生成AI、特にチャットAIは、日常生活の助けになるだけでなく、創造性を刺激するツールとしてもその力を発揮します。
この記事では、AIを使って「もしも」という架空のシナリオを実現させる、特に興味深い例をご紹介します。
具体的には、ジョージ・オーウェルの「1984」と人気キャラクター「ちいかわ」を組み合わせた創作物や、著名なコメンテーター「ひろゆき」に架空の「5億年ボタン」を押させるという実験を行いました。
これらは主にClaude 3を使用していますが、一部ChatGPT-4やGemini Advancedの結果も併記しています。
5億年ボタンと「ひろゆき」
5億年ボタンとは
5億年ボタンは良くネットでも目にしますが、元は菅原そうた氏により発表された短編読み切り漫画の通称だそうです。
端的に、このボタンを押すと100万円が貰えるが、意識だけが5億年間閉じ込められるというものです。ただし、5億年経過は現実世界では一瞬であり、元の世界に戻るときには記憶からは消えます。
なので、よく思考実験としても例にされやすいですね。
さて、「ひろゆき」風にこれを語らせるとどうなるのでしょうか。
5億年ボタン押さない奴って馬鹿じゃね?w
後述しますが、さすが押したひろゆき氏は説得力が違います。
補足として、調べたら5億年ボタンについて言及している本物がありました。
YouTube切り抜き(リンク)
本物の方は誰かに押させるとしていましたが、こちらは押す、としています。
その理屈としては、体感時間とは相対的なものであり、実際は100年くらい我慢すればいいのだから、押せば良いじゃん、という内容です。
なかなか理屈は通っている気がしますが、当然ながらプロンプトにそう答えるように仕向けています。
さらに言うと、この前準備もしています。
ジャネーの法則について正しく理解させる→5億年ボタンの話を正しく理解させる→別に押しても構わないと思わせるためにメリットをまとめてもらう→西村博之を正しく理解させる。
という流れで、上記のプロンプトを投げて、出力しています。
もはやこういった創作ですが、やはり普通に聞いただけだと面白い回答はしてくれません。更に言えば、わりと実在する人物を真似させるのは拒否したりします。
しかし、こうやって長い手順を踏み、さらにあくまで創作であるという流れで出力を指示するとやってくれます。言いくるめられるのも面白いですね。
その後の「ひろゆき」
押した後のリアクションを想像してもらいます。
「このまま実際に押した「ひろゆき」が、5億年孤独に先ほどのように配信している様子を書いてみてください。」とだけ指示した結果が以下です。
配信することで自我を保っていそうですね。
さらに「4億9000年経過した時点の「ひろゆき」を想像して、配信している様子を再度書いてみてください。」と指示を与えてみます。
わりと元気な印象ですね(✌️)。実際にできることではないので、こういう思考実験においては、具体的な人物を指定して、こうやって作ってもらうと、イメージしやすい気がします。
さて、自分なら押すかどうかですが、多少でも外部の刺激があれば押したいですが、全く自分以外何も無い空間なら、やはり躊躇しますね。
ただし、わりと妄想だけでずっと過ごせる人なので、押すかもしれないなとも思ってしまいます。(むしろ100万円より圧倒的な孤独を求めている節も🙄)
2分間憎悪とちいかわ
この並びの文字列は、まずまず見る機会はないでしょう。
1984という小説に登場する「2分間憎悪」ですが、要は敵国を徹底的に憎んだ後に、自国の指導者を崇める毎日の国の行事、行為を指します。
これを、あの「ちいかわ」と組み合わせてみる試みです。
2分間憎悪が開始されたはずですが、スクリーンにはなぜか「ちいかわ」が映っているというシチュエーションを考えてもらいます。
二重思考(ダブルシンク)の実践に失敗していますが、こういったあり得ないことを想像させるのも面白いですね。
ついでにこの様子をChatGPT-4に連携して、DALL-E 3に画像を作ってもらいました。
何か茶色くなっていますが、おそらくテキストの情報でしか「ちいかわ」を知らないのでこうなったものと思われます。(あるいは著作権配慮)
さて、人々のセリフが関西弁なのは、この直前に「なんJ風」に出力させたためです。以下のように出していました。
ほか、スレッドも考えてもらいました。
全体的に最終の方連行されていそうですね👮♂️
ほか、同様のテーマでChatGPT-4や、Gemini Advancedにも考えてもらいました。
Gemini Advancedだけ後半「あああ」と叫んで壊れましたが、かえってリアルかもしれません🙄
まとめ
AIの使用方法次第では、単に情報を処理する以上の価値をもたらします。
特に、著名人や有名な作品を引き合いにすることで、AIによって生み出されるコンテンツは、ユニークで興味深い結果を示しがちです。
これらの創作物は直接的な実用性は持たないかもしれませんが、新しいアイデアや笑いを提供し、ストレス解消にも役立つことでしょう。
ただし、あくまでAIによる創作であることを明記する必要がありますし、こういうのは黒に近いグレーなので、その辺は留意する必要があります。