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【雑記】 『天元突破グレンラガン』鑑賞中間報告(ロシウについて)

ゆっくりゆっくり進めてきた『天元突破グレンラガン』の鑑賞はようやっと17話に差し掛かったところ。16話に総集編を挟み、15話と17話の間には作中の時間軸で実に7年もの月日が経っている。シモンたちは大人になった。OPでしょこたんは2番の詞を歌っているし、作中のフォントもゴシック体から明朝体に変わった。そして本編開始早々、私は一時停止ボタンを押すことを余儀なくされる。

すべては、大人ロシウによって狂わされた。

気づけば『金魚王国の崩壊』のカホのようになっていた。ウォゥ~と虚しく吠えることしかできない。OPですら3回巻き戻して見たのだ。そしてやってくるロシウの第一声。斎賀みつき大先生が百点満点の成長を遂げた大人ロシウに変わらず声を当ててくださっていることに感謝して膝から崩れ落ちた。こういう、いかにも主人公とは馬が合わなそうなキャラに私はめっぽう弱い。さらにいえば少し大人びた、しかし相変わらずのいいおでこ、いいまゆげ。そうしてロシウが画面に映る度いちいち停止して、ふうと一息つくものだから開始14分でスタミナを使い切って、また明日にしようとリタイアした。

いかにも主人公とは馬が合わなそうなキャラ、というのをもう少し詳しくすると、主人公とは明確に違う背景と信念を持っているけれど主人公と同じように頑張っていて一生懸命なキャラ、といったところだろうか。「彼は彼なりに思うところがあって、常にそのときの彼なりの最善を尽くしている」状態がものすごく好ましい。革命家気質の人間たちが事務仕事に向いていないというのは物語で良くみる光景だが、そんな体制の中ロシウは一人でかなり背負っているし、かなり苦労しているとみた。だからまだ全然見てないけど、ロシウもこのタイプに該当するような気がする。

そして、もしこのルートならば苦悩の果てによくないことに手を出してしまっているとかでも展開としてはおいしい。ちょうど『ヤクザと家族 The Family』の北村有起哉の役どころのような"弱さ"の描き方が理想かもしれない。

などと考えたりして。

自分の想像力にここまで揺さぶりをかけてくる作品だったとは、つい16話まで思いもしなかった。これまで、至って穏やかに観てきたのだ。『プロメア』のときのような怒涛の熱量に巻き込まれた前のめりな鑑賞に比べれば、確実に一歩二歩引いた鑑賞態度だったといえるだろう。特定の登場人物に感情移入したりすることもなかったし、ロシウなんてそれこそ「グットルッキングオデコ」くらいの認識でそれ以上でも以下でもなかった。

ところがこの有様である。2クールの作品はこれだから恐ろしい。続きを観るのが楽しみであると同じくらい、怖い。


【おすすめ図録】
唐突に本を薦めることで、今日の日記の〆といたしましょう。この本の背表紙はタイトルでもなんでもなく、なんと大胆にも「『グレンラガン』『キルラキル』『プロメア』を作った男」です。パンストのページもあります。最高ですね。ぜひ。


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