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2021→2022 青春48紀行 ” 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑤~ ”


【はじめに】

この記事は「48歳のおっさんが年末年始休暇を使って、青春18きっぷで4泊5日の旅をした」、ただそれだけの記録である。悪しからず。

1日目 (2021年12月31日)

2021年の大晦日。前日で仕事を納め、今日から年末年始休暇を5日間取得することになった。私は社会人になってもうすぐ四半世紀を迎えるが、年末年始休暇を取得できるようになったのは今の会社に入ってからだ。今回で3回目になる貴重な年末年始休暇を利用して、4泊5日の旅に出ることにした。

とはいえ、年末はもろもろ立て込んでいて旅程こそ事前に決めておいたものの、準備が追い付かない状態で当日を迎えた。朝7時に目覚め、急いで荷造りを済ませた後、8:20に家を出た。

まずは、8:38発の電車に乗る予定だ。余裕だろ。と思いながら駅に向かう。しかし年末進行に忙殺され体力を奪われた私は、いつもなら間に合うはずの道のりをノロノロと移動してしまい、目当ての電車に間に合わなかった。

旅の初っ端から予定が狂ってしまったが、ここは旅慣れた私。スマホで時刻表を調べ、速やかにリスケを企てる。待ち時間が30分近くなるが仕方がない。そもそも、今回の旅にはっきりとした目的があるわけでもない。せっかくの大型連休を家で過ごすと際限なく自堕落に過ごして終わるだろう、という懸念から企てた旅なのだ。

青春18きっぷを使って5日間めいっぱいブラブラと移動すること、それ自体が目的と呼べるような旅なのである。

 ■ 西大井 9:07 → 11:08 宇都宮

長旅に備え、ひとまずグリーン車に乗ることにした。休日は格安で利用できるのだ。これからしばらくは、各駅停車を乗り継ぐ予定になっている。

『湘南新宿ライン』と謳った長距離電車は東北方面に進み、2時間ほどで宇都宮に到着した。

乗り換え時間は2分間なので、わき目も振らずに次の電車に乗り継ぐ。

 ■ 宇都宮 11:20 → 12:13 黒磯

乗車すると、車内はかなりの混雑だった。座席が埋まっているので、立ったまま乗車する。そういえば、宇都宮から先を各駅停車で進むのは初めてかもしれない。

天気予報は雪を告げていたが、車窓に映る景色はなかなかの好天だ。

途中で席が空いたので着席し、年明けに参加予定の読書会に備えて課題図書に目を通す。そんなことをしていると、あっという間に黒磯駅に到着した。

黒磯は交通の要衝なので、駅舎が立派だ。新幹線の線路が目の前を通っていて、ここに停車してもおかしくないくらいだ。しかし西那須野駅との誘致合戦の末、間にあった東那須野駅が『那須塩原』と改名して新幹線駅になってしまうという、誰も得しないいかにも日本的な結末を迎えてしまったのだった。

 ■ 黒磯 12:25 → 12:48 新白河

さすがにこの先は乗客が減る。ボックス席に腰掛け、車窓を眺めながら行く。先ほどまでの好天が嘘のように、雪が降ってる。積もっている。なんか寒くなってきた。雪景色を眺めつつ、進んでいく。

新白河駅に到着すると、ホームに積雪があった。

今乗ってきた電車が到着した線路の先に分厚いコンクリート壁があり、その先と分断されている。さすが白河の関だ。守りが堅い。

同じホーム。その壁の前方に停車している電車に乗り継いで、進んで行く。

 ■ 新白河 12:52 → 13:31 郡山

いよいよ東北地方に突入した。一面の雪景色となってる車窓を眺めながら、私はこれから向かう郡山の思い出を、記憶の奥底から引っ張り出す。

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1998年4月11日。大安の土曜日。私の姉の結婚式と披露宴が、郡山で行われた。郡山は姉の結婚相手の出身地なのだ。当時、仕事の関係で福岡県に住んでいた私は、前日の20時まで仕事をした後福岡空港で最終の飛行機に飛び乗った。東京にある実家で一泊し、翌朝早くに父と二人で東北新幹線に乗り、郡山まで来た。
私が郡山に来たのはその時が初めてで、今回はそれから24年近くぶり2回目の来訪となる。

その時は駅と式場の往復のみで、郡山という地に関する印象は残っていない。覚えているのは、式場に到着するなり駐車場に停めてあったワゴン車に連れていかれて叔父の酒の相手を務めさせられた事と、その後に披露宴の新婦側受付係をやって、姉の友人たちに「あの赤い顔でニコニコしている人が弟でしょ? 顔そっくり 笑。」とさんざんネタにされた事くらいだ。

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などと思い出に浸っている間に、電車は郡山駅に到着した。

時刻はお昼を過ぎている。ここでランチを摂ることにした。

改札を出て1階に降り、フードコートに入る。

せっかく福島県まで来たのだからと、喜多方ラーメンを注文した。

美味い。あっさりとした醤油味。冷え切った身体がホッとした。

さて、次の列車まで時間がある、時間潰しにドトールに入ることにした。コーヒーを飲みながら先ほどの続きに思いを馳せる。

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翌日の仕事を休むわけにはいかなかったので、披露宴が終わるとすぐに私はひとり東京に戻った。実家に着いてひと段落したことろで手持ち無沙汰になり、一人暮らしを始める時に買った携帯電話を手に取り、発信ボタンを押した。

