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斉吉で、あたらしいアイドルを見つけた(田中)

次のレポートは、HAPPY NUTS DAYさんの向かいにある斉吉さん。
「どんどん見ていって〜!」と元気な声に呼ばれて、店内におじゃまします。

こちら、創業大正10年(!)の気仙沼のお店です。今回は、斉吉さんの商品と厳選された「東北のおしいもの」が並んでいます。先に結論めいたものを言ってしまいますが……とにかく、いつもの食卓を「うれしい食卓」にしたい方は、ぜひこちらに直行してください。

名物は「金のさんま」ですが(白い炊きたてのごはんにも、冷たいビールのあてにもぴったりとのこと! 今日は間違いなくビール)、今回試食でいただいたのは、こちら。

●醤油まころん

マカロンじゃありません。職業柄、フォントに悶えます。口に入れると、しょうゆ&ピーナツのスタンダードな味なのにめちゃめちゃおいしい。これ嫌いな人っていないんじゃないかなあ。あれ、試食なのに手が止まらない……

●田老かりんとう

こちらのかりんとう、100年同じ製法でつくられてるんですって。黒糖がまだら状にかかっていて、甘いところと甘くないところがある。だから飽きない。気がつくと1袋なくなってるやつだ。

●かつお削り節

しっとりじゃなく、パリパリのかつおぶし。一度削ってから、もう一回薪を焚いて乾かすという、ものすごく手間のかかった製法です。

「より水分が抜けて軽くなっちゃうし、小さいかつおぶしが網から落ちて焼けていくのよ」

うーん、ぜいたくだなあ。でも、それだけのことがある、このかつおぶし。ふだんはそっと料理を引き立たせる内助の功的だけど、これには「ご主人感」がある。あと、個人的には焼酎と出会わせたい。

むんずとつかんで食べてほしいというご主人の思いから、パッケージも横に広いかたちを採用したんですって。こういう工夫にきゅんとしてしまうお年頃です。

かつおぶしは長らく鹿児島が生産量第1位で、気仙沼のかつおぶしはいつも「2番手以下」の扱いだったそうです。しかも気仙沼でとれるかつおは脂がのっていて、かつおぶし向きではないんですね。
でも、そんな気仙沼のかつおを、鹿児島的スタンダードかつおぶしとはちょっと方向性を変えて手をかけてみることで、たくさんの人の心をつかんだ。

「アイドルみたいですね」と言うと、
「そうそうそうそう! 再デビューしたのよ!」と笑っていらっしゃいました。

お菓子にしてもおかずにしても、
いくらでも食べられるものと、数口食べて「おいしかったけどもういいです」となるものがありますよね。
斉吉さんで扱う食べ物は、全部「いくらでも食べられるもの」。食べ続けたら健康になる気すらしてしまう。

「ふつうの食卓がうれしくなる食べもの」がずらり。ちょっと実家に帰りたくなるお店です。