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Mo#39 結果発表「薄」

Tanka Place Moでは
新月と満月の日に歌会を更新しています。
今回は「薄」の短歌への投票結果とコメントを発表いたします。

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1.
肉食の幼虫時代をつゆ見せず儚げに飛ぶ薄羽カゲロウ
南さよ 5点

福良 椋(ふくら・むく)「「幼」と「老」の対比が見事。」1点
冬不純黄昏「暴力性と脆弱性の対比を綺麗に感じました。儚いカゲロウの腹に目一杯詰まった白い卵が、どこか恐ろしいです。」1点
乙女「技巧を凝らさず素直に詠っているね。」1点
さゆりん「カゲロウを見つめるやさしい歌だと思いました。虫の生態を丁寧に美しく詠まれている歌だと思います。」1点
陀弥阿「カゲロウの短い寿命が、羽の透き通る薄さから覗けてしまう様な。良きですねぇ。」1点
田中大貴「水に卵うむ蜉蝣(かげろふ)よわれにまだ惡なさむための半󠄁生がある/塚本邦󠄂雄(『裝飾󠄁樂句』「惡について」)という歌があります。」
花曇り「生きることの現実と儚さを薄羽カゲロウで表現しているのかと思ったが、"つゆ見せず"がやや強く対比よりもギャップに意識が向いた。」
猪之丞「蟻地獄を見ると何故か安倍公房の「砂の女」を連想します。状況を詩情に変換するもう一工夫が欲しいと思いました。前回に続き、議論の活発化を目的として掲出全歌にコメントを申し上げます。」
南さよ「3時間とも1週間とも言われるカゲロウの命、精一杯に大空に飛べ!」


2.
とつぜんの
 薄暮のキスの
  ひとしれず
ほほの火照りの
夕焼け隠す  

ゆめこ 5点


冥王星族「おそらくは初恋の初KISSではなからうかと想われます。其れを色濃く鮮明てもありながら淡く表現されたかと思いました。」3点
猪之丞「戸惑いや高鳴りが伝わってきます。色も鮮烈で印象的。読むと火照ってきます。状況の説明よりも気持ちの表現に比重を増してほしい。突然キスされて、真っ白になって、「モウッ」って少しむくれて、でも好き好き、もう一回キスして…どんな気持ちになったのか、実況中継する様な感じでお願いします。」1点
すーさん@ヘタレドライブ「景色の色が、はっきりと浮かぶ!温度さえも!」1点
田中大貴「短歌を分かち書きにしていてリズムが生まれている。しかし、そのリズムは短歌固有のものと重なるので、それをズラしたり壊してみてもいいのかもしれない。また、表記された全体が夕焼けのかたちをしていることに気がつく。」
花曇り「助詞「の」を繰り返すことでリズムよく読むことができる。使い方として違和感があり、結果そこだけ印象に残った。」
乙女「ほほの火照り「を」夕焼け「が」隠すのではないかな? もうすこし締めたい。」


3.
薄い記憶は燃えている義務なんて幻だよと影は嘲る
猪之丞 2点

アーイ・アイ 1点
さゆりん「遠い昔になった子供の頃を思い出しているようです。義務教育なんてクソだと思っている当時の自分に対して、過去の一瞬だと。
でもやっぱり今も何かの"義務"があり、何か"影"に笑われている、考えさせられました。」1点
南さよ「薄い記憶とは何だろうと思った…」
花曇り「抽象的な歌だけど雰囲気がある。「義務なんて幻」が好み。」
乙女「分かったようでいまいち分からないなあ。」
猪之丞「誰でも過ぎた事を思い出してアレコレ思い悩む事はあると思います。時間を消費する割に、無駄。もっと合理的ならグイグイ前に進めるだろうに… そんな気持ちを見付けて詠んでおきましたけれども、短歌ってどうすれば良いのかよく分からなくなってきました。」