発信先は、半年前に分かれた元恋人だ。東京と熊本の遠距離恋愛の末、私より一回り歳上の職場の先輩と結婚することにしたのだと彼女は告げ、私の元を去って行ったのだ。
実際に会う事もなく関係を終わらせてしまったことが心残りだったので、この機会にちょっと会って互いの近況でも話せたらなどと、今思うと相手にとっては迷惑この上ないことを思い立ってしまったのだ。

何回かのコールの後、彼女は受話器を取った。「久しぶり。どうしたの、元気だった?」その口調からは、明らかに戸惑いが感じられた。「ちょうど今みんながいるから代わるね。」 彼女から電話を代わったのは、私の学生時代のバイト仲間たちだった。

そもそも私と彼女は同じバイト先で知り合い、友人関係も多くが被っていたのだ。学生時代は、土曜日のバイトを終えた後にみんなで朝まで遊びに行くのがお約束だった。彼女たちは社会人になっても東京に暮らし続け、人間関係を継続していたというだけのことだ。
それでも私にとっては、彼女に学生時代の人間関係をまるまる持っていかれたような気がして、もう東京に自分の居場所はないのだなという事実を突きつけられたのだった。

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湿っぽい話はやめて、先に進もう。

発車時刻が近づいたので、駅のホームに降りる。すると、ホームがかなり混雑しているではないか? どうやら、一部の高速バスが運休したらしい。

入線してきた車両は4両編成だ。これは余裕で座れるだろう。と思ったが、なんと2両が目の前で切り離された。無情。

 ■ 郡山14:53→ 15:32

定刻を数分遅れて列車は出発した。もちろん、車内は超満員だ。

車窓を眺めると、積雪がすごい。本来は手前の駅から猪苗代湖まで、10kmほどノルディックウォークで歩いて行こうと思っていたのだが、到底無理だ。

大事を取って、猪苗代湖への最寄り駅である猪苗代駅で下車することにした。

私と一緒に、けっこう多くの人数が下車してきたが、ほぼ全員がホテルの送迎車に乗ってすぐにいなくなってしまった。
駅の待合室にポツンと取り残された私、外はちょっと引くくらいの積雪だが、せっかくここまで来たので意を決してノルディックウォークで進むことにした。なんて勇敢な私。

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ノルディックポールをセットし、駅舎を出た。まずは、駅前のロータリーを抜ける。ここが第一関門だ。なにせものすごく積雪しているか、雪を融かすために流れ続ける水のお陰でビチャビチャになっているか、この2パターンの路面を進まなければならないのだ。

試行錯誤の末、ようやくロータリーを越え、目抜き通りを進んで行く。送迎バスが走っているからこっちで大丈夫だろう。

などと安易に考えて進みつつ、Googleマップを確認する。ここで衝撃の事実が発覚した。なんと、猪苗代湖は駅の逆口の方にあるようだ。なんで湖の逆側にしか改札口がないのだ、猪苗代湖。2021年を締め括るサプライズがここで発動するとは思わなかった。

慌てて駅に戻る。気を取り直して、ロータリーから線路沿いの道に出よう。

線路沿いの道を行く。なんか、さっきの道よりも雪積もってるような… この道は車の通行もほぼないので膝上くらいの積雪がある。その中で誰かが歩いた足跡の上を踏みしめながら進んで行く。

しばらく進んだところを左に曲がる。このまままっすぐ線路に至れば、そこに踏切があるはずだ。視線を上げ、前方を確認する。

膝より上の高さの積雪が眼前一面に広がる。そこには、雪を掻いた跡も先人の足跡もない。さすがにこれ以上先に進むことは諦めた。なにしろ頑張ってあの線路を越えても、猪苗代湖はまだ1㎞以上先にあるのだ。
今年の元旦に軽い気持ちで田沢湖に赴いて軽く遭難したことを教訓に、ここは勇気ある撤退を選んだ。冷静な判断ができる私、素晴らしい。

そうと決まれば、もう猪苗代に用はない。次の電車で会津若松に向かおう。足取りを早めて、駅に戻った。

駅舎をはじめ、近辺の建物からは軒並みマンガで見るようなつららが垂れ下がっていた。

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駅に戻って10分ほどで電車は入線し、私は乗り込んだ。

 ■ 猪苗代 16:22 → 16:59 会津若松

発車してから40分弱で、電車は会津若松駅に到着した。乗車している間に、空はすっかり暗くなっていた。

会津若松駅は磐越西線の終点ではないが、線路はここで途絶えている。この先へは進行方向を変え、スイッチバックして新潟方面に向かうかたちになっているのだ。

本日の宿は会津若松に取ってある。
改札を出てあたりを見回すと、ここもなかなかの積雪だ。ロータリーに設置されている赤べこのオブジェが異彩を放っている。

会津といえばお城と白虎隊くらいしか知らないが、この地を年越しの地に選んだのは、「そういえば、会津に行ったことがないな。」という程度の雑な動機からだ。ちなみに私の母は福島県の中通り出身だが、彼女も「そういえば、会津には一回も行ったことないね。」と言っていた。

