見出し画像

浅草みどりになりたかった〜「映像研には手を出すな!」大童澄瞳〜

こんにちは。閲覧ありがとうございます。いつも忘れてしまうので、ここで告知をさせてください。

お近くの方、よろしければゆるゆると遊びにきてくださいね。当事者であるお子さんのご意見も聞きたいので、お子さん連れ歓迎です。

今日は漫画の話をひとつ。
家のお風呂場のリフォームのついでに、リビングの壁があまりにボロボロなので、クロスの張り替えをすることにしました。本棚に置いてある漫画の整理を少し、、、と思って読み返し始めたのが(悪い癖)「映像研には手を出すな!」です。

あれ?これ、感想どこかに書いていなかったっけ?と思いましたが、ここには書いてなかったようです。ざっくりすぎる説明をすると、主に設定担当のオタク女子の浅草氏、読者モデルをやりつつもアニメへの情熱を持ち続ける水崎氏、超リアリストのプロデューサー金森氏を中心に、女の子たちがアニメを作るお話です。読んでいると「そうそう!こんな感じ!」と漫研部員だった80年代を思い出します。登場人物はみんな、今時のゆるふわ女子高生ではありません。学校帰りにラーメンすするし、銭湯でキャッキャしたりします。コミュニケーションも独特な感じですが、互いの表現への信頼があって、あーだこーだと言いながら映像を作り上げていきます。私自身が中学生の頃、仲間と美術室の机を囲んだ、友達の家のちゃぶ台でお絵描きした、お互いの作品の感想を言い合った、あの頃の空気が蘇るようなワクワク感を思い出します。なんて愛おしい世界だろう。初読の感想はそんなところでした。何せ設定資料が挟まるので文字も書き込も多いので読み返すにも気力がいるのです。登場人物の中では浅草氏が好きだなあ、そして金森氏かっこいいな、というくらいでそっと置いておきました。

今回もそもそと本棚から取り出して読み返してみての感想は

そうだよ、アタシは浅草ちゃんになりたかったんだ!(いや、今でもか)

設定オタクの浅草ちゃん。一人で延々想像の世界を膨らませて、それを絵に描いたり文字にしたりしています。人見知りだし、想像力が暴走しすぎて誰もついて来られないこともよーくわかってて、どこか閉じている感じです。でも、彼女のプリミティブな、子どもみたいに想像の世界で遊ぶエネルギーがなければこの物語は進んでいきません。4巻かな?浅草ちゃんが世界の広さを知っていて、全部が描けないことが分かったので描かなかった、と落ち込むシーンがあるのです。もうこれが自分と重なって重なって、、、。

私は小学生の時は物語を書いていたし、中学生の時は漫画を描いて言いました。高校でいったん書くのをやめて、大学生と演劇部顧問時代は戯曲を書いていました。でもね、世界は広いんです。自分が描けるものよりもっと面白いこともびっくりすることも悲しいことも現実に起こるし、そもそも戯曲なんて他人に演じてもらってなんぼなので「人の体を借りてまで表現したいことか?」とか考えちゃった時点で書けなくなってしまって。だから浅草ちゃんの不器用で内向的でありながら想像力でどこまでも行こうとする感じにどこまでも共感するのです。年を重ねると金森氏の老獪さとか、水崎氏のふわっと、でも確実に形にする感じとかはリスペクトを感じるのですが、私は浅草ちゃんになりたい。(小柄でタヌキっぽいところも親近感)

という話をしていたら、夫が「オレも浅草ちゃんになりたい」だって。家に浅草ちゃん2人はいらないなあ、と思うのですが(笑)のんびりとでいいので、この先も映像研のみんなの物語を読んでいきたいです。

※トップ画は久々に描いてみた絵。なんか横に伸びてるけど(汗)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?