shizen見出し

自然に触れる

私は長野県蓼科で、趣味で自然耕による野菜作りをしています。東京と蓼科の畑を往復する生活をはじめて20年ほどになりますが、一向に飽きることがありません。

都市部で生まれ、東京での暮らしも50年ちかく、それに土アレルギーで虫が大嫌いという元々は自然とは縁遠い私ですが、ファームに立つと心がうきうきしてきます。ときどき蓼科通いがなければ仕事がもっとスムースになるのにと思うこともありますが、東京では得られない満足感や幸せ感があり、やめることができません。

3時間かけて畑に通うのは正直大変ですが、東京だけで仕事をしていたら今頃はきっと、心も体もボロボロになっていたのではないかと思うのです。ファームをはじめてからは、バタバタと日常に追われる生活とは違う、ゆったりとした時間の使い方ができるようになりました。東京にいてもゆったりしようと、生活や仕事の仕方を自然と修正している自分に気がつきます。 

私のオフィスは電場、磁場がバンバン飛び交う東京都心部にあります。農閑期で東京にいることが多くなると疲労を感じるのですが、畑通いをしている時期はあまり疲れを感じません。期せずして、畑作業や森の中で暮らすことで体にたまった電気を放電し、バランスを保っているようです。

都会では日常的に自然に触れることは難しいですが、できる範囲でその機会を作って欲しいと思います。休日は緑の多い場所に出かける、ベランダで植物を育て野菜や葉っぱに触れる、旅行をするなら自然豊かなところや海に行って砂や海水に身をまかせるなど小さなことからはじめてみてください。

自然の中でゆったりすごすと、
都会暮らしの疲れがとれるだけでなく
体にたまった電気を放電できます


*イラスト:秋山菜穂
  画像の無断使用はご遠慮ください。

*この文章は、2013年にmille booksより刊行されました、たなかれいこ著「食べると暮らしの健康の基本」より抜粋し加筆修正したものを、mille books藤原さんのご厚意で公開しております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?