ひとまず、冷え切った身体を温めなおそう。駅近の温泉銭湯に向かうことにした。

450円。安い! 風呂の種類も多く、サウナはカンカンに温まっている。水風呂は二階建てで、整いイスは露天風呂の端に設置されている。もちろん、気温は氷点下だ。

最高に整った状態で、風呂上がりに3階のレストランで晩酌をキメる。

瓶ビールに、つまみの3点セット。枝豆・冷奴にキムチが付く。最高の晩酌だ。

ほろ酔いで銭湯を後にし、駅前のコンビニで食料を調達した後、本日の宿にチェックインした。

部屋ではすっかり寛いで、紅白を観ながらTwitterで実況を始めた。「旅に出ているのなら他にすることがあるだろう」というツッコミが脳内に響く。しかし、暮らすように旅をするのが我が流儀なのだ。

そして一人で年を越すのが寂しいのでZOOM会をセットし、開始時刻にしてある23:30に入室した。なぜか、すでに5人も参加していた。みんなさびしんぼうなのかな?いや、どうやら私が間違えて、開始時刻を22:00にセッティングしていたらしい。入室するなり、軽くディスられる。おっちょこちょいな私。

その後、オンライン上で年始の挨拶を済ませ、

明日の移動に備え、早めに床に就いた。

2日目 (2022年1月1日)

元旦は7:00に起床し、まずは宿のブレックファーストを摂る。

今日は元日なので、お雑煮が付いた。伊達巻とかまぼこもある。

すっかり腹も満たされたところで、8:30にチェックアウトした。せっかく会津まで来たのだから、ノルディックウォークで鶴ヶ城に向かうことにしたのだ。

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まずは公道まで出る。昨日より気温が高いせいで、路面がやや凍結しているようだ。気を付けて進もう。
線路沿いに会津の中心地に向かって進んで行く。と、右手に『人造人間キカイダー』の等身大フィギュアが唐突に現れた。

なぜここにあるのか?後でググった結果、この土地の所有者の趣味ということだった。

さらに進んで行くと、ご当地(猪苗代出身)の名士である野口英世のイラストが街頭のポールに設置されていた。

このあたりを大町四ツ角と呼ぶらしい。

交差点の中央から水がプチ噴水のごとく吹き上がっている。

この先をさらに直進する。

路面に雪かきがあまりされておらず、路面もツルッツルだ。

旅の先は長い。事故を回避するために角を左に曲がり、街道に出る。

しばらくは街道沿いに進み、交差点を左に折れ少し進むと、左手が鶴ヶ城の入口だ。

目の前をカップルが入っていった。私もその後を追うように入っていく。

歩道は歩きやすいように慣らされているが、やはりかなり雪が積もっている。

静寂が包み、眼前は一面の銀世界。元日早々、風流な体験をしているものだ。師走の慌ただしさで疲れ気味の心身に、美しさが染みわたる。無理やりにでも、旅立って良かった。

左に内濠が現れ、橋が渡っている。その先を進むと、鶴ヶ城の天守がそびえ立っていた。

戦後に再建された天守閣は真っ白で、雪景色に溶け込んで独特の趣がある。元日でも休まず天守閣の内部が公開されており、続々と来訪する人たちの姿が目に入る。

その人波を横目に、私は天守閣には登らず、先に進む。

道なりに天守を半周ほどしたところで、右手に『茶室麟閣』を見つけた。どうやら千利休の息子がうんたらかんたらした縁の地のようだ。ちょっと寄ってみよう。

200円の入場料と600円のお茶代を受付で支払い、中に入る。

茶室を見学した後、小屋に入り抹茶と茶菓子をいただく。

「今日はお正月仕様の特別なお菓子をご用意しております。」と説明を受けた。

抹茶の渋さと菓子の甘さのコントラストが効いていて、至福の一時となった。

雪が降ってきたので、抹茶を飲み終わると早々に帰路に就くことにした。

冷え込みも強くなってきた。七日町方面に歩みを進め、線路に近づいたあたりで近道を求めて路地に入る。

路地は迷路のように入り組み、行き止まりを引き返したりしながら進んで行く。いつの間にか雪は止み、晴れ間が見えている。

ようやく只見線の線路沿いに出た。ガードレール一枚で隔たれた歩道を進んで行く。

無事に会津若松駅に到着した。

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今日はここから磐越西線の昨日の続きの区間に乗り、新潟方面に向かって行く予定だ。

11:01に発車予定だが、郡山方面から来る列車の到着が遅れているようだ。到着を待って20分遅れで出発した。

 ■ 会津若松 11:21 → 13:46 新潟

電車は、山間を進んで行く。

一面の雪景色が美しい。喜多方駅を過ぎると、車窓は大自然を映し出すようになった。雪化粧された山々の姿が美しい。

その後しばらくは阿賀川に沿って、電車は進んで行く。

新津駅を越えて少し進むと、電車は定刻の4分遅れで新潟駅に到着した。当初の遅れを16分取り戻したことになる。快足!

