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#人生を変えた出会い

旅が楽しいのはきっと、帰る家があるからだ

「遠くへ旅をしたね。よく帰ってきてくれたね・・・」 1945年、デビッド・リーン監督の映画「逢びき」。 夫以外の男性に心を寄せ幾度かの逢瀬を重ね、けれど一線を超えることなく終わりを迎えて家路に着く。 そんな主人公へ、ラストシーンで夫が言ったセリフだ。 ほとんど映画を見ない、昔のことはあまりよく覚えていない私が、テレビの深夜放送だったこの映画をはっきりと覚えているのは、主人公の在り方に自分を見出したからだと思う。 「帰る家があるからこそ、旅が楽しい」。 他人のことは分から

礎(いしずえ)

大学時代、とある教授の授業は必死に聴かねばならなかった。海外の最先端の論文を解説していたので、図書館や書店で専門書の該当箇所を見ても、「現在解明中である」としか書かれていない。おまけに、語りは日本語だったが、板書はすべて英語だった。必死に成らざるを得ない。 それでも、その分野にとても興味を持った私は、4年生で卒業研究室を選ぶ時にその教授の研究室にした。 「お金が無いと、いい研究が出来ない。でも、いい研究をしないとお金が入ってこない」と言っていたその人はしかし、研究の為の実