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みんな等しく、同じように、たのしくなれる場所(田中)

「たのしみ展」には、たくさん、いわゆる「芸能人」や「有名人」の方がいらっしゃっているらしい。街ですれ違ったら、思わず二度見してしまうような方々が。

でも不思議と、そういう「目立つ方々」とわたしのような「非芸能人・非有名人」とが一緒くたになってしまうのが、この空間。わたし自身「おお」とは思うけれど、それは友だちとばったり会って「おお」と思うのと近い感覚で、スペシャルに興奮したりはしない。きっと多くのお客さんがそういう感覚だから、「きゃー!」と、ヘンな大騒ぎが起きたりしないんだろう。

ここに来る人は、みんな等しく「たのしみ来ている人」。だから昨日みたいにたくさんのお客さんが来てごった返していても、たとえばお正月に福袋を争奪するときのような殺伐とした雰囲気にならない。「自分だけがいいモノを買えればいいや」みたいな、バーゲンのような妙な闘争心を感じたりもしない(だからわたしは福袋もバーゲンも苦手なのだ。気迫負けしてしまう)。

ここはただ、めずらしいモノ、すてきなモノ、おいしいモノが集まっているだけじゃない。「みんな等しく、同じように、たのしくなれる」場だから、こんなにたくさんの人が惹かれてくる。そういうことを、折り返しが過ぎて、じわじわと感じている。

さっき、会場の隅でぼーっとお客さんの顔を眺めていたら、隣の女性から「田中裕子さん、女優さんと同じね」と声をかけていただいた。

そうなんです。ジュリーの奥さんと一緒です。なんだか恥ずかしいんですが。そう返すと、いいじゃない、覚えやすいし、と笑っていた。今日は雨だけど、こんな感じで、みなさんゆったり場をたのしまれている。

この雰囲気はたぶん、明日の店じまいまで変わらないでしょう。ほぼ日乗組員のみなさんも、雨でパタパタされてはいるけど、変わらず笑顔でたのしそうです。