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新潟には3年ぶりの来訪になる。正直あまり良い思い出はないが、せっかくなので寄り道して万代バスセンターの立ち食いそば屋で、名物のカレーライスを食べるのだ。

駅のホームは3年のうちに高架化され、印象が見違えた。駅ビルは元日営業しており、構内はかなりの賑わいだ。コロナ禍で2年ぶりに帰省している方が多いのだろう。

駅を出て万代に向かう。

振り返ると見慣れた駅舎は跡形もなく取り壊されていて、風景が一変している。

通いなれた道も雪景色だと印象が一変する。よく入っていた店も閉まっており、私が知っている新潟を感じられる部分がほとんど見えなくなっている。

私が10回近く通ったNGT48劇場に差し掛かるが、ここも本日休館日だ。

交差点を越え、万代バスセンターに到着した。

ここもリニューアルされたようで、小ぎれいな印象に変貌していた。

では、さっそくカレーを食べよう。

なんと、元日のみ休業と張り紙が出ている!残念。


らば、駅に戻って予定よりも早い電車で次に向かおう。駅へと急いでいると、雪が降ってきた。いや、あられだ。あられが舞い散っている。

冷たい身体かあられに打ち付けられて、痛いことこの上ない。元日早々ひどい仕打ちだ…… 

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駅に引き返すと、冷えた身体を温め直すために駅ビルの『ぽんしゅ館』に立ち寄ることにした。

唎酒番所で500円玉とお猪口&コイン5枚を交換し、新潟の地酒を次々に喉の奥に流し込んだ。

15:08発の電車に乗ろうかと改札口に向かって歩いていると、へぎ蕎麦の小嶋屋が営業していた。

幸いにも一組しか待っていない。もちろんカレーを食べそびれて空腹が激しい。ここで食べて行くことにした。

満腹&大満足だが、次の電車まで1時間以上空いてしまった。県下1番の都市から2番目の都市に移動するだけなのに、電車の本数がとても少ない。
喫茶店で時間を潰すことにした。後で気づいたのだが、せっかく雪が積もっているのだから万代橋の写真でも撮ってくればよかった。

すっかり時間をもて余したので、一本後の快速電車に乗っても到着時刻は変わらないのだが、先に発車する普通電車に乗車した。

 ■ 新潟 16:38 → 17:54 長岡

新潟県は東西に長い。日は落ち車窓も楽しめなくなり、youtubeなどを観ながら時間を潰す。

長岡駅に着いた。大きな駅だが元日だからか閑散としている。この地で毎年8月に行われる花火大会は有名だ。いつか観に来たい。

 ■ 長岡 18:03 → 19:06 直江津

長岡から一時間ほどで上越市、直江津駅に到着した。ここも交通の要衝だが、新幹線のルートを外れてしまったので広大な駅舎をもて余しているように見える。

ここからは第三セクター線だ。青春18きっぷはしばらく使えない。別料金になる。

 ■ 直江津 19:09 → 20:25 泊

新潟駅から4時間弱。糸魚川静岡構造線を越えると、いよいよ新潟県とおさらばだ。こんにちは富山県。

泊駅に到着。同じホームの前方に停車している電車に乗り継ぎ、本日の目的地に向かう。

 ■ 泊 20:27 → 21:30 高岡

終点の高岡駅に到着した。ここで降りる。

駅の構造上、青春18きっぷではキセル乗車が余裕で出来そうだ。しかし、紳士な私は正確に申告し、改札口で2800円を支払った。

高岡駅は新幹線のコースから外れたにも関わらず、立派で新しい駅舎を持っている。

さらに、路面電車も走っている。なかなかの都会っぷりだ。

駅から伸びる目抜通りをしばらく進み、

左に折れると、そこが本日の宿。こじゃれたドミトリーだ。

22時までのチェックインにギリギリで飛び込む。駅前のコンビニで買った『富山ブラック』のカップラーメンのディナーを摂った。

せっかく海の幸に恵まれた北陸まで来てあまりにも貧相な食生活に絶望した私は、急遽明日の行き先を1か所追加することにした。明日のブレックファーストは豪勢にいこう。


3日目 (2022年1月2日)

今日は宿を7:00にチェックアウトし、まずは高岡の街をノルディックウォークする。本来はランニングをしたかったのだが、路上がアイスバーン状態で無理だ。

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まずは北に進路を取る。路面に積雪はあまりなく歩道の雪も掻かれてはいるが、それ故にかえって路面の凍結を招いている。ツルッツルだ。

滑らないように慎重に進んで行く。

朝の日射しが、右側から低い角度で照り付けてくる。

建物からの照り返しがこちらに及んでくる。暖色系の柔らかな光を浴びながら進んで行く。

千保川を渡った先を右に折れる。金屋町と呼ばれる一角に入っていく。

千本格子造りの家々が軒を連ねる、石畳の街並みを進む。人影はまったくない。江戸時代にタイムスリップしたかのような風景に溶け込み、ここを進んでいる時だけその一部になる。

金屋町を通り抜けたところを右に曲がり、雪がまだ積もっている歩道を進む。

もう一度川を渡って、左に折れる。

今度は山町筋を進んで行く。

こちらは明治期に大火の後建てられた、土蔵造りの町並みとのこと。タイムスリップも少し現代に近づいてきたようだ。

しばらく進み、右に進路を取る。直進し交差点を渡ると、その先に「日本三大大佛」の高岡大佛が目に飛び込んできた。

隣接している建物と比べていただければ分かると思うが、大佛というより中佛といった佇まいだ。我が家の近所にある如来寺の五智如来像とサイズはそう変わらなさそうだ。

ここを左に曲がり少し進んで、高岡城址に突入する。

お濠に架かった橋を渡り、半周ほどする。左を見ると奥の方に山々が見える。あれが立山連峰だろうか?