4.
血圧の
高い主人を
いたわって
薄口薄味
いい奥さんでしょ?
しゅくるん 1点

猪之丞「はい、いい奥さんですね。夜、電気を消したら、濃い目に味付けをしてあげて下さい。残念ながらご主人の血圧は下がらないと思います。はい。」1点
田中大貴「たまには濃い口の晩ごはんが食べたくなるよ!奥さん」
花曇り「薄口薄味でほんとうに薄〜い味付けなんだろうと想像しつつ。結句がコミカルで面白かった。」
乙女「自画自賛もほほえましいよりも、旦那の味覚破壊が進行しそうだよ。」
しゅくるん「ほんとはそんないい奥さん
ちゃいますけど( ̄∇ ̄*)ゞ」


5.
薄氷の上の暮らしと思い知る災害はいつ何処でも起きて
花曇り 2点

花曇り「この星のひずみは今も広がり続けていることだろう。」
福良 椋(ふくら・むく) 「本当に。気づかされる日常の無情。」1点
しゅくるん「地震この頃多いしわたしたちは薄氷の上にいるのかもしれませんね。」1点
乙女「素直に現実の人間のありようを詠っているが、なにか隔靴掻痒を感じる。もっと爆弾を落として詠ってもいい。」
田中大貴「それを知っているひとは世界に対してやさしく在ることができるのではないだろうか。」
猪之丞「人間なんて、次の瞬間どうなるか分かりません。できれば幸せでありたいけれど。何気ない一瞬に圧縮された詩も見付けたいですね。」


6.
ニュートンの林檎のように気がつけばいいはずなんだ  薄い平和に
さゆりん 5点

純「それだけのことですら世紀の大発見である日常。字空けがよい効果を与えてると思います。」2点
陀弥阿「詠んだ瞬間なんかグッと心を掴まれたものがあったので一票を。」1点
シモムラ アキラ「米国に守られている薄い平和」1点
ゆかり「夫婦関係や恋人との関係、などの倦怠期を想像しました。薄い平和になってしまっている理由は双方にあり、また薄い平和でも保たれているのは双方の努力である、という感じに読みました^ ^」1点
花曇り「ミサイルが飛んでくるなんて思わないよな。根拠なき平和を過信しているかもしれない。」
乙女「哲学がある。平和と言う言葉の薄っぺらさをもっと自覚しろと言っている。日本人は薄っぺらい平和に飼いならされている。ひりひりとした一触即発の日常も、滴るような毒をもって待ち構えているんだな。」
猪之丞「地球に帰還した宇宙飛行士は、重力を忘れているらしい。みんな重力で地球に張り付いている仲間なんだけど。当たり前に物事を見ない癖も付けてみたいです。」


7.
いちにんの殺意を深くいだく身にブラディ・マリーまだ薄すぎる
乙女 5点

南さよ「目の前に赤黒い血が広がる。誰にでも殺したい人がいます。歌の展開が面白い。」1点
田中大貴「あなたには血よりも濃いカクテルを差し上げます。」1点
花曇り「殺意とブラディ・マリーの濃度の対比が面白い。どの濃さなら釣り合うのだろう。」1点
さゆりん「濃厚なサスペンスドラマのような歌だと思いました。
血のようなカクテルに愛憎を反映させていて、カクテルを効果的に詠まれている歌でした。」1点
ゆかり「いちにんは一人なのか一任なのか、どちらもなのかもしれない。この殺意をどう扱うかは主体の手に委ねられているというふうに読みました。ブラディ・マリーでも薄いとは結構強い気持ちなんですかね^ ^殺意とよく響き合っていると思いました。」1点
猪之丞「ゆっくりと6秒間深呼吸してみましょう。短歌に殺意とは意外な言葉の組み合わせでした。酒もほどほどに。」


8.
寝室の壁にうっすら染みのあり君が初めて激昂せし夜
陀弥阿 4点

斎川都「そこから広がっていく暗いもの…」1点
福良 椋(ふくら・むく)「な、何があったの?」1点
南さよ「血を拭き取った跡か投げつけたグラスの中身か、薄くなったシミに時間の経過と心の傷が読み取れた。」1点
純「家庭での大きな事件を、落ち着いた文体で描いて、その出来事がしばらく前であることを、作者と一緒に振り返ってる気持ちになります」1点
田中大貴「〈寝室〉がこの歌の要点です。」
花曇り「何かがあったのだ。(それが何かはわからない。)」
乙女「怒って壁にげんこつ食わせたのかな?・・これは男。女だったら寝室だものね、激高は・・言えません」
猪之丞「寝室と言う言葉には必要以上に濃密で淫靡な関係性を感じてしまいます。派手に喧嘩したのですね。その後どうなったのだろう…」
陀弥阿 「母親は気性の荒い人で、自分が小さい頃に夫婦喧嘩をした際、茶の間の壁に醤油が飛び散って染みになった。それから自分が成人になって家を出て、帰省してもずっと薄くそれが残ってたのを思い出して作りました。」


