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金子みすゞの生れ故郷・仙崎 取材レポート⑨鯨法会の巻

今回の取材の1番のミッションは、鯨法会に参列することでした。

みすゞが詩に書いた行事だから。

日本で有数の捕鯨基地だったこの地では、今でも毎年、浄土宗では鯨回向、浄土真宗では鯨法会が営まれている。

3ヶ寺の持ち回りで今年は西覚寺さん

みすゞは熱心な真宗の門徒だったと言われている。

その回路が自分の中に開かないと、みすゞの心の奥底に降りてゆけないような気がして…

法要の後の御法話は、思わず涙するほど胸に沁みるものだった。

…と思ったのも束の間、金子みすゞについて「夫が酷い人で詩作と詩友との文通を止められ離婚後、酷い夫から娘を守るために自殺」という文脈で方丈様が語り始めたのだ。

「ちーーーがーーーーうーーーーー!!!」と心が叫んでた。

世間のほとんどの人がそう思ってるけど。

権威とされているあの方が『金子みすゞの生涯』という本に、そう書いちゃったから。

でも、違うのですよ!!!

もうほんっとーーーに自説と事実は、ちゃんと区別して欲しい。

この本のために、みすゞの元夫側の方々が、どれほどの迷惑を被ったか!!!

ご親族は「ああいう書き方をするのなら事前に見せて欲しかった」とおっしゃってます。

元夫はすでに亡くなってますが、息子さんご夫妻は「死後の人権」について、弁護士に相談したことまであるのです。

もうこれは、人権、人道上の問題だと思います。

反論の場のない者を、一方的に悪者にするなんて!!!

だって、みすゞの娘のふさえさんは、みすゞの死後、紆余曲折を経て、結局元夫が引き受けたのですよ。

ふさえさんにとっては父ですから。

そこには親子としての当たり前の生活があったのです。


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