ろくさん_「イマドキの大学事情」

2009年に公立大学に転勤して、5年ほど入試業務を担当。以降、大学コンソーシアムや地域…

ろくさん_「イマドキの大学事情」

2009年に公立大学に転勤して、5年ほど入試業務を担当。以降、大学コンソーシアムや地域振興部署に転勤後も全国の大学職員や大学生と関わっていたら、再び公立大学に転勤して総務業務を担当。2022年に私立大学に転職。この間に娘達が大学生に。

最近の記事

人前で話すことが苦手な学生に助言したこと

数年前の話である。大学3年生。これから研究などの発表で、知らない人の前で話す場面があるそうだが、緊張してしまってうまく話せないそうである。最初は誰でもそうだから、何とかなるよと言ったが、そうでもなかった。「話すことへの抵抗感」が強いそうである。 人前で話す、知らない人と話す、集団の中で相手を見つけて話すって、たしかに誰でも抵抗ある。こんな話を振っていいのかと考えすぎたり、自分が話そうとする筋道を考えているうちに別の話題になることがある。でも話してみて、よかったと思えることは

    • やらなければならないことが多いときの大学1年生の対処方法

      背景 前回のnote「大学生は、ヒマじゃなくなったのか?」で、「高校生から大学生になって、やらなければならないことをする時間は減少」と書いた。大学の授業は毎日1限から5限まであるわけでなく、自ら選択した時間以外は自由に使えるはずである。しかし、5月になると1年生から「やらなければならないことがいっぱいでどうしたらいいかわからない」と少々パニックになった相談を受けることが多い。 私は、そんな時、「テトリス」をイメージする。高校から大学になって、自分が自由に使える時間が増え

      • 大学生は、ヒマじゃなくなったのか?

        「大学生って」に続く言葉として、「ヒマでしょ」は一昔前は定番だった。実際は、そういう大学生もいたし、そうじゃない大学生もいた。今はどうだろうか。大学は変化し、大学生の周囲の環境も変化した。 大学の変化 卒業時における質の確保を図る観点から、20年ほど前から、学生に対して教育目標を明示し、その目標に向けた計画的な学修を可能とする環境を提供した上で、適切な成績評価・卒業認定を行うことが厳格化されるようになった。休講すれば補講するし、出席管理も厳しくなった。このことにより、「授業

        • 面倒見のいい大学とは何か

          最近の大学は、キャリア支援、学修支援、障害学生支援など様々なサポートが制度や組織となっている。その中で、「面倒見が良い大学ランキング」というものがあるが、これは進路指導教諭アンケートによるものなので、実際には「面倒見がよさそうな大学」と言った方がいいだろう。本当に学生一人一人に個別に手を差し伸べて丁寧に声をかけて助けてくれる大学はない。教育・研究・地域貢献といった役割の中で、教育を最重要視して個別にサポートする余裕はないし、そこまでの必要性を感じる学生はかなり少ない。むしろ、

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          学生を集めたいイベントに学生が集まらない理由その2

          前回記事「学生を集めたいイベントに学生が集まらない理由」への反響と連休前に続いた学生広報依頼を思い出したので、続編です。 本質以外の二択相談「学生を集めたいんだけど、どっちがいいと思う?」はよくある相談だけど、けっこう困る。本質から離れた部分ならば、どっちも同じだろうなあ、それよりも魅力や効果を高めようよが本音だからだ。それでも多少は違うと思うので、以下のように答えている。 1 広報は、紙(ちらし)、それともSNS? ご自由にどうぞコーナーで紙ちらしの持ち帰り率は、ここ数

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          学生を集めたいイベントに学生が集まらない理由

          就活イベントに学生が集まらないここ1年くらい、就活の初めのいっぽだとか、地方創生だとか、社会人との気軽な座談会とかの広義の就活イベントに、学生が集まらないそうである。業者の就活イベントを見ると、参加学生には「クオカード」とか「ケーキバイキング」とか「飲み物一杯無料」を大きくPRしているものもあり、「ただでは学生が集まらないこと」を裏付けている。 公務員の仕事研究座談会一方、3月に本学の学生実行委員が企画運営した「公務員の仕事研究座談会」では、春休み中にもかかわらず、4大学

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          「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」(金間大介著)を読んで

          概要ここ数年で変化した大学生の複雑で微妙な心理を分析し、原因をまとめて、大人がすべきことや大学生へのメッセージがあった。 まるで、ジェットコースターに乗っているかのように、イマドキの大学生の様子に、ビュンビュン左右に振りまわされ、えーそうなのと思いつつも、ははーんと納得。一方、上昇時には高揚するものの、ガクンと落とされ、あーそうそうとなる。読む際には、「シートベルトをきつめにどうぞ(筆者)」はまさにその通り。 読後に感じた私の最近の大学生観縦のつながりを怖がり、横の空気を大

          「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」(金間大介著)を読んで

          イマドキの大学事情を記事にする理由

          背景(講師依頼) ありがたいことに、7年続けて講師依頼をいただいているセミナー、「あの頃とは変わったイマドキの大学事情」。元々は仕事の延長だったが、公務員の肩書がなくなっても(大学を離れた時もあった)、錆びないように少しずつ磨いてきたものが役立つのであればと引き受けていて、今年も既に打診を受けている。 講演を引き受けている理由 依頼されれば、できるだけ引き受ける主義(少なくとも1回は)だが、特に積極的に受けている理由は以下のとおり。 1 日頃、学生から相談を受けたり、

          イマドキの大学事情を記事にする理由