9.
薄っぺらい自分の歌に嫌気さし薄暮の街を彷徨い歩く
シモムラ アキラ 1点

シモムラ アキラ「スランプです。せめてテクニカルに韻を踏んでみました。」
アーイ・アイ 1点
田中大貴「歩いていると自分の歌が少しずつ詠めていくとおもいます。」
花曇り「気持ちはよくわかる。けど、あえて歌に詠むなら「自分の歌に嫌気さし」を(創作でも)別の何かに変えた方が物語になると思う。」
乙女「永遠のテーマのように歩いてゆくしかない道。薄っぺらいのも一つの武器として開き直っているよ私。」
猪之丞「この会が、歌会且つ短歌教室であれば面白い。結果発表後は将棋みたいに感想戦、あるいは談話室など意見交換の場を設置したらどうですかね。ならばさまよう暇も無いでしょう。どうしたら厚みのある表現になるのだろう。」


10.
推し発信「我慢禁止のダイエット」
春服映えて成果あらわる

無名の歌人 
あふろひめ 3点

無名の歌人 あふろひめ「ストレスは逆効果!
この方法推しです!
私はいつの間にか3kgの減量に成功☆
春服で薄着になったら
きっとみんな気づくはず(笑)」
猪之丞「一番春っぽくて軽やかで、好印象。「推し」に女子を感じます。この歌の場合、薄という言葉を使わなくて正解かも。自己一致度が高い感じがします。」1点
シモムラ アキラ 「はやり言葉をうまく短歌にしている」1点
すーさん@ヘタレドライブ「推しの一言で、心構えが変わることある。心も衣替えするような。」1点
田中大貴「春の成果は喜ばしいですね🍀」
花曇り「助詞抜きが気になる。情報を詰め込み過ぎている感じ。」
乙女「意味が一つわからない。ダイエットするのに我慢禁止したら、ダイエットなんて意味がなくなってしまうじゃん?その結果お肉のボリュームが増えて逆効果じゃないの?」


11.
今年こそ咲くやこの花薄紅のあなたと同じ名前の命
アーイ・アイ 1点

無名の歌人 あふろひめ「同じ名前をつけて大切に育てたお花が咲くのね!キレイな色のお花。」1点
田中大貴「期待がまぶしい。命と名前は繋がっている。」
花曇り「あなたと同じ名前の花が咲くのを待ち侘びている、と読んだ。」
乙女「今を春べと咲くやこのはなの名前を持つ人を知ってるのでこのお歌の人も同じ名前かなあ。」
猪之丞「「咲くやこの花薄紅の…」上の句の音韻がクラシカルで面白い。下の句もクラシカルな調子にして欲しい。謡をはじめ私は七五調大好き派です。一部の短詩団体では七五調を忌み嫌っていますが、私は和語の音韻を考えれば七五は日本語に調和していると思います。」


12.
轟音を浴びた身体はりーいぃーと耳鳴りだけは残っているの
純 2点

田中大貴「りーいぃー。」1点
無名の歌人 あふろひめ「「鼓膜=薄い!!私は昔HEY!HEY!HEY!の公開収録へ出かけ「轟」なんと!まさにこの字が使われてた回で鼓膜驚いた記憶……だから直ぐ繋がった!」1点
花曇り「テーマを読み取ることが出来なかった。ライブ後の耳鳴り??」
乙女「はやぶさが轟音を残して風巻いてかたわらを過ぎていったようなお歌。「耳鳴りだけを」がいいなあ。昔は乗り鉄でした。懐かしい。」
猪之丞「何の音だろう?耳鳴りがするほどの音とは…。自分なら「耳鳴りがキィーって心を引っ掻いているの…」と言うかもしれない。」
純「バンドのライブを観た後につくって、実際に次の日の夕方くらいまで耳鳴りしてました。」


