湖看板しん

Hollolaへ

バスの車窓から見える現実と妄想を行ったり来たりしながらノンストップで揺られること1時間半。ラハティのバス停に到着だ。

バス停では今回の旅の仲間、プロデューサーで画家の関根ちかさん、画家の白水麻耶子さん、詩人のカニエナハさん、そして今回泊めてもらったフィンランドの画家アスタ・プルッキネンさんが待っていてくれた。

みんなに簡単な挨拶を済ませて、ここからはアスタさんの車で移動した。アスタさんのアトリエがあるホーロラまでは30分くらいかかるらしい。アスタさんの愛車はシトロエンのpicaso、画家が乗るのにぴったりな名前の車だ。

この旅で、もしかしたら運転することがあるかもしれないと日本で国際免許証をとっておいた。ぼくの免許はオートマ限定だ。

ぼくの年齢でオートマ限定を選ぶ男子はなかなかいない。今ではオートマ車ばかりだけど、昔は限定免許はかっこ悪いとされていた。

女の子を助手席に乗せてギアチェンジをスムーズに変えるのがかっこいいのだ。片手でくるくるハンドルをさばいて、間違ってもぼくみたいに忠実に10時10分になんてしない。駐車する時に左手を助手席に置いて、無理な体制でバックするのだろう。ぼくが車でモテることはなさそうだ。

そもそもぼくは車の運転にあまり興味がない(車は好き)。だいたい注意力が足りないのだ。妄想癖がひどすぎて、自転車でも電信柱に2回ぶつかっているし、車にもはねられているし、顔面からコンクリートに落ちて歯をおったこともある。自動車ならどうなるか考えただけで恐ろしい。

できれば助手席に座りたい。助手席でアイスでも食べていたい。ガムの包みをはがして運転手の口に入れてあげたい。たまに眠ってしまいたい。窓から顔をだしてあ〜って言っていたい。

幸いアスタさんの車はマニュアル車だ。ぼくが運転することはなさそうだ。

バスからの景色とは違い、どんどん田舎道を行く。細い道路に広い草原と空が車を透明にしてぼくの体を通り過ぎていくようで、とても気持ちよかった。血液までさらさらになったような気がした。車内では自己紹介や明日のスケジュールなどの話をした。みんなの空気が優しくて、旅が何倍にも楽しくなりそうだった。

アスタさんのお家は、Hollolan kirkonkylänという古い教会のそばにあって、観光客が立ち寄るくらい有名だ。道に看板も立っている。

Ateljee Asta Pulkkinen

アトリエとギャラリーとお店と自宅があって、とてもおしゃれでフィンランドの雑誌などにもたびたび取り上げられていた。ぼくはしばらくアトリエにお世話になる。ここだ。

かわいい・・・ちなみにこの写真は深夜12時くらいに撮った。白夜なので夕方くらいの明るさが夜も続く。そして午前3時には朝日が登ってくる。ぼくは窓のあるロフトで寝ていたので眩しくて起きてしまう。ショートスリーパーでよかった。

室内の本棚には見たことない画集や写真集がいっぱいで、ここに1ヶ月くらいこもっても平気だと思った。雰囲気がすごく素敵だったのでこっそりアー写を撮ってみた。精一杯背伸びしてかっこつけたので見てほしい。

セルフタイマーでかっこつけてるとめちゃくちゃ恥ずかしいね。笑

さあ、楽しいフィンランド生活の始まりだ。



つづく・・・


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