電車の時間が近づいてきたので、ここから1㎞ほどの道のりを駅に向かって最短距離を取って進むことにしよう。

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なんとか高岡駅に着き、青春18きっぷで構内に入場する。これから乗る列車はJR線なのだ。

 ■ 高岡 8:07 → 8:41 氷見

氷見線は、能登半島の付け根を走るローカル線だ。車窓に日本海が見える。

雨晴駅の手前から見える景色が綺麗だ。

30分くらいで、氷見駅に到着した。氷見線は、けっこう短い路線だった。そして後で気付いたのだが、どうやら降り際にニット帽を置いてきてしまったようだ。

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改札を出て、ノルディックウォークで右に進んでいく。

交差点をまた右に曲がり進むと、すぐに海岸線にぶつかった。

海岸と並走し、魚市場まで進む。

『ひみ寒ぶり』でお馴染みの地だが、三が日は市場が休みとのことだ。

そのまま直進して橋を渡ると、左手にお目当てのスポットがある。

道の駅『ひみ番屋街』だ。

ここで海鮮尽くしのブレックファーストを摂ろうという算段なのだ。

中に入り、店舗を物色する。休市だけに閉まっている店も多い。残念だが、それくらいは想定内だ。鮮魚にありつこうなどとは、はなから考えていない。

一通り館内を物色した結果、地元の漁師飯『かぶす汁』+おにぎりセット¥500をゲットした。ごはんがまだ炊き上がっていなくて少し待たされたがノープロブレムだ。

腹も満たされたところで、近くにある足湯に立ち寄った。貸し切り状態で快適!

戻りの列車の時間があるので、キリの良いところで退散する。

戻る道すがら、海越しにそびえる立山連峰の姿を目に焼き付けた。

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のんきに歩いていたら発車時刻ギリギリになり、最後は走って列車に飛び乗った。

 ■ 氷見 10:21 → 10:53 高岡

ニット帽を預かってないか聞こうと思っていたのだが、それどころではなかった。

高岡駅に到着した。乗り換え時間は11分だ。この時間を利用して、さきほど写真を撮り忘れた場所に急いで撮りに行く。

ドラえもんの散歩道』だ。ここ高岡は藤子不二雄Fさんの出身地ということ。

 ■ 高岡 11:04 → 11:44 金沢

では、今度は金沢に向かう。この区間も第三セクターだ。それでも、車内は大混雑だ。富山から金沢の間はけっこう儲かっているのではないだろうか?

高岡から40分で金沢駅に到着した。前回金沢に来たのは、GoToトラベルが都内在住者にも開放された2020年10月だ。京都出張の帰りに寄ったのだった。夜の金沢の街を走り、その艶かしさに感嘆したのだ。

正月の金沢駅前は、大賑わいだ。一方で、路肩のあちこちにはまだ雪が残っている。ここからは、ノルディックウォークで目的地へと進んで行こう。

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まずは、駅前からまっすぐに延びる目抜き通りをひたすら進んで行く。