13.
びいどろの底がぱきゃりと壊れた日姉が遠くへ行ってしまう日
斎川都 7点

花曇り「言葉の組み合わせが秀逸。「ぱきゃりと壊れた」の表現に独自性があり、びいどろの薄いガラスの脆さと続く下の句から作中主体の内面をも表しているようだ。上の句と下の句の間にスペースを入れると読みやすい(空虚感もある)かと思った。」2点
南さよ「兼題をイメージできる歌。ビードロのレトロ感がさらに1つの雰囲気を作っている」1点
田中大貴「二回目の〈日〉で驚く。これまでもそしてこれからも違う日であった可能性に。」1点
アーイ・アイ 1点
無名の歌人 あふろひめ「びいどろの「ぱきゃり」音で薄いのが伝わりますね。お姉さん……お嫁に?お空に?そんな想像が広がりました。」1点
ゆかり「一読で好きだと思った歌です。ぱきゃりの擬音とてもいいですね!よく伝わってきます。姉様はお嫁に行くのかな、就職などで実家を出るのかな。家族の均衡が壊れてしまうような景を想像しました。つらいことを歌っているのだと思いますがとても繊細に描かれていて美しい歌だと思いました。」1点
乙女「テーマが入っていないが、オノマトペが面白く、テーマは自由かもね。」
猪之丞「現象や状況よりも、気持ちに焦点を当てた方が良かったのかなと。寂しいだけではない、他の感情もあるかもしれないから。隅っこでは、少し嬉しかったりして。違うか…」
純「ぱきゃり、という擬音がとても好きです。昔の時代の出来事を想起します。「壊れた日」から「遠くへ行ってしまう日」への移りが、自分には少し直接的すぎる(イメージが近い)と感じました、好みの問題でありますが。」
斎川都「修学旅行で買ってきたビードロを割ってしまい、その薄さに驚きました。」


14.
名残り雪が芽を出しはじめた斑入りの薄の芽を覆う
阿竹亭呆然

花曇り「歌の視点として少し印象が弱いように感じた。」
乙女「散文になっていて残念。」
猪之丞「やや説明的かなと。状況の先を表現すれば詩になるかもしれません。つまり「それで、私はどう思ったのか」を詠む。」
純「すすきって読むんですね!字がどこで切れて跨がるのか分かりにくかったのですが、光景をじっくり描写する歌も面白いなと最近思います。」


15.
おかわりのたびに薄まるお茶を飲む いろいろあったねと笑い合う
ゆかり 5点

しゅくるん「ほのぼのしてて好きです。
出がらしが美味しかったりしますね。」2点
冬不純黄昏「友人との会話の楽しさが伝わってきました。いくら話しても話し足りないほど話したいことがあるように思います。」1点
陀弥阿「茶は薄まるが思い出話しは色濃く募る。時間の流れの中で薄と濃が並列に進むのが好み。」1点
シモムラ アキラ 「お茶は薄くなっても楽しい会話」1点
田中大貴「薄まるお茶を飲むのは歌を詠んでいくことと似ているなとおもう。下句のその関係性に惹かれる。」
花曇り「話の尽きない感じが伝わってきて◎」
乙女「人生の大団円につながるかな?薄まるお茶に相手への無関心が見えて、終止符に向かいそう。」
猪之丞「レトリックにもう一工夫あれば面白いと思います。「笑い声の浮いているお茶を…」「笑顔が揺ら揺らしている湯呑みの中にまた笑い声が溶けこんで…」みたいな。変かな。この場合、思い切って「薄」から離れても良いと思います。」


16.
薄曇り
見え隠れする月を
見ている君が
いつも以上に近づいている説
すーさん@ヘタレドライブ

花曇り「ホラーかラブロマンスかで読みが変わる。」
乙女「「説」って他人行儀だなあ。」
猪之丞「いや、説では無くて、近過ぎる。いや、既に触れているはず。すでに密着している。もう肩に腕を回しているでしょ?で、明け方まで隠れたままでしょう。ああ、君らは羨ましいな…」
すーさん@ヘタレドライブ「「ホラあのへん、綺麗に見える」
「えっどこどこ?あーあそこね」
ってねー」


17.
風雪で分厚くなった襞(ひだ)伸ばし心に刺さる痛みいろいろ
福良 椋(ふくら・むく)

