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台湾ひとり研究室:取材メモ編「台北国際ブックフェア、大盛況で閉幕。」

2024/2/20-25に開催された「台北国際ブックフェア」、最終日にようやく会場へ行ってきました。

週末で、とにかく人、人、また人! ここは東京かと思うくらいの人出と熱気を感じました。公式発表によれば参加者数はのべ55万人! 1日あたり約9.2万人が参加した計算。多いと思った!

ひと言でいうなれば「本にはまだまだ希望がある」と感じられました。さまざまな試みがなされていたので、ざっとピックアップしてみます。

メインのイベント開場。スペースには椅子もあるけど、立ち見もOK(撮影筆者)

✔️実質、入場料無料

 交通系ICカードで入場可。とにかく入場のハードルが低い。入場券は支払い時に割引してもらえるチケットになり、実質無料になる仕組み。

✔️イベント目白押し

 大小のスペースで読者が集まる場を作っていて、どこも賑わっていた。書き手と読み手の垣根がとても低く感じた。

✔️イベントはプラカードで告知

 場内で何度もプラカードを掲げた人とすれ違う。看板はずばり、イベント告知。会場にいる人たちを呼び込もう、という工夫がよかった。

✔️購入割引

 年々、本の価格は上昇していて最近の体感アベレージは400-500元(2000-2500円)。ただフェア開催中は版元ごとに割引を敢行。場内には宅配サービスも用意されており、希望者で長蛇の列ができていた。

✔️夜10時まで開場

 開催期間中、会場は夜10時までオープン、最終日も日曜夜8時まで。版元の方々はさぞかしお疲れだったことと思いますが、仕事帰り、学校帰りの方たちも足を運びやすい環境を整えていた。

フェア各賞の受賞作品の展示コーナー。手にとって見られるって大事(撮影筆者)

出版業界は斜陽産業だといわれますが、実店舗の書店が厳しいのは台湾も変わりありません。今年で来台11年、あるいは過去イチで「実物の本を手に取る」という体験が提供されることの意味を感じたように思います。やっぱり紙の本を手に取る、そして重さを感じるって大事だよなあ、とつくづく思いました。地味だけど、そういう体感が体験を形づくるし、ひいては文化、カルチャーになるんですよね。

今年、1冊新刊を予定している身としては、大いに元気をもらって帰りました。関係者の皆様、お疲れさまでした!

台北書展2024結束了! 上週忙碌完的禮拜天才去過書展,雖然在台灣十一年的我參加過好幾次,但這次才是讓我覺得「書還有希望」,實體書還是有力量! 出版業的朋友們真辛苦了!我們繼續一起努力吧!

勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15