近江町市場に差し掛かる。この中を通り抜けたことはなかったので、試しに入ってみることにした。

正月なので、空いている店はまばらだった。天井から漏れる日射しがまろやかだ。そのまま進んで行くと、ペプシのロゴが目に入った。

いや、『大口水産』のロゴのようだ。紛らわしい。

市場を抜けてさらに進んで行く。このあたりは雪かきがされておらず、ツルッツルだ。

気を付けながら進んで行くと、金沢城址と兼六園の狭間に出た。

左に舵を取り、今日の目的地である兼六園に入る。なにしろ、今日は無料開放日なのだ。

じつは兼六園の中に入るのは、27年ぶりくらいだ。前回は例の元恋人と、恋人未満の関係のまま金沢まで旅に出て、ここに立ち寄ったのだ。

正月早々、園内は大賑わいだ。晴れ着姿のカップルや、家族連れの姿が目立つ。

そのまま、先に進む。兼六園はかなりの高台に位置しているので、ここから市街地が一望できる。

雪化粧も相まって、絶好の眺望だ。

ここから右に曲がり、園内を周遊する。

園内を流れる川のせせらぎが、景観にアクセントをつける。

そして、その先の池はかなりの部分が凍結していた。

このまま坂を下ると、人影はまばらになる。道なりにルートを取り、随身坂の出口を出た。

目の前には神社への参拝者の列が伸びている。

兼六園を堪能した後は、このままノルディックウォークで駅に戻る。

右手に水路を望みながら、坂を下っていく。せせらぎの音色が心地よい。

坂を下りきって交差点を渡り、金沢21世紀美術館の前にある広場を横切って進んで行く。

ここも家族連れが多い。雪と戯れる子どもの姿が愛らしい。

細道を抜け、片町のスクランブル交差点を渡る。

木倉町のスナック街を抜け、長町の美観地区を進む。

こじゃれたカフェなどが目に付くが、寄り道している暇はない。乗り継ぎ予定の電車が発車する時刻が刻一刻と近づいているのだ。

駅前の目抜き通りに戻り、信号をあと一つ渡れば金沢駅というところまで戻ってきた。

ここで私は、痛恨のミスを犯してしまった…… 
横断歩道の水たまりに足を踏み入れてしまい、片足がビチャビチャになってしまったのだ。

しかし、ここで怯んでいては電車に乗り遅れてしまう。私は気を取り直し、駅に急いだ。

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 ■ 金沢 13:29 → 14:59 福井

ここから先は、北陸新幹線がまだ延伸していない区間だ。その分特急がどんどん各停を追い抜いて行くので、進むのに時間が掛かる。

途中で座れたので、ランチを摂ることにした。

氷見で買った『番屋ちらし』と、


『ぶり大根』だ。正月で市場は閉まっていても、総菜ならクオリティの高いものを食べられるのだ。素晴らしい。

福井駅に到着した。ここでの乗り継ぎは12分だ。ここで一旦改札を出て、福井名物である恐竜のオブジェを撮影した。

満足。

 ■ 福井 15:11 → 16:02 敦賀

続いては、福井県をひたすら南下していく。敦賀の手前で長い長いトンネルを通過した。スマホの電波もつながらないくらいだ。

そして、電車は敦賀駅に到着した。ここには、2020年9月のシルバーウィークに来て以来だ。その時は、この地で『天清酒万寿店』を営むランニング仲間のN島さんとナイトランをしたのだった。

ちなみに、今日はN島さんは年始の貴重な店休を利用して、奥さんのご実家に帰省中だ。

駅前の売店で、天清の皮ようかんを発見した。

早速購入する。せっかく敦賀まで来たので、ついでに店まで行ってみようか。ノルディックポールをセットして、駅舎を出た。

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一面、雪道が広がる。しかし駅前の目抜き通りには歩道に屋根が付いているので、快適に進んでいく。1㎞ほどアーケードを進んで行くと、天清に到着した。

せっかく来たので、天清のシャッター前で記念撮影をする。

ついでなので、近くにある気比神宮に初詣しよう。

いや、混んでるのでやめた。

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敦賀駅に戻り、ここからは新快速で一気に下っていく。

 ■ 敦賀17:49 → 20:13 大阪

敦賀駅の先に、また長い長いトンネルがあった。敦賀という地はそもそも陸の孤島なのだな、と改めて感じた。youtubeなどで時間を潰しながら2時間半弱の行程で、大阪駅に到着した。

ここでディナーが摂れないかと駅ビルの店を巡るが、どこも満席だったので先に進むとする。

 ■ 大阪 20:40 → 20:55 新今宮

いつの間にか大阪駅にもホームドアが付いていて驚いた。以前は5本くらいのロープだったのに。

環状線に乗り込み、新今宮駅に到着した。ひとまずディナーを摂ろう。ジャンジャン横丁に向かって進む。このあたりはいつも柄が悪いのだが、今日はいつにも増して酔っ払いが多い。物騒だ。と、ここで銃声が響いた。「すわ、発砲事件か?」驚いて振り向くと、射的屋の音だった。

胸を撫でおろしたところで、無難に『串かつだるま』でディナーを摂った。

いつもながらの美味。

食後に、大阪での常宿にチェックインした。氷見で買った『鯵の南蛮漬け』をつまみに部屋飲みをかます。


4日目 (2022年1月3日)

今日は安息日なのでゆっくり目の始動。宿を9:45にチェックアウトした。旅慣れた私、ペース配分も万全だ。

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ノルディックウォークでまずはジャンジャン横丁を抜け、

新世界へ。

いつもの巡回コース。

通天閣の前で10:00に。ここでZOOMをつなぐ。『朝の景色を共有する』会があるのだ。

続きまして難波方面へ。阪堺電車の始発駅旧駅舎がテニスコートになっている!

さらに進み日本橋を抜ける。途中『宮本むなし』でブレックファーストを摂る。

黒門市場を横目に左に折れると、千日前。なんばグランド花月を右手に、20回以上来たことがあるNMB48シアターを左手に進む。

道頓堀を抜け、

心斎橋に至る。

コロナ以来この混雑は久しぶりで、感慨深い。

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御堂筋に出て、心斎橋駅の地下ホームに降りる。

 ■ 心斎橋 11:20→ 11:24 淀屋橋

乗りなれた市営地下鉄で、梅田のひとつ手前の駅である淀屋橋駅まで移動する。淀屋橋が京阪電車の始発駅なのだ。

 ■ 淀屋橋 11:30 → 12:18七条

京阪特急に乗り、一気に京都に入る。快適だ。

七条駅で下車したのには、理由がある。三十三間堂に初詣に行くためだ。ここ数年、三十三間堂でお札をいただいているのだ。ノルディックウォークで進んで行こう。

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駅から数百メートルまっすぐ進み、三十三間堂に到着した。

まずは堂内を見学する。高校の修学旅行で訪れてから、おそらく10回以上足を運んでいる。圧倒的な量の圧力に魅了されているのだ。ここ以外にも、五百羅漢像などを観るのが好きだ。