福良 椋(ふくら・むく)「詠題の「薄」という言葉は直接入っていませんが、「心の襞(ひだ)」をうすーく伸ばしたということで。」
花曇り「歌という観点でいうと「痛みいろいろ」の部分を知りたい。」
乙女「この歌も歌の意が伝わらない。でぶっちまつた、老いた己の肉体の皺をかき分けかき分け、いろいろな棘が刺さってきた人生よ!と言いたいのかなあ。」
猪之丞「意味重複かも知れません。心か襞かどちらか一方で良いと思います。歌意は分かるような分からないような。「ぶ厚く着込むくらいに寒いけれど、重い上着を脱げば脱いだで寒さもせちがらさも身に染みるよね…」みたいな話でしょうか?」


18.
太陽は薄雲の向こう。(五七七あまったけどもう言うことは無い)
冬不純黄昏 1点

乙女「歌としては好き。音階がたたらを踏んでのめりこみそうだが、あまったけどもう、けどもう、と読んでいるうちに文語でなくても許せてしまう。」1点
田中大貴「下の句でこの人の個性は光っている気がする。」
花曇り「斬新で面白い歌だけど代用が効く分、大喜利感が否めない。」
猪之丞「う~ん。「たいようはうすぐものむこうごうしちしちあまったけどいうことはない」で三十二音。そう思ったのであれば、()に押し込めずに、そのまま書いて置いたらどうですか?」
冬不純黄昏 「薄い雲の向こうに太陽の輪郭が見えると、少し嬉しくないですか。どうも、そうなっているとそれから天気は悪くなるみたいです。それでも普段肉眼を向けることのできない太陽をくっきりと見れる機会は、楽しくないですか。これに関してそれ以上述べることがないので、詩の最初の五七しか埋まりませんでした。」


19.
原子力発電所ちゃんはドライアイ薄氷ふんでぷにってなるの
田中大貴 4点

斎川都「シビアなものをポップに変えてしまうアート 
    ドライアイってなぜかしっくりきました」2点
冬不純黄昏「直感的な恐怖がピリピリと伝わってきます。「ぷにっ」というかわいらしい擬音まで何か恐ろしいもののように感じました。怖いけど解説が知りたいです。」1点
乙女「これも舌足らずが面白くて傑作です。大爆発を起こしちゃうのね。」1点
南さよ「「ぷにっと」が簡単に壊れる原子力発電所を表現していて面白い。しかし薄氷が歌の中心ではない」
花曇り「原子力発電所の擬人化?はたまた「あだ名」?ユニークな発想◎」
純「謎めいてます、かわいい擬音の割に、不気味な感触があります。」
田中大貴「ディストピアに生きる子どもたちにむけて。〈原子力発電所ちゃん〉と名づけたことで、わたしが詠むことのできたものは何だったのだろうか。」
猪之丞「不思議ちゃんです。「ぷにってなる」は面白いけど。福島原発の話ですか?意味が良く分かりません。燃料デブリの取り出し完了を祈るばかりです。あれだけの震災がもう昔の話になってゆくことに無常を感じます。表現であっても、震災で家族を失った方、今も避難生活を送る方への配慮、節度は必要であると考えます。」

20.
彼岸会や人心何処諸行無常か薄紅の頬の女人や
酒井則仁 1点

すーさん@ヘタレドライブ「亡くなった人の面影が思い出される?いや、ああ…〇化粧か、切ないね」1点
花曇り「熟語が多く全体的にかたい印象を受けた。」
乙女「散文になって短歌の叙情みえないなあ。」
猪之丞「俳句みたいですけれども、「や」が二回も重なると言うのはどうなのでしょうか?状況よりも気持ちを詠って欲しいです。「お彼岸だけど、お参りに出掛ける様子も無くて、みんな先祖を敬う気持ちも希薄になってしまったのかなあ…」みたいな歌意ですかね。和語を多用したほうが歌らしいと思うけれど、どうでしょうか?」
酒井則仁 「想い人これにあり女心をうまくつかめずのもどかしさ。」


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「薄」の歌会に参加いただきありがとうございました。
次のテーマは4月24日(水)に発表を予定しております。
どうぞよろしくお願いします。

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