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農薬の弊害

スーパーで売られているほとんどの野菜や果物には農薬が使われています。丁寧に洗えば大丈夫と考えている方も多いと思いますが、水溶性で無味無臭な農薬は野菜や果物の中にまで吸収されます。だから、どんなに丁寧に洗っても完全に落とせるものではありません。

農薬は虫の中枢神経に働きかけ、過度に脳を興奮させて殺すのですが、虫と人間の中枢神経と脳の構造は同じなので人間の脳にも影響を与えます。1回の摂取量はわずかでも、農薬は私たちの体の脂肪などに蓄積されやすいので体内に溜まってしまいます。農薬が体内にとり込まれるとホルモンバランスが崩れ、頭痛、吐き気、めまい、不眠、記憶障害、発癌など様々な弊害がおきます。 

農薬の使用量は地域によってまちまちです。有名産地として安心安全な栽培を唱っていたとしても、本当に大丈夫なのでしょうか。たとえば、ある有名なキャベツの産地では平均39回散布しているのですが、キャベツの産地としてはあまり知られていないある県の旬の時期の平均散布数は4回。有名なブランド産地の野菜だからといって、決して安心はできません。有名無名に惑わされないで、本当に安心できる農作物を選びたいものです。

また農薬といえば田畑で使用するものと思いがちですが、私たちの暮らしのまわりにも農薬と同じ薬品を使った製品がたくさんあり、人間の体や環境に大きな影響を与えます。ゴキブリなどの害虫を退治するための殺虫剤や洋服ダンスに入れる防虫剤、外や玄関口に吊り下げ型の虫除け、それにペットのノミ・ダニ駆除薬も農薬と同じ成分です。さらに驚くことに、床のワックス剤や精神科の薬にも同様の成分が含まれています。

農薬はきれいに表面を洗ったところで
落とせるものではないのです。
体内に入ると蓄積して、将来大きな弊害が。


*イラスト:秋山菜穂
  画像の無断使用はご遠慮ください。

*この文章は、2013年にmille booksより刊行されました、たなかれいこ著「食べると暮らしの健康の基本」より抜粋し加筆修正したものを、mille books藤原さんのご厚意で公開しております。


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