堂内の中央、本尊「千手観音菩薩坐像」の手前にお札の受付スペースがある。そこで手続きを済ませる。7日間の祈祷の後、自宅にお札が郵送されるシステムだ。いつもなら本尊に線香を備え参拝させてもらえるのだが、今日はそのオプションはなかった。おそらく正月で混雑しているからであろう。

参拝の後、おみくじを引いた。吉。とはいえ「恋愛 よし」と出るのは記憶を辿る限りはじめてだ。

三十三間堂を後にし、はす向かいにある『七條甘春堂』でランチ代わりに新年初甘味を摂る。

『菓子御前』抹茶にぜんざい、葛切りに練り切り。大変美味しゅうございました。正月ならではの贅沢だ。

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その後京都駅まで戻り、バスで宿に向かう。

■ 京都 15:05 → 15:19 堀川三条

15時過ぎの、早めのチェックインとなった。

これには理由がある。今から荷物を置いて、着替えて走るのだ。

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ホテルを出ると、目の前に堀川通りが通っている。左に進んでいくと、交差点で信号待ちになる。すると、後ろから走ってきたであろうランナーがふたり別々に現れ、私と横一列に並ぶかたちになった。私を含め、三人とも同年代とおぼしきおっさんたちだ。頭からつま先まで一部の隙もないそのいで立ちからして、ふたりともランニングガチ勢と思われる。

信号が青に変わると、おっさんランナー二人は我先にとダッシュして、私の視線の先に消えていった。

平和主義な私は彼らを見送り、広い歩道を悠々と進んで行く。左手には二条城がそびえる。どうやらこの一帯が京都きってのランニングスポットのようだ。

丸太町の交差点を右折し、しばらく直進する。左手に京都御所の入口が見えてきた。

広い砂利道が、遠くまでまっすぐに貫いている。両脇には木々が鬱蒼と生い茂っている。陽が傾きかけている時間帯だが、けっこうな人手がある。
このまま御所に入り、砂利道をまっすぐに駆け抜けた。砂利に足を取られスピードは上がらないが、足裏の感触と踏みしめるたびに鳴る「シャリッ、シャリッ」という音が心地よい。

御所を抜けて右に進むと、出町柳の商店街に出る。豆餅が有名な『出町ふたば』に差し掛かる。ランニングの補給食として和菓子はちょうど良いのだが、お店は年始休暇だった。残念。

もっとも営業していたとしても、行列の長さにゲンナリして購入を諦めていただろう。

ここから少し足を延ばすと、鴨川に至る。いわゆる『鴨川デルタ』だ。

三角州の頂点あたりにたむろしている若者たちを横目に、私は鴨川沿いを下っていく。

信号のない直線が続き、とても走りやすい。しかし、ランナーの姿はあまり見当たらない。

さっき二条城で遭遇したようなおっさんたちも、このあたりを存分に走ればいいのに。などと考えているうちに、四条大橋にたどり着いた。ここで鴨川から外れ、祇園に向かう。

正月だけあって四条通りは立錐の余地もない大混雑ぶりだ。走るどころではなく、人波に押されながら進んで行く。祇園に差し掛かったところで、ようやく人混みから解放された。

どこもお店が閉まっている祇園は、いつもよりも人が少なくて走りやすい。

WINSの前の道を入り、裏道から木屋町に出る。

高瀬川沿いを上がり、四条通りを超え、先斗町の細道に入る。

開いている店は少ないが、意外にも通りは賑わっている。

走りにくいので途中で脇道に入り、河原町通りを越えて新京極のアーケードへと舵を切った。

新京極・寺町とアーケードを横切り、錦市場へ。

ここも休みの店が多いが、通路は大賑わい。というより、正月で人が大勢来ているのに閉まっている店が多すぎ、といった感じだ。

錦市場を抜けたところで再び走り出す。東洞院通を右に入り、三条通りに出る。ちょっとだけ寄り道して、京都文化博物館をパシャリ!

これで思い残すことはない。三条通りを堀川通りまで突っ切ると、宿は目の前にある。

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宿に戻り一休みしたら、一階ロビーに急ぐ。なぜなら、18時から限定で『夜泣きカレー』が振舞われているのだ。なにしろ、ランチを摂りそびれて腹ペコだ。

無事にカレーを食べることができた。満腹。お味はボンカレーテイストだった。「おせちもいいけど、カレーもね!」というCMがかつて流れていたが、その刷り込みだろうか?正月も三日目くらいになると、無性にカレーが食べたくなる。

腹も満たされたところで、次は買出しに外出する。

 ■ 堀川三条 19:12→ 19:27 京都

先ほどのバスルートを戻り、京都駅に出た。

ここで、昼間は行列が長すぎて購入を断念した『551蓬莱』の豚まんと、ついでに餃子をゲットする。

売店で地酒なども購入し、晩酌の準備は万端だ。

 ■ 京都 20:00 → 20:13 堀川三条

宿に戻ったら、大浴場に直行する。さっぱり!


