点などあっていい。 一息つくって、動きの句読点になる。 動きの始めと終わりがしっかりしていると、頭の中の言葉もおのずとぶれなくなる。 今日はよくからだが言葉をなした。 今日は今日で明日は明日だから夜になる。 夜がすすむと朝になる。
もともと勝ち負けはさほど好きではない。 わざわざ勝負しなきゃいけないことは多くないと、今では考えている。 昔は単純に怖いだけだったが。 自分自身に対しても同じだと感じている。 自分に勝った快感も、自分に負けた悔しさも、さほど足しにはならない。 今、自分が見立てているよりも足しにならない。 死ななきゃ書ける、以外無い。 肝のすわった冷静さはそこからだと思う。 勝ちもせず負けもせず夜がすすむ。 夜がすすむと朝になる。
人を探すみたいに本を探す。 読み終わるまでの日常を過ごす人だ。 つらつらと書かれた本が良い。 非日常とか、人の心理の奥底とかえぐらなくていい。 喫煙所で見かけるあの人ぐらいの本がちょうどいい。 別に共感しなくても、そういうふつうの人がつらつら話しかけてくるような距離感。 そのままがそのままな関係がいい。 人を探して夜になる。 夜がすすむと朝になる。
雨とたばこの力を借りて考える。 できることをやりきるのがまだ下手だ。 どうあがこうができないことはできない。 できそうに見えたってそれだけ。 月曜は仕事が多い。 一番自分に冷静であった方がいいときだ。 が、真剣になればなるほど冷静さを失いやすくなる。 真剣になれるだけまだマシか。 と、息をつく。 夜になったら考えない。 陽のあるうちに考える。 夜がすすむ。 夜がすすむと朝になる。
手ぶらが好きだ。 手ぶらでいると立場が無い。 それがいい。 最低限ジャケットとかを着ておく。 貴重品も持っておく。 あたりさわりがなければいい。 立場が無ければそれでいい。 周りに反抗したいわけじゃない。 単に立場が無い状態がいい。 自分がいる場所が自分の立場でいい。 精神的にも、物理的にも。 手ぶらで帰って夜になる。 夜がすすむと朝になる。
とても根に持っていることがある。 根に持っていることにいらだつと冷静さを失う。 なので日記には書かない。つまらない。 冷静さをとりもどそうとすると、よりいらだつ。 この点にとても注意する。 まぁいいのだ。 今日の夕方はとてもきれいだ。 そう書いた方がいい。 きれいな夕方の日にいっぷくできている。 考えていることだけを書けばいいわけでもないのが日記で、 どちらかというと書いた方がいいことを書ける冷静さが要る。 夜がすすむ。 夜がすすむと朝になる。
日記を書く時間の長さは内容と同じだけ肝になる。 私としては。 自分をふにおとすことが日記を書くことだ。 自分に対して冷静さを失わないこともまた、肝になる。 長く書くときに散歩のときの冷静さが問われる。 短く書くときに高飛び込みのときの冷静さが問われる。 自分を使って思慮の深さと速さをみがくことだと思う。 幸か不幸か夜になる。 何を書こうが夜がすすむと朝になる。
草木のにおいがやたら濃ゆい。 肌にこびりつきそうだ。 どこに行くわけでもなく連休が終わった。 昨日の酒は余計だった。 時間があっても遠くへ行かない。 生活の変化が大きい分、同じ風景や時間が違うことに感じられている。 環境を変える必要がない。 遠くの地よりも自分自身が遠くて真新しいのだろう。 夜がすすむ。 夜がすすむと朝になる。
部屋の整理で一日が終わろうとしている。 けだるかったけれど、時間があるときにしっかりしておいた方が良い。 壁が決まった。 劣化が速まることを覚悟の上で壁に映画をぶら下げた。 壁が埋まるほどではないけれど、とてもたのもしい。 映画を観る。 同じ筋書きでも観返せばちがうことを考える。 だいじなことだ。 架空の人のことをかんがえる私が映画を観る。 生活のピースがそろって夜になる。 夜がすすむと朝になる。
朝になった。 今日は雨がふる。 よく寝たのでたばこがうまい。 気分は良いけど性格は悪いままだ。 たばこを3本巻いて外へ出る。 本当は1本巻いて、スペアの1本分の葉っぱがあるくらいが良い。 完璧よりも前進。 たばこを使って落ち着きたくなることなどが頭をかすめる。 夕方になって、家へ帰る前にたばこを買った。 最寄り駅に着いて、酒も買った。 自分が売れようが売れまいが何か買うことになると思う。 売ることを考えるには買うことを考えれば良いのに売ることし
朝になった。 睡眠不足だ。 昼のどこかでガタがくる、と予感しつつ朝をすごす。 朝ごはんを食べずに家を出る。 春はもう終わりだ。 余計なことをしない日だった。 思ったよりずっと平気にすごす。 部屋がかなりすっきりして、生活もすっきりしている。 すっきりしすぎてとまどいを隠せない。 何か落ち度があってほしくてわざわざ作ることがあるぐらいだ。 最近二日酔う原因のひとつ。 夕方がすぎて夜になる。 自分のほぐし方も変わった方が良い。 夜がすすむ。
朝になった。 休みだ。 時間がある。 という言葉はおかしい。 本当に時間がないのは死人か架空の人だけだ。 時間の中で生きるのだから生けとしいけるもの時間は必ずある。 コーヒーがうまい。 昼は部屋の整理をした。 牛の歩みよりゆっくりと整理する。 昼の下がる方が早かった。 酒を呑む。 ゲイリーオールドマンがやってるチャーチルと酒を呑む。 彼から言葉を借りる。 鍛錬として昼から酒を呑む。 呑みながら私を整理する。 誰にも私の時間を求められて
朝になった。 眠りが浅かったので身体と気が重い。 疲れているときにかぎって書きたがる。 というくせがあるので生活に集中する。 書かずに過ごすと、あっという間に日が暮れる。 土曜の夜だ。 にぎやかなスーパーで酒とつまみを買った。 帰って風呂に入り、決して呑めない身体ではなかった。 久しぶりに呑みながら書いてみた。 土曜の夜だから、と。 でも書けなかった。 書けない。 先々週あたりから曜日をここに書くことをやめてみた。 今、本当に自分が曜日から離れていることが