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JULA出版の金子みすゞ全集 酷い 『色紙』編

JULA出版から出ている金子みすゞ全集は、現在3種類あります。
A:最初に出版された旧全集(3冊)。写真右側の白い本。
B:みすゞ生誕100年の時に出版された新全集(各巻を上下に分け、6冊に)。写真左側の本。
C:昨年、512編を1冊にまとめた最新全集。↓

『色紙』という詩を例に、どう酷いのかを検証したいと思います。


Aの本文では、童謡が大流行していた当時、みすゞが投稿して掲載された『童話』という雑誌の大正13年3月号の表記となっています。

そして別冊付録(タイトルバックの画像、白い本の一番左、薄い冊子)の解題には、みすゞが命を絶つ前に手帳に清書した遺稿の表記。

遺稿では2行目の【淋しい】にルビはないのです!!!

ところが、編集方針を変えて、一律遺稿の表記にしたというBの全集では…

【淋しい】に【さびしい】とルビがあります!!!
さらに、昨夏2022年に出た最新の全集Cのルビは…

【さみしい】となっています。

BCでは、遺稿にはないルビがふられ…そのルビですらBとCで違うのです!!!


さらに、さらに、Bでは、版によってルビが違うという、とんでもない状態になっています!!!


金子みすゞの詩集は、JULA出版以外からもごしゃごしゃ出ています。

それらが、どの全集を底本としたかで、同じ作品なのに表記が違うというとんでもないことになっているのです!!!

私は、JULA出版の【判断】の付されていない、みすゞが書いた通りの遺稿手帳を写真製版した全集が欲しい。
単純に事実だけを知りたいのです。

命を絶つ前に清書をした遺稿、それがみすゞの最終的な意思だと思うから。


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