5日目 (2022年1月4日)

今日は、いよいよ最終日。これから帰途に就くのだ。

 ■ 堀川三条 9:03 → 9:20 京都

さらば京都よまた来るまでは、しばし別れの涙が滲む。
京都へは、仕事の関係で1年くらいに渡って足繫く通っていた。しかし、去年の夏に担当店舗が撤退し、京都との縁も切れてしまったのだ。今回半年ぶりに訪れたが変わらず落ち着きがある街で、出張で頻繁に立ち寄るくらいの距離感が丁度いい場所だな、と改めて感じた。

 ■ 京都 9:29 → 10:24 米原

新快速で一気に滋賀県の端まで進む。彦根あたりから車窓に積雪が目立つようになってきた。

 ■ 米原 11:30 ↓ 11:06 大垣

寒い… さすが名だたる豪雪地帯だ。

 ■ 大垣 11:11 → 11:43 名古屋

快速で快調に進んで行く。

名古屋駅で早めのランチを摂ることにした。2番ホームに移動し『住よし』できしめんを食す。

天ぷらが揚げたてで美味。

続いては、改札を出て『ナナちゃん人形』の下へ急ぐ。

今日のナナちゃんは、鏡餅仕様だった。写真をゲットした。大満足!
では、ここからまたノルディックウォークで名古屋の街を散策しよう。

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笹島交差点を左に入り、そのまま広小路通りを栄まで一気にまっすぐ進んで行く。

このあたりはオフィス街なのだが、まだ仕事始めをしていない企業も多いようだ。お昼休みの時間帯だが、あまり人は多くない。

堀川を越え、国道22号を越え、3kmほど進む。

栄に到着した。

高島屋の屋上遊園地が遠目に見える。小さい観覧車が回ったいる。

左に曲がると『サンシャイン栄』がある。この2階にSKE48シアターがあり、私は10回以上足を運んだことがある

ここの観覧車は、建物直結型だ。高島屋のものよりも格段にデカい。

これに乗れば名古屋市街が一望できるのだろうか? できたとしても、あまり興味がないので先に進もう。

久屋大通公園に出る。テレビ塔が眼前にそびえている。おなじみの光景だ。

しかし視線を落とすと、見慣れない光景が広がっている。

謎のスモークがモクモクと湧き上がっている一帯がある。

RAYARD Hisaya-odori Park (レイヤード ヒサヤオオドオリパーク)』、久屋大通公園の再開発事業で2020年9月にオープンした商業施設だ。以前の殺風景な公園とは雲泥の差で、人々も多数行き交っている。
栄一帯は地下街が発達しており、地上は車、地下は人という使い分けがされている。そのため、せっかく一等地に伸びる公園も以前はすっかり寂れていたのだ。私が前回栄に来たのが2019年4月だったので、その様変わりに目を見張ってしまった。

とはいえ、特に用事があるわけではないので、先に進もう。

公園をひたすら進み、高速道のガードをくぐってなおも進んで行く。

名古屋を代表する商店街、大須に到着した。

ここは昔ながらの商店街で平日に来ると閑散としているのだが、今日はなかなか混雑している。若者の姿も多い。

人波をすり抜けながら進んで行く。私が心の中で「ジュンスカ」と呼んでいるカバン屋も健在だった。

アーケードを抜け、大須観音に出る。

参拝客の列がズラリと伸びている。

眺めていると、足元に鳩がまとわりついてきてウザい。平和の使者を踏みつけるわけにもいかず、退散することにしよう。

国道22号線を進み、御園座がある通りを入って行く。

ここから広小路通りに戻り、笹島に戻っていく。

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運動した後は、汗を流したい。

笹島交差点にある『ウェルビー名駅』で、90分コースのサウナを堪能した。

さっぱりしたところで、あとは一気に帰るとしよう。

 ■ 名古屋 15:46 →16:39 豊橋

この区間、やはり混んでる… 18きっぱーが多すぎて、席の奪い合いが発生している。

 ■ 豊橋 16:42→ 17:16 浜松

また混んでる…辛抱あるのみ。

 ■ 浜松 17:20→ 19:52 熱海

乗り換え時間もタイトだし、けっこう疲れてきた…
これが有名な、静岡県のロングシート地獄か。

疲労困憊状態で、熱海駅に到着した。これから乗り換えの11分で、ディナーを調達しなければならない。しかし、お店は成城石井しか開いていない。こじゃれたヘルシーな食べ物はいらないのだが…しかも、置いてあるのはレンチン前提の惣菜ばかりだ。成城石井はレンジを置いていないのに。

仕方なしに汁がメレンゲ状に固まっているスープご飯を買って、電車に乗り込んだ。

 ■ 熱海 20:03 → 21:35 品川

冷たくて固まっているスープご飯で腹を満たすために、ここでグリーン車料金を奮発した。

電車は宇都宮行きだ。ここで寝過ごしたら、旅は二周目に突入してしまう。睡魔との闘いに意識を集中させる。

 ■ 品川 → 大井町 21:41 →21:44

品川駅で、向かい側のホームの電車に乗り換える。この駅では最近ホームの割り当てが変わり、乗り換えが便利になった。

 ■ 大井町 → 荏原町 21:49 → 21:55

これが最後の乗り換え。この電車に5分乗ったら最寄り駅に到着するのだ。そして、明日から当たり前のように仕事が待っているのであった…… 

おしまい。

 【 追記 】

万代バスセンターのカレーは、レトルトの物を後日Amazonで購入した。


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