短編小説の集い「花と奏」ふりかえり

これまでの私は、誰かに読んでもらうためではなく、ただ自分の書きたい衝動の赴くままブログの文章を書いてきました。

遊び半分で小説らしきものを書き、小説家になる夢を見るのは中学で終わりにしたのです。

この頃は読書すらしなくなったので、短編小説を書こうとした時に(えっと、小説ってどんなものだっけ?)と思ったほどでした。

それなのに書き始めるとストーリーは勝手に暴走し、どう展開するのか自分でも解らなくなりました。私は、結末さえも決めていなかったのです。

2000字を超えたあたりで(ちょっと待って。とにかく起承転結でいこう。まずは人物像とテーマを決めなくちゃ)と一旦落ち着きます。そして仕切り直して、ラストまで一気に約5000字を書いたのが一日目でした。

翌日に見直すと、辻褄が合わない所がいくつか見えてきました。その部分の整合性をとりながら推敲します。

このようにして「花と奏」は丸二日で書き上げました。

本当は〆切まで時間があるのだから、もっと推敲を重ねて文章を磨けばいいのだと思います。でも、私はこれで終わりにしなければなりません。終止符を打つまで他の事が何にも出来なくなってしまうからです。終わらせないと寝ても覚めても「花と奏」の事ばかり考えて、日常生活に支障をきたすのがとても困るのです。

この物語で書きたかったのは、悪意のないフリをした悪意や、意図せずして人を傷つけている人達でした。

それから、ゲームセットをするように命を簡単に落としてしまう子供の世界を描きたいと思いました。

主催の霧夢さんにはきっと「こんなのダメだ小説ではない」と言われるだろうと思っていました。そう言ってもらえば良かったのです。

そうすれば二度と、小説など書こうと思わないでしょう。

でも、コメントが優しかったので拍子抜けしました。そうか、これが初心者枠…

いただいたコメントで『なんとなく実話を元に書かれているような気もしました。』とありましたが、その通りです。

本当にあったエピソードをいくつも織り込んだので、リアリティが出たのだと思います。

例えば「A中の制服を贈った人達」の部分とか…

 

私は溜まった心の底の澱を、いつか全部吐き出したいのです。

でも、それを書いて誰かを傷つけるのは本意ではありません。吐き出し場所としての、私のブログなのに。

誰かの話を書きたいと強く思っても、もし本人が知ればショックを受けるだろうと諦めてきました。

実際、兄弟や友人からは「自分の話は、絶対に書かないで」と釘を刺されています。

でも今回、初めて短編小説の集いに参加して

そうか、フィクションにしてしまえば、書きたいものが何でも書けてしまうんだ!

と気付きました。

小説を書くのは苦しかったです。産みの苦しみ。

ブログは思いつくまま書きたいように書けばいいけれど、小説の先には必ず読者がいて、面白くなければその文章には何の価値もない。ただの自己満足でしかありません。

もっと面白いものを!という向上心を持たない限り、小説には手を出さない方がいいのかも知れません。

短歌も詩も下手くそで自己満足でやっているのですが、私はそちらの方をもっと勉強して、上手くなりたいからです。

と言いながら、衝動的に書いてしまうのが怖いのですが…

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